今日から使える!キャッシュフローを改善する値下げ交渉術5選 | 不動産投資を考えるメディア

今日から使える!キャッシュフローを改善する値下げ交渉術5選

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駆け引きのイメージ

日本人は「値切る」という事が恥だと感じる文化だと言われていますが、関西方面に向かうと、逆に「値切って当たり前」だなんてこともよく耳にします。かといって、何でも値切ればよいと言うものではなく、スマートな交渉でWin-Winな関係を築くことができれば、それに越したことはありません。

不動産においては、物件購入時の費用を抑えることで利回りを上げることができるわけですが、それを実現するためには物件購入の際の「交渉術」が必須となってきます。今回は、「もう少し安くなりませんか?」という単純な交渉では叶わないかもしれない、物件を安く購入してキャッシュフローを上げる交渉術を5つご紹介します。

フットインザドア/ドアインザフェイス

「フット・イン・ザ・ドア」とは、「ドアに足を入れることができれば営業マンの勝ち」といった意味から来ています。今では不法侵入だという事でそれをする人もいなくなりましたが、足を踏み入れられたためドアを閉められずに話を聞いてしまったなんてシーンは昔のドラマなどでもよく目にしました。フット・イン・ザ・ドアは、突然本題を切り出すよりも、小さな要求から始めて少しずつ本題に近付けていくような交渉術ということですが、例えば、気に入った物件に対していきなり「〇百万円値下げしてください」と頼んでも、受け入れられない可能性があります。そこで、「物件を見させてください」という小さな要求から始めて、次に「初期費用の内訳を見せてください」と段階を踏んで、最後に「〇百万円値下げしてください」という本題に入った方がスマートであり、要求も通りやすいというのがフット・イン・ザ・ドアのテクニックなのです。

また、似たような言葉の交渉術として「ドア・イン・ザ・フェイス」があります。フット・イン・ザ・ドアが足を踏み入れる動作を指すのであれば、ドア・イン・ザ・フェイスは開いたドアに顔を突っ込むようなイメージとなります。ドアを開けたら顔から入ってくるようなゴリ押し営業をされれば、とにかく拒否したい気持ちが湧くのは当然ですが、同時に「断ってしまった」という罪悪感も生まれます。つまり、断られることを目的に最初に大きな要求をしておいて、最後に本来の要求を飲ませるという交渉術です。簡単な例としては、「1000万円くらい値下げしてもらえませんか?」と物件価格の値下げを要求しても、まず間違いなく断られるでしょう。その後、「800万円ではどうですか?」と言っても金額の大きさから難しいかもしれません。最後に「500万円下げてもらえたら相場どおりですし、何とかキャッシュフローもトントンになるので交渉してもらえませんか?」ともっともらしい理由を付けて要求する、これがドア・イン・ザ・フェイスの交渉術です。

ダブルバインド

「ダブル・バインド」とは、直訳すると「二重(ダブル)の縛り(バインド)」という意味になります。つまり、相手に対して「要求に応えよ」と「選択しろ」という2つの回答を求める交渉術になります。ダブル・バインドは時に効果的な交渉術ではありますが、基本的に相手の精神的負担が大きいことから諸刃の剣となる場合もあるため注意の必要な交渉術となります。

例えば、300万円ほど値下げしてもらえると収支計画の合う物件があったとします。ただ、現状渡しが条件となっているリフォームが必要な物件です。つまり、リフォーム費用などを考えると300万円くらい値下げしてもらったら、ちょうど良い収支計画になる物件です。だからといって「リフォーム費用分を値下げしてほしい」と言ったとしても、「100万円くらいなら値下げしてもいいですよ」という返答にしかならないでしょう。そもそも相手は最初から現状渡しと言っているのですから。

そこで以下のような言い回しで交渉すれば、リフォーム代がまるまる浮いてしまうかもしれません。

リフォームして内装を新品同様にするには300万円ほどかかります。現状渡しならせめてその分ほどは値下げしてもらいたいのですが、もしかしたら業者と打ち合わせればリフォーム費用はもう少し安くなるかもしれません。なので、現状渡しで300万円安くしていただくか、リフォームの見積分の費用を値下げしていただけませんか?

