賃貸の集客は「紙」より「メール」!広告媒体別の反響数ランキング

まめ知識

スマホとメール
賃貸経営で自分が所有する物件の空室を埋めるための方法は、インターネットを始めとして様々な場所でアイディアが紹介されています。「チラシを配る」「近くのスーパーにチラシを置かせてもらう」「広告料を上乗せする」etc…どれも効果のありそうな方法ですが、そもそも、どのような広告媒体なら一番反響があるのかを見落としがちです。広告の方法を間違えると全く効果がないとかもしれない媒体もあります。では逆に、どのような広告媒体なら最も効果があるのか。日本賃貸住宅管理協会が公開しているデータを見ると分かる広告媒体別の反響数ランキングや最も効果のある集客方法などを解説します。

日管協の短観を見ると分かる賃貸の景況感

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会では、「日管協短観」という賃貸の景況感を知る目的で、首都圏56社、関西18社、その他エリア79社と、多くの企業が協力して調査したデータをまとめた資料を作成しています。本資料では以下のような調査結果が公開されています。

・広告媒体別の利用頻度の増減
・広告媒体別の反響数
・広告以外の方法による反響数
・来客数
・成約件数
・成約賃料
・新規管理物件の戸数
・売上
・入居率、滞納率
・平均居住期間
・一時金・家賃保証会社利用の増減
・入居条件の増減(フリーレントや礼金なしなど)
・入居時の条件別による交渉の増減
etc…

賃貸オーナー目線で見ると気になる項目が少なくないと思います。入居率や滞納率などオーナーを経験していれば分かる事については、自身で賃貸経営をされている方は何となく分かるものもあるかと思いますが、オーナー側で分かりにくいのが「広告媒体別の反響数」や「広告以外の方法による反響数」についてです。反響数(問い合わせや申し込み件数)が多ければ多いほど成約数も多くなりますので、そういった反響の多い広告媒体であれば、空室対策にも高い効果をもたらします。そこで、広告媒体別の反響数ランキングをご紹介したいと思います。

広告媒体別の反響数ランキング

日管協短観が公表している最新のデータよると、2018年上半期に「反響数が増加したと回答された広告媒体」は、以下のような順となっています。

【1位】ポータルサイト/52.4%増加
【2位】自社サイト/36.8%増加
【3位】看板/16.3%増加
【4位】SNS/9.3%増加
【5位】自社誌/3.0%増加
【6位】情報誌/1.9%増加

実は今年だけこのような結果となっているわけではなく、毎回同じ順位となっています。しかし、明らかなのはポータルサイトがかなりの反響数を稼いでいる事と、もはやチラシや情報誌ではほとんど反響が得られないという事実です。「紙の時代」は完全に終わったと改めて感じさせる結果とも言えます。上記はあくまで広告媒体別の反響データを示したものですが、営業方法による反響の違いというデータも日管協短観の資料で確認できます。そちらもランキングで見てみましょう。

【1位】メール:59.3%増加
【2位】電話・FAX:38.0%増加
【3位】直接来店:28.1%増加

本来なら直接来店の接客による効果が一番高そうですが、意外にもメールが最も効果があるという結果となっています。一昔前までは、何件も電話をかけて物件を紹介する方法が当たり前でしたが、やはり時代は変わったと感じざるを得ない結果となっています。

メールによる反響とは?

しかし、そもそもメールによる反響や効果とは具体的にどのようなものでしょうか。メールというとメルマガを想像される方も多いかもしれませんが、そうではありません。確かにポータルサイトなどに会員登録すると、今の時代、AIや自動判定のシステムにより条件に見合った物件が定期的にメールで送られてくるサービスもあります。日管協のサイトでは特に反響の定義が示されていませんが、物件が決まってしまえば賃貸会社のメルマガを定期購読する必要はなくなります。

その為、上記の「メールによる反響」とは、営業担当が顧客のニーズにあった物件をチョイスし、それを自分の言葉で紹介する、いわゆる「メールでの営業」のことを指していると考えられます。不動産業界はIT化が不完全な状況という事から考えてもその可能性は高いでしょう。実際に筆者の経験上、来店や広告反響を待つよりも「メール問合せにいかに迅速に対応するか」が成約率を上げるために大変重要であることを自身で体験しています。自分のタイミングで好きな時に問合せができ、面と向かって営業される心配もない。メールで物件を教えてもらう方が気楽で今のユーザーのニーズにマッチしていると言えるでしょう。

不動産オーナーができる1つのこと

さて、日環境のデータから分かったことをまとめてみましょう。

・ポータルサイトと自社サイトの反響が最も多い
・メールによる営業は成約率が高い

強いて言うのであれば、「看板」による反響も捨てがたいところです。看板とは、街中の不動産会社の窓や入り口にある看板に張り出してある物件情報のことです。基本的に外の看板は、「見たい」と思わせる魅力的な物件を厳選して張り出していますので、オーナーとしては是非とも自己所有の物件を張り出してもらいたいところです。しかし、もし自己所有の物件が魅力的ではなく、管理もロクにされていないような物件なら、営業担当も張り出したいとは思いません。だとすると、オーナーができることは何でしょうか。今回ご紹介したデータを見る限りで考えられるのは、以下のようなポイントです。

・大前提として自己所有の物件をしっかり管理して看板に張り出されても問題ないレベルにしておく
・繁忙期前までに懇意にしている会社や入居募集を依頼する会社の担当者と良い関係を築いておく

単に物件情報を登録すれば自動的に公開されるポータルサイトだけでなく、「自社サイト」「メール」「看板」も一定の反響が見込めることはお伝えした通りです。ここはオーナーとして見逃せない部分と言えるでしょう。これらを活かすには、やはり自分の物件の魅力を上げ、媒介を依頼する会社の協力を全面的に得られるようにすること。もし自分の物件が不動産会社の看板や個別のメール送信で紹介してもらえれば、成約率は格段に上がるはずです。

ここで心配になるのは広告費です。ですが、ご安心ください。不動産会社の看板やメールで紹介する物件に入れてもらうことで、特別に広告料を徴収している会社はそう多くはありません。もちろん広告費を上乗せして優先的に紹介してもらうよう相談するのも手ですが、キャッシュフローを考えると、まずは担当者に相談してみることから始めるても良いでしょう。みんながやっている「ポータルサイトに載せるだけ」では、これからの時代、数多くの物件情報の中に自分の物件は埋もれてしまいます。まだ実践されていない不動産オーナーは、上記に紹介した方法も使って不動産会社や管理会社と連携して空室を埋めていくことをおすすめします。

まとめ

不動産オーナーにとって、年明け以降は確定申告と空室対策で猫の手も借りたいほど忙しいなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。「ただでさえ忙しいのに賃貸の集客方法なんて考えている暇はない、管理会社や仲介会社に全て任せておけばいい」という方も多いことでしょう。ただ、せめて日頃から入居募集の媒介を依頼している会社の担当とは一度でも良いので優先的に客付けをしてもらえるよう連絡はとっておきたいところです。今回ご紹介したデータ等を基に、より有利な集客方法で募集してもらえるよう管理会社や不動産会社に依頼されると、念願の満室経営も叶うかもしれません。

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