賃貸経営安定のため外国人をターゲットにすべき理由 | 不動産投資を考えるメディア

賃貸経営安定のため外国人をターゲットにすべき理由

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人口減社会の日本において注目されているのが外国人労働者の活躍です。現在、日本には年間約20万人の外国人留学生が留学しており、そのほとんどが学費を稼ぐ名目で労働に従事していると言われています。

東京23区でも特に外国人が多いと言われる新宿区では、居住している20代の多くが外国人のマンションなど、賃貸需要の主要な借り手が外国人となっているエリアも次第に増えてきています。

逆張り志向の大家さんの中には、賃貸需要の旺盛な外国人を主なターゲットにして賃貸経営を行なっている人もいます。しかし、文化や価値観の違いからゴミ出しなど共同生活のルールを守れない外国人も多く、物件の資産価値が落ちるなどの話も出ています。それでは外国人の入居者をターゲットとして賃貸経営をうまく進める方法はあるのでしょうか?

根深い日本人の連帯保証人問題

2017年に法務省は、日本に住む外国人を対象に住居に関するアンケート調査を行いました。過去5年間で、日本で住居を探した2044人のうち、外国人であることや日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた経験がある人は、約4割に上るという結果になりました。この調査結果を受けて、法務省は2020年の東京オリンピック・パラリンピックへと向けて法律的な整備を検討しているとのことです。

今回の調査で申し込みを断らわれる最も大きな理由としては、外国人が連帯保証人を探すのが非常に困難であるところが最も大きな理由です。特に日本人の連帯保証人がいないことを理由に入居を断られたという外国人が多かったというケースがありました。外国人が連帯保証人を探すときには、日本人であることだけではなく、一定の収入があることが求められます。もちろん、外国人の親族は外国に住んでいるケースが多いので、なかなか連帯保証人を見つけることができないことが多いものです。しかし、最近では外国人向けの賃貸保証会社も増えてきています。

外国人向け賃貸保証会社も増えている

日本に住む外国人が増えるにつれ、最近は賃貸保証会社のオーナー向けサービスも充実してきています。家賃保証はもちろんのこと、訴訟に発展した場合、弁護士費用も保証してくれるだけでなく、残置物処理まで全て対応してくれます。また、入居後のゴミの出し方や共用部の利用方法などの説明や注意をしてくれる家賃保証会社もあります。

学生向け不動産会社の中には、外国人留学生を対象とした賃貸サービスを事業展開する企業や外国人専門の賃貸保証会社も増えており、今後も外国人入居者をターゲットとした事業はさらに増えていくでしょう。

2020年には改正民法が施行され、個人の連帯保証人の保護が強化されます。オーナーは法改正に伴い契約書の書き換えなど連帯保証人のために多くの対策をする必要があります。
このため、2020年以降は個人の連帯保証人を利用するオーナーが減り、賃貸保証会社を利用する人が増えるのではないかと言われています。先述の通り、外国人向け賃貸保証会社も増えてきていることから、今後は特定の連帯保証人を取らず、賃貸保証会社を利用して外国人入居者を受け入れるオーナーが増加していくかもしれません。

ターゲットは中国人からベトナム人へ

ほんの10数年前までは、アジア系の外国人を入居させたところ、文化や価値観の違いからトラブルを起こし、物件の資産価値が大きく損なわれたという話もよく聞かれたのですが、最近では来日前に、日本の住宅事情をあらかじめ学んでから来る外国人も増えているため、そういったトラブルはかなり少なくなったと言われています。

特に経済成長が目覚ましい中国の留学生は、両親の所得も高いため仕送りも多く、日本の住居に関するルールも熟知し、ほぼ日本人と同様の生活を送っている人も多いと言われます。しかしながら、日本に留学する中国人は年々減ってきており、優良な入居者を探すのはなかなか難しいかもしれません。

