不動産投資物件で死亡事故が起きた時の対処方法 | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資物件で死亡事故が起きた時の対処方法

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事故物件

不動産投資を長く続けていると起こり得る死亡事故。こうした物件はいわゆる「事故物件」として収支に大きく影響します。特に最近は高齢者の孤独死が増え、死亡から発見までに数週間、数ヶ月かかったケースもあります。では、自分の物件で死亡事故が起こってしまった場合、不動産のオーナーはどうすればいいのでしょうか?今回は投資している物件で死亡事故が起こった場合の対処法を7ステップに分けてご紹介します。

住宅で起きる高齢者の孤独死…1/3は東京で起きる!?

そもそも不動産は人が生活を営むためのものであるため、どうしても「死」という問題がつきまといます。特に高齢者が住んでいる場合、寿命の話や身体の弱さからくる事故・病気といったことによる死亡事故のリスクが高くなりがちです。

では、住宅における高齢者の孤独死はどれくらい起きているのでしょうか。参考になるデータとして内閣府が発表する「高齢社会白書」があります。それによると平成27(2015)年に東京23区内で確認された、一人暮らしで65歳以上の高齢者が自宅で死亡した数は3,127人になっています。

一人暮し65歳以上-高齢者が自宅で死亡した数

■出典:内閣府「平成29年版高齢社会白書(全体版)」

また、国際ニュース週刊誌「Newsweek」は、全国の孤独死の三分の一は東京23区で発生していると報じています。

■参考:ニューズウィーク日本版「全国の孤独死の3分の1は東京23区で起きている」

不動産物件で死亡事故が起きると、いわゆる「事故物件」になります。事故物件であるかの判断は、その物件が「心理的瑕疵」があるかどうかがポイント。心理的瑕疵とは「それを知っていたら買わなかった!」ということが判断材料ですから、やはり所有する物件での死亡事故は起きないに越したことはありません。

不動産投資で死亡事故が起きたら告知義務はいつまで?

心理的瑕疵のある物件は「告知義務」があります。告知義務の解釈や詳細なルールは定められておらず、不動産会社によりその解釈や運用方法は様々な上、告知すべき期間の考え方もバラバラですが、一般的には以下を目安にしています。

  • 事故から2~3年経った物件は告知しない
  • 賃貸物件なら事故後に入居者が入ったら、その後は告知しない
  • そもそも自殺や殺人事件ではなく自然死なら告知しない

一つ目に「2~3年経った物件は告知しない」とありますが、これは何となくそうなっているのではなく過去の判例による解釈です。判例も実に様々なケースで判断が分かれているのも事実で、やはり明確に「〇年」と言えません。以下に一般財団法人不動産適正取引推進機構「RETIO」が公開する心理的瑕疵物件に関する判例集をご紹介しますので、ご参照ください。

■参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構「RETIO」

もし所有物件で死亡事故が起きた場合、告知義務の期間は管理会社や不動産会社と相談しつつ、ご自身で判例などを調べてみることをおすすめします。

物件内で起きた死亡事故対処の7ステップ

では、実際に所有物件で死亡事故が起きたら何をどうすればいいのでしょうか。所有物件での死亡事故発生からオーナーが取るべき行動は、大まかに7ステップに分けられます。

  1. 遺体の発見
  2. 警察との連携&すぐに親族や連帯保証人へ連絡
  3. 遺体の搬送&身元確認後に室内の片付け
  4. 遺族と契約解除、原状回復、損害賠償について協議
  5. 退去清算の終了をもって完了
  6. 特殊清掃や消臭
  7. 再入居募集

まず、物件所在地の管轄となる警察署へ連絡を取り、安否確認のための立会を依頼します。これは、いくら物件オーナーだからといって勝手に居室に入ることが許されていないのも理由の一つです。もし入居者の死亡が確認されたら、故人の保証人や親族、相続人などに連絡を取って引き取りを依頼しましょう。

この際、遺品を含めた動産は全て引き取ってもらうのがポイントです。動産の所有権はオーナーにはないため、後でトラブルになるのを防ぐためでもあります。

ここまでスムーズに進められたなら、あとは専門業者に居室内の清掃や修繕を依頼します。床やクロスの張替えはもちろん、場合によっては消臭や消毒などの特集清掃も必要です。昨今は孤独死専用の保険が登場していますが、火災保険の『汚物破損特約』で対応することもできます。火災保険に加入されているなら、今一度契約内容を見直してみると良いでしょう。

投資物件で死亡事故発生時の注意ポイント

さて、投資物件で死亡事故が起きてからの流れは確認してきましたが、注意すべきポイントがあります。オーナー判断であれこれ進めてしまうと自身が損することになりかねませんので、最低でも以下のポイントは押さえておきましょう。

  • 死亡事故が疑われても勝手に部屋に入らない
  • 連帯保証人や親族と賃貸契約の解除に向けて早めに話し合う
  • 滞納された家賃や損害賠償などを連帯保証人や親族へ請求する
  • 動産の引き取りに応じてもらえなければ残置物として覚書をもらう
  • アパートなどなら他の入居者へのフォローを行う
  • 今後の入居募集について管理会社と綿密に話し合う
  • 新たな入居募集で嘘や隠ぺいをしない

死亡事故による修繕やクリーニング費用は、普通の修繕費用などより高くなります。そのため連帯保証人や親族へできるだけ費用負担してもらう方向で話し合うのがベストです。

悲しみに暮れる親族らにお金を請求するのは気が引けるのも分かります。だからと言ってこれから家賃を下げなければいけないのに全てオーナー負担では割に合いません。まずは話し合いにて双方の勘所を探るようこちらから行動を起こす必要があります。

また、後々のトラブルを未然に防ぐために入居募集時の嘘や隠ぺいは良くないですが、積極的に説明していたのでは入居率は下がるばかりですので、管理会社や不動産会社と綿密に話し合って法的に問題なさそうな告知期間のラインを決めておきましょう。

なお、法律上では病院以外の場所での死亡事故は不審死扱いです。基本的には事情聴取が行われますので、気持ちの問題としても予め気に留めておいた方が良いでしょう。

まとめ

日頃から体調を崩しがちだとか難病で入院していたということでもなければ、人の死がいつ訪れるかなんて分かりません。特に賃貸物件では、普段から入居者が室内で何をしているかなんて分かるはずもないのです。

事故が起こって長く放置していれば、修繕費用は高くなり周囲の噂も悪くなるばかり。連絡が取れないとか普段からよく見かける人を見かけなくなった、カーテンが締めっぱなしであるなど、異変を感じたら早めに対応することを心がけましょう。

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