ベランダのホタル族対策が入居率アップにつながる?! | 不動産投資を考えるメディア

ベランダのホタル族対策が入居率アップにつながる?!

ベランダのホタル族対策が入居率UPの一助になる!?│画像

マンションの集合住宅のベランダで喫煙する人たちは、外側から見ると夜空に舞うホタルのように見えることから「ホタル族」と言われています。室内で喫煙することを家族に咎められた人が、家族のためにとベランダでホタル族になっていくという構図があります。しかし、こうしたホタル族にさらなる受難の時代がやって来ているようです。

2017年5月「近隣住宅受動喫煙被害者の会」が設立され、約2ヶ月ほどで820人もの会員が集まり、マンションやアパートのベランダ・バルコニーでの受動喫煙で悩んでいる人が多数いるということがわかりました。

2016年10月には厚生労働省が2020年のオリンピック・パラリンピック開催を見据え、受動喫煙防止対策の一環として、喫煙者本人や施設管理者への罰則付きで、対策法案のたたき台を発表しています。ホタル族のみならず、その管理責任者である不動産投資家にも影響がある受動喫煙の問題を考えてみたいと思います。

一人がタバコを吸うと、その煙の到達範囲は直径14mに?!

一人の喫煙者がタバコを吸った場合、その煙の到達範囲がどのくらいになるかご存知でしょうか?
日本禁煙学会によると、無風状態で1人がタバコを吸った場合の副流煙の到達距離は直径14mの円周内に広がると言われています。隣室との距離を14mも取っているようなマンションやアパートはほぼありませんので、当然のことながら、喫煙者と受動喫煙者との間でトラブルが発生することは想像に難くないでしょう。

例えば、「ベランダで洗濯物を干していたら、その洗濯物にタバコの臭いがついてしまった。」「エアコンの室外機や換気扇から隣人のタバコの臭いが流入して、部屋の中までタバコ臭くなってしまった。」といったことが度々起きています。また、隣家の設備工事で工事業者の人がタバコを吸ったために、その臭いが部屋の中に入り、大クレームに発展したケースや、携帯電話の電波が通じやすいからといって住人の友達がベランダに行き、タバコを吸いながら電話をしていた結果、隣の人とトラブルになってしまったという事例もあります。

法的にはベランダやバルコニーは共用部分

「マンションやアパートのベランダやバルコニーは共用部分となり、ベランダでの喫煙が他の人に不利益を及ぼし、それが一定限度を越える場合は不法行為に当たる」という2012年の名古屋地裁の判例があります。

もちろん、喫煙行為自体が直ちに不法行為に当たるというわけではなく、「何度も注意したのに喫煙行為が改められなかった」場合や「被害にあった方がストレスから病気になってしまった」などの問題が発生して、一定の限度を超えていると裁判所が認めた場合ということになります。

そもそもマンションのベランダやバルコニーは法的には共用部分なのですが、部屋から物理的に繋がっているということもあり、プライベートなエリアとしての認識が強いエリアでもあります。そのため、細かいルールが決められておらず、トラブルが頻発するのです。

「ベランダ喫煙防止法」ができる可能性もある!?

厚生労働省が2017年3月に発表した受動喫煙防止強化のたたき台では、オリンピック開催国と同等の水準とするために、かなり厳しい規定が盛り込まれていることが判明しています。ベランダやバルコニーなどのビル等の共用部分は、原則建物内禁煙(喫煙室設置可)とする案が検討されています。ビルの共用部分といってもメインはエントランス部分など多数の人が利用して、さらに受動喫煙を避けられない場所に限定される可能性が高いでしょう。

しかしながら、ベランダやバルコニーで発生する受動喫煙対策は今後も注目が高くなっていくはずです。前述した「近隣住宅受動喫煙被害者の会」は、今後もベランダ喫煙の対策強化を求め、法律や条例の制定を国や自治体に求める行動を続けていくとしています。関連の法律ができれば、管理会社のみならず、オーナーにもその対策を講じるための義務が生じてくると考えられるのです。

危機をチャンスにする「禁煙マンション」

「新たに対策を取らなければならないなんて面倒だ。」と考える不動産投資家もいるかもしれませんが、実は悪いことばかりではありません。
ある地方都市に、全面禁煙がテーマの「禁煙マンション」を建築し、入居者を募集したところ、あっという間に全て満室になったということが分かりました。募集を担当した不動産会社もこれほどの速さで埋まるのは異例とのこと。ベランダやバルコニーの共用部分でのトラブルに悩む人たちがこぞって入居を希望したのではないかと考えられています。

入居者にとってのメリットだけでなく、寝タバコによる火災リスクやタバコのヤニで壁紙が変色すること、タバコが原因の住人トラブルも無くなりますので、オーナー側にとってもメリットは十分にあるのではないでしょうか。
今後、募集の項目に「全面禁煙」という条件も入れると、入居率アップが見込めるかもしれません。

まとめ

共用部分だと知らないために入居者が起こすベランダやバルコニーでの喫煙問題。政府もオリンピック・パラリンピックを見据えて、受動喫煙防止対策に本腰を入れてくるでしょう。

実際に法律ができるかどうかはわかりませんが、ベランダやバルコニーの喫煙問題はこれまで以上に社会問題として注目されていくことは間違いありません。
入居者同士のトラブルによって退去という事態を防ぐためにも、管理会社と相談をしてベランダやバルコニーでの管理ルールを明確にしておくことが、トラブル防止の最善策になると言えそうです。

各種お問い合わせやご相談はこちら