中国人に代わって優良な入居者として注目されているのがベトナムからの留学生です。ベトナム人には親日家が多く、部屋を清潔に使い、ルールもきちんと守る人が多いので、共同生活にも支障なくトラブルも少ないと言われます。

飲食店を中心とした業界の新たな労働力としても注目集めているのが、このベトナム人留学生なのです。彼らの特徴は、真面目で素直であり、コツコツ仕事をする人が多く、日本人と似ているところがあるとも言われます。また、独自のネットワークを利用して、友人・知人を紹介してくれることもあり、そういった面でも重宝されています。
ある居酒屋チェーン店では、働いているアルバイトの半数はベトナム人留学生で、都内の店舗では、時間帯によっては店長以外全員ベトナム人になるという店もあるそうです。ベトナム人アルバイトの多くは都内近郊に住んでおり、そこから通っているそうですが、部屋探しには苦労しているそうです。こうした外国人の入居需要を取り込むことが将来的に賃貸経営の安定にもつながっていくかも知れません。

賃貸経営安定のため外国人をターゲットにすべき理由 Vol.2│画像1

法務省の調べでは、2016年の日本における在留外国人数204万3872人、特別永住者数33万8950人、合計238万2822人で2015年末に比べて6.7%の15万633人増加し、過去最高となりました。2012年と比べるとほぼ倍のペースになっています。
今後、人口減社会で消滅する都市も出てくると言われている日本において、外国人入居者をターゲットにするのが賃貸経営にプラスになるかどうか前回に引き続き考えていきます。

ベトナム人やネパール人の在留者が増加

統計によると在留外国人の地域別でトップの中国人が69万5522人と在留外国人の約3割を占めており、次に韓国人が45万3096人で約2割、3位はフィリピン人が24万3662人と約1割となっています。
前年と比較すると、中国人が4.5%、韓国人はマイナス1.0%、フィリピン人は6.1%とほとんど増えていません。逆に増えている外国人は、ベトナム人が36.1%、ネパール人が23.2%と二桁の勢いで伸びています。

日本企業のイメージが良いベトナム

それでは、なぜベトナム人とネパール人が増えているのでしょうか。まずベトナムの事情から見ていきましょう。

ベトナム人留学生が多い理由は、国内での若者の就職難が挙げられます。2014年の15~24歳までの失業率は6.3%で平均失業率を大きく上回っています。ベトナムの高等教育機関への進学率は24.6%ですが、ベトナムの大学を卒業しても就職できないという状況が続いているといいます。

一方でホンダを始め、ベトナムに進出している日本企業は1500社を越え、ベトナム企業よりも給料が高く、採用や昇進が実力ベースで行われて職場環境も良いことから日本への留学がブームとなっており、それを後押しする留学斡旋業者も多くなっています。またベトナムでは、日本のアニメや漫画も人気が高く、日本の文化が浸透しているというのも留学生が多い理由の一つになっています。ベトナム人留学生は日本で永久に働きたいと思っている人は少なく、帰国して就職したいと考えている人が多いため、賃貸期間は他の外国人と比べてやや短めとなる傾向にあるようです。

貧困脱却の手段として留学を選ぶネパール

一方、ネパール人留学生が増えている理由は、親日家が多いということに加え、国内情勢の悪化で国内に十分な雇用の機会がなく、留学をすることで貧困を脱却しようとする若者が多いということが挙げられています。2012年のネパールの留学比率は7.6%で中国やタイ、ベトナムの3~7倍の高い比率を示しています。

そうした若者をターゲットとして、日本留学を斡旋する業者も増えています。悪徳業者も多いようですが、留学斡旋業者を通じて日本で働く人が増えています。ネパール人留学生はベトナム人留学生とは異なり、ネパール国内での経済問題や治安悪化のため「日本企業で働いて日本に永住したい」という人が多いとも言われています。そのため賃貸期間も他の外国人と比べて長めになる傾向があるようです。

自国内で稼げるようになり留学生が減っている中国や、国同士で仲があまり良くない韓国などに代わり、今後はベトナム人やネパール人の労働者が増え、賃貸需要も増えると予測されています。

留学生の家賃相場は?

