火災・地震だけが保険じゃない!施設賠償責任保険と死亡事故保険とは? | 不動産投資を考えるメディア

火災・地震だけが保険じゃない!施設賠償責任保険と死亡事故保険とは?

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施設賠償責任保険と死亡保険が必要?!

賃貸経営や不動産投資において、リスクを意識した運用を心がけると言うのはもはや常識となっています。バブル期のように転売してリターンを得るということもなかなか難しい現状の中、上手に運用してインカムゲインを得ていくというのが専らの不動産投資手法となっていますから、長く利益を生み出してくれる大事な物件には、万一の事があった際の保険はかけておきたいところ。不動産に関する保険というと主に火災保険や地震保険について語られがちですが、他にどのような保険があるのか考えたことのある方は、そう多くはないのではないでしょうか。そこで今回は、不動産投資における保険としてあまり知られていない、「施設賠償責任保険」と「死亡保険」について解説させていただきます。

賃貸物件の設備による事故や孤独死の件数

まず、「施設賠償責任保険」と「死亡保険」について簡単にご説明させていただきます。施設賠償責任保険は、賃貸物件の設備などの不備により入居者にケガや物損などの不利益を与えてしまった時の為の保険です。また、死亡保険は住戸内で起きた死亡事故で空室期間が発生したり、家賃の減額分を保険するためのものです。どちらも確率的に起こることの少なさそうな事案ですが、ここでちょっとしたデータを見てみましょう。

消費者庁の報告によると、平成21年9月1日から平成28年1月末までの間で賃貸物件の設備等の不具合によってケガや死亡事故が発生した、もしくは発生する可能性のあった事例として653件もの情報が寄せられているとしています。そのうちの半数にあたる323件が実際にケガや死亡事故に繋がっており、ケガ人はいないが可能性があったという件数が330件となっています。

これらはあくまで報告されているものだけですので、実際にはもっと多くの事例があるのではないかと考えられますが、事故に繋がった設備とは一体何なのでしょうか。同資料では、その内訳を以下のように公表しています。

ケガや死亡事故につながった賃貸物件の設備・件数(H21.9~H28.1)
建物関連(床、天井・壁など) 227件
専有設備・器具(ガス、電気、給排水) 338件
共有設備(エレベーター、配管) 88件

具体的には、ガス湯沸かし器を使用したが換気扇が故障したため一酸化炭素中毒で死亡したという事故が1件、他にも浴槽の底が抜けてケガをした、シャワーが故障して火傷を負ったといったものがあるようです。

参考:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160323kouhyou_1.pdf

また、賃貸物件における死亡事故件数も見過ごせません。日本少額短期保険協会のレポートによると、高齢者の孤独死が年々増える中で23区内での1日あたりの孤独死の件数は、なんと8.5人になるという計算結果を公表しており、平成27年の一人暮らしの高齢者の自宅での死亡事故は3127件となるデータも出ています。

参考:日本少額短期保険協会「第3回孤独死現状レポートの発表について」
http://www.shougakutanki.jp/general/info/2018/news20180306.pdf

これらのデータを見ると、自身が所有する物件で事故が起こらないとは言えないのだという事がお分かりいただけるかと思います。やはり、万一の際の為の保険は必要となりそうですが、今回のテーマとなる施設賠償責任保険と死亡保険が具体的にどのようなものなのか見てみましょう。

所有物件のせいでケガ!?施設賠償責任保険とは

「施設賠償責任保険」とは、先ほども申し上げたとおり所有する物件の設備や構造的な問題から、入居者にケガなどを負わせてしまった場合に、その賠償額などを保険するためのものです。排水管の老朽化により漏水してしまったり、滑りやすい場所で高齢者が転んでけがをしてしまうといった事が起こらないとは限りませんので、検討しておきたい保険の一つであることは間違いありません。

実は、この施設賠償責任保険、保険料が非常に安いのに保険金が億単位まで受け取れる可能性があるということで、一部の不動産投資家の間では有名です。一例として、株式会社エイブルとエース損害保険株式会社が共同開発した「施設所有者賠償責任保険」の内容を見てみると以下のようになっています。

施設所有者賠償責任保険
プラン 保険金(1事故) 分譲1室の保険料(2年間)
Aプラン 3000万円 4,200円
Bプラン 8000万円 4,500円
Cプラン 1億円 5,000円
Dプラン 2億円 6,000円

参考:株式会社エイブル「施設所有者賠償責任保険」
https://www.able.co.jp/homeowner/image/hoken.pdf

主な支払金は損害賠償金を始めとして、訴訟に関する費用、被害者の応急手当、病院への護送費用などが含まれます。2年間で数千円という各プランの保険料を月に直すと、175~250円となりますので間違いなく安い出費と言え、仮に戸建てやマンション1棟だとしても保険料は倍額となりますが、それでも全く問題ない範囲と言えるのではないでしょうか。

ただ、これらはあくまで一例であり、保険会社により内容や制限が違ってきますので、気になる方は施設賠償責任保険を扱う会社へ問い合わせてみたほうが良いでしょう。

予想できない孤独死!死亡事故保険とは

さて、施設賠償責任はあくまで家主側の過失により賠償責任が発生した場合の保険ですが、昨今の高齢化や単身世帯の増加によって建物内での死亡事故も増え続けています。特に孤独死に関しては今後も増え続けると言われていますので、社会全体での対策が急がれています。

ただ、不動産オーナーとしては社会全体の変化を待つよりも自身で対策を講じることが必要となるわけですが、そこで検討したいのが「死亡事故保険」です。正確には「賃貸住宅管理費用保険」といったような名称であることがほとんどですが、死亡事故に備えた保険ということで死亡事故保険という名前で知られています。

では、死亡事故保険とは具体的にどのようなものなのか、参考までにアイアル少額短期保険株域会社の商品を見てみましょう。

死亡事故保険(賃貸住宅管理費用保険)
契約条件
所有戸室が4戸室以上
所有する全戸の加入が必須
1戸あたりの保険料
月払い 300円
一時払い 3600円
保険金
事故物件の原状回復費用 1事故最大100万円
事故による空室期間の家賃 最長12ヶ月、最大200万円まで補償
事故発生後、保険金の支払対象外となった場合の見舞金 定額5万円

注意点として、アパート一棟の一部の部屋だけを限定して加入できないといったことや、火災や爆発、建物倒壊などによる事故は補償されないといった制限はありますが、上記保険の対象とはならないハウスキーピング費用について10%OFFとなるサービスも提供しています。これらもあくまで一例ではありますが、孤独死や自殺といった単独の死亡事故に特化した保険があるということは、それだけの需要があるという事の裏返しとも言えます。1室あたあり年間3600円という保険料も決して高いものではありませんので、やはり万一の際の備えとして加入を検討されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、不動産経営における保険の中から、あまり知られていない施設賠償責任保険と死亡事故保険について解説させていただきました。火災保険や地震保険を併用すると年間で数万円になるため、賃貸物件の諸費用としては安くない出費と言えます。しかし、そこに比較的安い出費で施設賠償責任保険と死亡事故保険というオプション的な保険を上乗せできるのであれば、もはや鬼に金棒です。万一の備えと言われてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、いざその時が訪れた時、自分の銀行口座から多額のお金が出ていく可能性を考えると、やはり加入しておくに越したことはないのが保険です。リスクに対して万全の備えをしておけば、あとは空室リスクに注力するのみ。リスクを減らしていく努力も、不動産投資を行うにあたっての大事なプロセスと言えるのではないでしょうか。

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