賃貸経営は今のままで大丈夫?!投資効率を見極めるROI・CCR・DCR | 不動産投資を考えるメディア

賃貸経営は今のままで大丈夫?!投資効率を見極めるROI・CCR・DCR

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統計データイメージ

日頃から、購入した物件の収益をいかに上げていくかというキャッシュフロー面を意識されている方は多いかと思います。
節税対策や空室対策、物件の付加価値といった様々な観点からキャッシュフローを見ていくことは重要ですが、現在の「投資効率」に問題はないかどうかも確認しておく必要があります。投資効率と聞くと、何やら「時間的な効率の良さ」をイメージされるかもしれませんが、収入、費用、債務といったお金の面から見た運用を心がけると、どこを改善するべきか見えてくるかもしれません。
そこで今回は、投資効率を見極めるための、「ROI」「CCR」「DCR」という3つの指標について解説させていただきます。

ROIの目的と計算方法

「ROI」は「Return On Investment(リターン・オン・インベストメント)」の頭文字を取ったものになりますが、直訳すると「投資から得られる利益」という意味になります。
一般的には「投資利益率」や「投資収益率」として理解されていますが、元々は株や証券の収益率を計るものとして利用されていました。
不動産においても、投資したお金に対してどのくらいの収益を得ているか計る事を目的に活用されるようになりましたが、算出される数値が高いほど効率の良い投資が行えているという事になり、逆に数値が低ければ効率の悪さを表しますので、自ら改善点の洗い出しを行うことができます。

では、ROIの計算方法ですが、さほど難しいものではなく以下のようになります。

年間の家賃収入 ÷ 投資額 × 100 = ROI(%)

非常に簡単です。
しかし、このROIの計算は、あくまで不動産を所有した後の「表面上の投資効率」を確認する目的として活用するものと考えたほうが良いでしょう。その理由は後ほどご説明させていただくとして、上記の計算においての各項では以下の事に注意しなければいけません。

「年間の家賃収入」
税金、諸経費、ローン返済額、減価償却費といったものを全て差し引いて純利益とする。

「投資額」
自己資金だけでなく、金融機関から借り入れたお金も投資額として含める。

では、これらの注意点を踏まえて、実際に計算をしてみましょう。

【ROIの計算例】

  • 物件価格3000万円(自己資本1000万円+ローン2000万円)
  • 年間の家賃収入300万円
  • ローン返済額84万円
  • 諸経費等45万円

(300万円 - 84万円 - 45万円)÷ 3000万円 × 100 = 5.7%

CCRの目的と計算方法

さて、先ほどのご説明の中で、「ROIは表面上の投資効率を確認する目的」とお伝えしましたが、その理由は「CCR」の計算方法と目的を知ることで明らかになります。
CCRは「Cash on Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン)」の頭文字でできた言葉であり、「自己資本収益率」と訳されています。
CCRの計算方法もさほど難しくなく、ROIの分母である投資額を自己資金のみにするだけです。
言葉でご説明するよりも、実際の計算式と先ほどのシミュレーションを使った計算例を見てみましょう。

年間の家賃収入 ÷ 自己資金のみの投資額 × 100 = CCR(%)

【CCRの計算例】

(300万円 - 84万円 - 45万円)÷ 1000万円 × 100 = 17.1%

※条件はROIと同じ

ROIの時には5.7%だったものが、CCRでは3倍の17%を超えています。非常に魅力的な利回りを確保しているかのように見えますが、そうではありません。
あくまで、自分の持っていたお金をどのくらいの割合で回収できているかということを示すものであり、現在の投資効率を見るのとは意味が違うのです。
ちなみに、上記の数字どおりに順調に賃貸経営ができたのだとすれば、5~6年で自己資金が回収できることになります。
ROIは「投資額に対する収益」であり、CCRは「自己資金に対する収益」という違いであることがお分かりいただけたかと思います。

DCRの目的と計算方法

最後にご説明させていただくのが「DCR」です。
DCRもまた英語の頭文字からできた言葉ですが、元の言葉は「Debt Coverage Ratio(デット・カバレッジ・レティオ)」となり、「債務回収比率」と訳されます。
これは、物件の収益がローンの返済額によって圧迫されていないかということ見ることができる指標ですが、銀行が融資を行うにあたっての判断基準としても使用されます。

一般的にはDCRで算出された値である「1.3倍」という数値を基準として、数値が下がるほどローンの負担が大きいということになり、数値が上がるほど安全な投資運用ができていると判断されます。
実際の計算式は以下のようになります。

家賃収入 ÷ 返済額 = DCR(倍)

【DCRの計算例1】

  • 年間の家賃収入336万円(家賃7万円×4戸)
  • ローン返済額132万円(3000万円/金利2%/30年ローンと想定)
  • 諸経費等45万円

(336万円 - 45万円)÷ 132万円 = 約2.2倍

上記計算例ですとDCRが2.2倍となり、非常に安定した運用ができているという事になります。しかし、周辺の環境が変わり、まるまる一年間、4戸中3戸しか埋まらなかったとしたら以下のようになります。

【DCRの計算例2】

  • 年間の家賃収入252万円(家賃7万円×3戸)
  • ローン返済額132万円(3000万円/金利2%/30年ローンと想定)
  • 諸経費等45万円

(252万円 - 45万円)÷ 132万円 = 約1.6倍

一気に1.6倍までDCRが下がってしまいました。では、4戸中の1戸がまるまる1年空いているので、全戸の家賃を5000円下げて満室になった時の計算をしてみましょう。

【DCRの計算例3】

  • 年間の家賃収入312万円(家賃6.5万円×4戸)
  • ローン返済額132万円(3000万円/金利2%/30年ローンと想定)
  • 諸経費等45万円

(312万円 - 45万円)÷ 132万円 = 約2倍

再びDCRが2倍になりました。しかし、いつまでも同じ収益率が維持できるとは限りません。ローン金利が変動制で3%に上がり、再び空室1戸がなかなか埋まらないとなった場合にどのようになるか計算してみると、以下のようになります。

【DCRの計算例4】

  • 年間の家賃収入234万円(家賃6.5万円×3戸)
  • ローン返済額151万円(3000万円/金利3%/30年ローンと想定)
  • 諸経費等45万円

(234万円 - 45万円)÷ 151万円 = 約1.3倍

このように、経済全体の変動につられてDCRは変動しますので、不動産投資における安全性を常に気にしておくようにする必要があります。
ちょっとした変化が、自身の投資を安全なものか失敗に終わらせるのかを決定づけるものとなる上、マイナス金利政策が終われば住宅関連のローンも上がると言われていますので、もしDCRが1倍を下回る債務超過になったという事でもあれば、すぐに運用の見直しをする必要があるでしょう。

まとめ

今回は、「ROI(投資利益率)」「CCR(自己資本収益率)」「DCR(債務回収比率)」の3つをご紹介させていただきました。
これら以外にも、不動産投資を行う前に物件の価値を見極めるための指標なども含めると非常に多くのものがありますが、現在既に不動産を所有して経営されているのであれば、最低でも今回ご紹介させていただいたものは意識されたほうが良いでしょう。
空室対策はもちろんですが、自身の投資に何か非効率なものがないのか見極め、常に改善や工夫を心がけることが長く収益を生み出していくコツだと言えるかもしれません。

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