外国人留学生をターゲットとするとしてもどの程度の家賃を平均して支払っているのかわからなければ、どのような戦略を練ればいいかなかなか難しいかもしれません。そこで、独立行政法人日本学生支援機構の2013年の調査を見てみることにしましょう。

まずベトナム人留学生の生活費ですが、ベトナム人の家族からの1ヶ月の仕送りは平均4万6036円です。この金額は、ベトナム、ネパール、タイ、インドネシア、中国の仕送りと比べてみると最低金額になっています。彼らの1ヶ月の支出合計は平均12万4195円で、内訳は家賃が2万5824円、食費が2万4598円、留学費用のローン返済やその他が7万3773円となります。

仕送りだけではとても賄えないため、アルバイトをすることになりますが、アルバイト収入は平均7万237円で、仕送りと合わせても1ヶ月の収入が13万578円となり、ギリギリの生活を送っていることがわかります。

一方、ネパール人留学生は、空いている時間はアルバイトに費やし、アルバイト収入が8万7492円となっています。仕送りと合わせると15万8860円です。支出の内訳は家賃は2万9060円で、食費は2万4917円。留学費用のローン返済やその他が8万6058円。合計すると1ヶ月の支出は14万35円となります。ベトナム人留学生に比べるとアルバイトに多くの時間を費やしている分、金銭的にもやや余裕があるように見受けられます。

留学費用のローン返済などを考えると、家賃にあまりお金をかけられない留学生が多く、寮に住んだり、首都圏郊外に住まいを考えたりする人が多くなっているのかも知れません。今後もベトナム人、ネパール人の留学生は増えていくと予測されていますが、こうした外国人留学生をターゲットにするには、平均して2~3万円前後の家賃設定が必要になるようです。

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少子高齢化・人口減社会でこの先消滅都市も出てくると言われる日本において、外国人をターゲットにした賃貸経営を検討している人も多いと思います。しかし、実際に外国人を相手に賃貸経営を始める時には外国人入居者ならではの確認事項や必要な手続きなども考えなくてはなりません。

外国人入居時の必要書類

入居者の申込から審査、契約などを対応するのは不動産会社ですが、どのような書類が必要なのか事前にある程度は把握しておきましょう。まず申込時に必要な書類ですが、これはどのような在留資格で部屋を借りるのかによって、必要な書類が若干異なります。
ある外国人向けの賃貸を仲介している不動産会社の申し込み書類の事例をご紹介します。

留学の場合

留学ビザ(在留資格)で日本に来ている人が部屋を借りる際は、次のような書類が必要です。

  1. 在留カードまたは外国人登録証明書(表面と裏面のコピー)
  2. 本人証明書。在学中学生の場合は学生証、進学の場合は合格通知など、就職の場合は内定通知書など
  3. 家族(両親)緊急連絡先、日本国内の緊急連絡先(外国籍も可能)など

就労ビザ(在留資格)の場合

就労ビザ(在留資格)で来日している人が部屋を借りる際は、次のような書類が必要になります。

  1. 在留カードまたは外国人登録証明書(表面と裏面のコピー)
  2. 本人証明書。在職中の場合は、給与明細書(社判が押されている直近3ヶ月分)、または源泉徴収票、転職中の場合は、内定通知書、または雇用契約書、休職している場合は、預貯金の通帳口座名義のページと直近1週間以内の最終ページ
  3. 家族(両親、兄弟)緊急連絡先、日本国内緊急連絡先(友人外国籍可能)

外国人の入居審査をする時は、これらの書類が必要であることを伝えましょう。入居申込の時点で、書類不備や電話連絡がつかなければ、入居審査が進められないと言うこともきちんと伝えておくことが大切です。

