2019年の不動産市場に潜在する5つのリスク | 不動産投資を考えるメディア

2019年の不動産市場に潜在する5つのリスク

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2019
2019年の不動産市場を予想する記事が多くなってきましたが、「比較的に平穏なのではないか」と予想する向きもあれば「更に活発化する」との見方もあります。どの記事でも間違っているわけではありませんが、実は潜在的なリスクについて語られているものはあまり多くありません。現在の不動産相場には数多くのリスクがあるのですが、何故かそれについて報道されることが少ないのです。今回は、現在の日本の不動産市場に潜在する5つのリスクについて解説したいと思います。

株式市場の暴落

まず1つ目のリスクですが、直近の話題として注目されている「日経平均株価の暴落」が不動産市場に影響を及ぼすかもしれません。昨年12月にFRBによる利上げが行われ、2019年内にも利上げを行うと発表したのを機に、日経平均株価は急落しました。世間では「2万円台を割った」という言葉が飛び交ったのち、年明け早々にアップル社の決算見通しが下方修正されたこともあり、更に株安と円高が進みました。この株式市場の動きは不動産市場にも連動する可能性があります。実は、日経平均株価と都心3区の中古マンション価格推移は強く連動することが分かっており、筆者も実際に検証してみたところ、以下のグラフのように確かに株価と中古マンション市場の動きはかなり似通っていることが分かりました。

2009年1月以降からの株価(青線)と日経平均株価(赤線)の動き

上のグラフは2009年1月以降からの株価(青線)と日経平均株価(赤線)の動きです。2012年までの若干の落ち込みと、その後の急騰、そして2014-2016年の横ばい、更にその後の上昇までソックリな動きをしています。そこへきて日経平均株価が2万円を割れており、今後、更に株価の下落が進むようだと、都心3区の中古マンション価格も下落することが予想され、それは周辺都市への波及、更にその周辺地域への波及という悪循環も予想されます。

中古マンションの在庫数の激増

2つ目のリスクは先日以下の記事でもご紹介した「中古マンションの在庫数が増加し続けている」という事実です。

中古マンション売れ残り41.6%増。2019年のマンション市場は爆余り?!
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先日、不動産経済研究所が発表した2019年のマンション供給予測を基に、来年2019年のマンション市場は多少の落ち込みがあるのではないかとご紹介...

2015年に3万3千戸ほどだった中古マンションの在庫数が、直近データでは約1.4倍の4万7千戸にまで膨れ上がっています。これはここ数年の不動産ブームによる価格高騰で、一般ユーザーが買いづらくなっていることが原因と考えられます。同記事内にもありますが、2014年まで㎡単価44万円で買えた中古マンションは直近で約57万円まで高騰しています。3500万円で購入できたマンションが4500万円を超える水準になっているのですから、売れ行きが悪くなるのは当然のことと言えるでしょう。このまま中古マンションの在庫数が増加し続けるようであれば、価格を下げざるを得なくなります。景気が拡大して今の価格水準でも売れるようになるのか、それとも、やはり価格を下げる他ないのか。今後の動きを注視していきたいところです。

増え続ける空き家がついに1000万戸に!?

空き家増加はかねてより問題視されていますが、実は2019年ついに空き家が1000万戸を超えるかもしれません。国土交通省のまとめによれば、2013年の時点での全国の住宅戸数は約6063万戸あるとされていますが、そのうち空き家はどれだけあるのでしょうか。まずは下記のグラフをご覧ください。

空き家増加率の推移

■参考:総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/kekka.html

5年毎に調査されている住宅・土地統計調査を基に作成したグラフですが、8%~15%ずつ増え続けてきています。2018年度分が今年2019年に発表予定となっており、仮に10%増加したとすると約902万戸、20%以上増加した場合、いよいよ1000万戸近くが空き家ということになります。これを全国の総戸数に対する割合で考えると、なんと6戸に1戸が空き家という計算になります。空き家問題や所有者不明土地問題を解決するために法改正が検討され、一部施行されたものもありますが、そもそも人口減少や相続放棄などによる空き家の増加が緩和されたとしても、減少に歯止めをかけることは難しいでしょう。空き家の増加は供給過剰となって不動産市場に大きく影響しますので、不動産価格の下落バイアスがかかる可能性は否めません。

ECBとFRBが金融緩和を終了

最初にご紹介したFRBの利上げですが、これはもう一つの可能性を背景としています。それは「金融緩和の終了」の可能性です。実際にECB(欧州中央銀行)は昨年12月に金融緩和を終了しており、FRBも金融緩和を終了する可能性が高いと考えられています。となると、日銀がどう動くかが大変重要になってきます。2018年7月に日銀決定会合での長期金利の上げ幅について、一定幅は許容するという発表が話題になったのを覚えている方も多いでしょう。

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日銀決定会合のメンバーは過半数が金融緩和の賛成派で構成されているため、基本的には金融緩和はまだしばらく継続されると考えられます。ただ、政府が諸外国との足並みを揃えないといけないという考えを示した場合、すぐに金融緩和が終了とはならずとも、縮小する可能性は十分に考えられます。金融緩和の終了ないし縮小がダイレクトに影響するのが住宅ローンです。住宅ローンの金利は、銀行側が金利を上げたからといってすぐに反映するものではありませんが、新規申込分は上昇後の金利が適用されます。よって、住宅の買い控えが起こる可能性があります。

外国人投資家による引き上げの可能性

最後に挙げるリスクが「外国人投資家による投資の引き上げ」の可能性です。詳しいデータはどの機関でも開示していませんが、多くのメディアが「2013年以降の不動産相場の上昇は外国人投資家によるもの」と述べてきました。もしこれが本当だとすれば、2019年に外国人投資家による日本の不動産の売却数が増加する可能性があります。何故なら「譲渡所得」という税率が関係しているからです。不動産の売買は転売による不動産価格の高騰を防ぐために譲渡所得による税率が以下のように分かれています。

短期売買(5年以下):39%
長期保有後の売買(5年超):20%

つまり、不動産価格が明確に高騰してきた2014年から考えると2019年がちょうど5年目。早めに不動産を購入していた外国人が多かった場合、2019年半ばには売却の動きが出始めるかもしれません。仮に上記までにお伝えしている事象が一つでも明確になってくると、売り急ぐ投資家が増える可能性もあります。複数の要因が重なったとすると、不動産価格の下落は免れないものとなるかもしれません。

まとめ

今回ご紹介した5つのリスク以外にも、日本経済には先々の生産緑地問題や人口減少、人手不足倒産など、様々なリスクが山積しています。確かに不動産市場は、首都圏や都市部を中心としてバブルの状態が続いてきましたが、数ある問題が解決されない限り、今あるリスクのどれかがバブル終焉の引き金になる可能性は十分あり得ることです。2019年にそれが必ず起こるとは言えませんし、ご紹介したリスクが杞憂に終わればそれに越したことはありません。しかし、先々を見越した不動産投資を考えるのであれば、2019年以降は不動産市場を多角的に見ていく必要があるのかもしれません。

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