これで、どちらを選択してもらってもこちらにはメリットしかありませんし、先方も自身で選択したことであるため文句も出ないという事になります。ただし、最初にお話した通り、相手に逃げ道を作らせない交渉術であるため相手の精神的負担が大きくなることから多用することは避けたほうが良いでしょう。

ミラーリング

営業マンの基本として「相手からの信用を得る」というものがあります。親近感を持ってもらえれば交渉もスムーズになるというロジックですが、相手から親近感・信頼感を得るために、相手に同調する交渉術が「ミラーリング」となります。

人間は集団で生きる動物であるとされていますが、これは意図的にそうしているのではなく本能がそうさせているとも言われています。赤ちゃんや子供が、別の子供が泣き始めたらつられて泣いてしまうというのも、本能的な同調行動だという研究結果もあります。この、相手に同調するという行為そのものがミラーリングという交渉術に応用できます。

相手の言うことを「そうそう、分かる!」と受け入れたり、相手が「あー疲れたー」といって伸びをしたらこちらも「そうですねー」と伸びをする、相手がお茶を飲み始めたら「私も失礼します」と一口お茶を飲む。重要なのはさりげなく自然に真似るという事です。こういった、さり気ない同調や真似を重ねることで相手から信頼を得て、交渉をスムーズに進めるのがミラーリングという交渉術です。

ソクラテス・ストラテジー

ソクラテスとは古代ギリシャの哲学者ですが、名前だけでもご存知の方は多いかと思います。「ソクラテス・ストラテジー」とは、ソクラテスが考えた「本来の答えを相手から引き出す」ための交渉術で、別名で「ソクラテスの問答法」とも言われます。例えば、「築年数が古く、内装もリフォームが必要だと思うんですが、200万円値下げしてもらえませんか?」とこちらから値下げ要求とその理由を伝えてもあまり効果的ではありません。ソクラテス・ストラテジーを使うと以下のようになります。

  • 買主「これまでに何人か内見されてるんですか?」
  • 売主「5人くらいかな」
  • 買主「5人とも契約に至らなかったのですか?何か理由はありますか?」
  • 売主「築年数が古いからかな。」
  • 買主「でもリフォームすれば十分使えると思うんですが?」
  • 売主「そう、リフォームしなきゃ使えないから高いと思われるみたいでね。」
  • 買主「なるほど。見た感じリフォームには200万円ほどかかりそうですね。」
  • 売主「そうだね。」

こんな風に、相手から自然と欠点や矛盾、改善すべき点を引き出して認識させるのがソクラテス・ストラテジーなのです。相手がその物件の悪いところや改善点を認識すれば、それを理由に交渉がしやすくなるでしょう。

対比効果

最後にご紹介する「対比効果」は、ダブルバインドと少し似ていますが、ダブルバインドは「拘束する」という側面があるのに対して、対比効果は「比べてもらう」という相手主導の交渉術になります。売れ残っている物件の中にも値下げさえすれば投資家にとって魅力的な物件はあるものですが、売れ残っていることに目を付けて、いきなり値下げ交渉をしたところで「時間をかけてでもこの値段で売るから」とアッサリ断られてしまうでしょう。よって、「いつから売りに出されてるんですか?」という質問から入って「2年前から」なんて答えを引き出しておければ以下のような交渉が可能になります。

なるほど。値下げすれば優良な物件なのは間違いないように思います。もし200万円下げてもらえたら今すぐ検討しますが、今の価格でもう少し別の買主を探しますか?

このような交渉の方がスマートですし、自然な流れで「時間かけるか今すぐ売るか」という選択させることができます。もちろん、「そうだね。ゆっくり買主を探すよ」という返答が返ってくるかもしれませんが、嫌みの無い交渉をしたことによって、後日の再交渉に繋がる可能性もあります。ダブルバインドに比べると、相手の精神的負担が少ないのが対比効果です。

まとめ

街中の家電量販店に行くと、次のようなアナウンスが流れていることを聞いたことがないでしょうか。

「他店よりも1円でも安かったらご相談ください!」

BATNA(バトナ)と呼ばれる交渉術を逆手に取った手法だとも言われています。バトナは「Best Alternative To a Negotiated Agreement」の頭文字を取ったものですが、「合意に次ぐ最善の代替案」といったような意味があります。つまり、客側から「○○円にならない?ほかの店なら○○円だったけど。」と言われる前に、先に代替案を提示することでお得感を与え、購入に結び付けているのです。こちらが有利に立ちたいと言うのは誰しも同じですが、相手との交渉の中で友好な関係を継続しつつ、いかにスマートに結論を導き出させるかといったことを心がければ、自然と投資効果を上げていくことができるかもしれません。

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