書類の不備や電話が繋がらないというのは、日本人ではあまり発生しにくいですが、外国人の場合は発生することがありますので、不動産会社に仲介を依頼する場合でも、きちんと対応してくれるように伝えておきましょう。

電話審査では、自分自身と家族、友人や勤務先に電話がくると言うことを契約者本人に伝えておきます。事前に不動産会社の方から連絡があることを関係者に伝えておくようにアドバイスをしてあげましょう。聞いていないと言うケースも意外と多いのです。

連帯保証人が見つからない場合は?

日本に知り合いがいない外国人も多く、連帯保証人を見つけられないと言うケースも少なくありません。外国人の入居希望者が国内の連帯保証人を探せない最大の理由は、家賃滞納や賠償事故が起きた場合、連帯して責任を負うリスクが大き過ぎるからです。
付き合った期間が短く、人柄もよくわからない状態では連帯保証人になる人は当然少ないです。そうしたリスクを避けるためにも外国人入居者には家賃保証会社を利用してもらうことになります。

外国人が利用できる家賃保証会社は大きく分けて2つあります。1つは、連帯保証人をつける義務のある家賃保証会社です。この場合、家賃や共益費、管理費、駐車場などの1ヶ月の固定費用の約3割を賃貸借契約の時に支払います。連帯保証人をつける家賃保証会社の場合は、入居審査が通りやすいというメリットがあります。

もう1つは、緊急連絡先を教えてもらうだけで利用できる家賃保証会社です。家賃、共益費、管理費、駐車場などの1ヶ月の固定費用の約5割〜7割程度を賃貸借契約時に支払います。また、入居した翌年からは年間保証料として毎年1万円を支払うケースがほとんどです。家賃保証会社は不動産会社が指定することが多いので、不動産会社と話し合いながら保証会社を決めましょう。

ただし、留学生などの場合、学校の提携状況にもよりますが、独自の家賃補償制度を利用しているところもあるようです。

たとえば、公益法人の日本国際教育支援協会が行なっている留学生住宅総合補償などでは、家賃入金の遅延や水漏れなどの賠償事故が発生した場合、それを補償してくれる保険金が、オーナーや国内にいる連帯保証人に支払われる仕組みになっています。連帯保証人になるリスクを低減できるため、外国人入居者が連帯保証人を見つけやすくなります。留学生を入居させる場合には、こうした制度を教育機関が利用していないかどうか、聞いてみるのも良いでしょう。

まとめ

以前は外国人を相手に賃貸経営を行なうにはリスクも高く、難しい状況でした。しかし、昨今では外国人専門賃貸保証会社も増え、オーナー向けサービスも充実し、日本の住宅事情をインターネットなどで事前に調べてから来日する人が増えていることから、外国人を入居させるリスクは年々減っています。
2016年末に法務省が行った調査では外国人の実に約2人に1人は入居を断られている状況で、部屋探しに苦労している外国人が非常に多いということが分かっています。今まで外国人を断っていたオーナーも、今後は外国人をターゲットとして考える方は増えていくでしょう。

昨今日本で働くベトナム人やネパール人の若い世代が増えており、彼らの賃貸需要はとても高いのですが、留学斡旋業者に支払っている金額が高すぎて家賃にそれほどお金をかけられないという事情があります。こういった層を狙っていくために、低所得者用の物件やシェアハウスなど物件も検討の余地はあるでしょう。

いざ外国人を入居させるとなった時に大きなネックとなるのが連帯保証人の存在です。外国人の場合、連帯保証人を頼めないケースが多いため家賃保証会社を利用するのが一般的です。留学生であれば、教育機関が加入している補償制度を利用して連帯保証人になるリスクを減らすこともできます。
柔軟にビジネス変えていくことが外国人が増える日本の不動産投資で勝ち組になるために必要かもしれません。

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