平成30年度 税制改正大綱決定目前!不動産業界は増税?減税? | 不動産投資を考えるメディア

平成30年度 税制改正大綱決定目前!不動産業界は増税?減税?

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税務署のイメージ

平成29年11月20日、自民党税制調査会が同22日に平成30年度の税制改正に向けた議論を行うと報じられました。
思えば平成29年度における不動産業界は、民法改正や民泊新法などの大きな変化があった年だったと言えるかもしれません。一方で国会では、安倍首相による用地取得への口利きがあったのではないかという森友問題を発端とした「モリカケ問題」に議論が集中したり、社会面では積水ハウスが地面師の詐欺で60億円もの損失を出すといったニュースもあり、法律、税制、事件など、不動産業界だけで見てもなかなか騒がしい年であったと言えるかもしれません。
さて、平成30年度の不動産業界を占うとも言える税制改正大綱が決まる直前の今、現在の議論はどのような段階にあるのか確認してみましょう。

平成30年度。注目されそうな税制改正は?

まず、冒頭でお話させていただいた自民党税制調査会ですが、これは、総理大臣のご意見番とも言える、政府の税制調査会で議論された内容を精査し、より具体的に議論を通して税制改正要望として取りまとめる機関であると考えていただいて差支えありません。つまり、与党の税制調査会で議論された内容が税制改正大綱として12月に公表され、国会審議にかけられていくというプロセスになっています。

さて、各報道機関では、11月22日より自民税調会にて議論が開始されると報道しているわけですが、どうやら「基礎控除」や「給与所得控除」、「法人税」について議論されるとの話題に偏っている状況を見ると、所得に絡む税制改正に注目が集まっていくのではないかと考えられます。

法人税については、以前から内部留保を問題視している関係省庁や各党から「内部留保に対する課税が必要」と言われたりもしていましたが、二重課税となるという問題や、大企業に特化したものとなりそうだということで、直接的に不動産投資には影響はないかもしれません。
気になるのはむしろ、給与所得控除についてです。
今回の税制改正においては「給与所得控除の最大220万円を200万円に引下げ」「基礎控除額を38万円から50万円に引上げ」を検討するとのこと。つまり、高額給与所得者へは増税を行い、フリーランスや低所得ながら副業で収入を確保する人へ配慮された税制改正が行われる可能性があるのです。
不動産投資を行われている方の中にはサラリーマン大家さんである方も多いかもしれませんが、至極分かりやすく例を挙げるとするなら、「本業である会社の残業を減らして(給与所得控除の減額対策)、不動産投資に専念しよう(基礎控除増額の恩恵)」なんて考え方もできるかもしれないという事です。

不動産事業の税制改正は?

今回報道されているのは、税制改正の中身の一部です。
税制改正要望そのものは各省庁や関係機関から提出されて、毎年の夏場までにおおよそ出揃うのが通例です。当然、不動産に大きくかかわる国土交通省も税制改正要望を平成29年8月には決定して公表していますが、あくまで要望という範囲ですからほとんど話題になることはありません。
では、国交省ではどのような要望を上げているのか、主なものを見てみましょう。

低未利用土地利用権設定等促進計画(仮称)に係る特例措置創設

これまでに、生産緑地の期限が切れることで土地価格が暴落する(2020年問題)ですとか、所有者不明土地が九州の面積を上回った、他にも空き家の増加問題など、人口減少と不動産バブルの崩壊懸念に関するネガティヴな話題がメディアに取り上げられることが多くありました。
そんな問題に間接的にでも寄与するかもしれないのが、今回の低未利用土地への税制改正要望です。目的としてやはり、「売却しても良いが、各種税金や手間などを考えると所有し続けたほうが良い」という事で放置されている土地の利用を推進させるということ。
個人の投資家にとって有用な改正が行われるかはこれから詰められていくこととなりますが、これまでの土地問題の話題に並行して注目していきたいものであると言えるでしょう。

買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置の拡充・延長

こちらも空き家問題に直結する税制改正要望といえるものです。
空き家問題については、個人から地域、政府に至るまで、国民の共通懸念と言っても過言ではないかもしれませんが、その問題を解決するための起爆剤として国交省が捉えているのが、買取再販が行われる住宅への減税措置です。
既に、中古住宅を不動産業者が買取って再販する場合においては、省エネ、耐震性などの一定の基準を満たすリフォームを行えば不動産取得税の減税を受けられるようになっていますが、今回はその期間の延長と、減税率を0.3%から0.1%に引き下げるというものです。
本要望では、この政策による成果として、不動産流通市場で平成25年時点での4兆円から平成37年までに8兆円へ拡大、リフォーム市場では同年7兆円から12兆円の拡大を見込んでいるようで、中古住宅への投資を行われる方にとっては、期待を寄せたい要望ではないでしょうか。

税制改正大綱はいつ発表?

さて、税制改正要望は各方面から多く集まるものですので、全てのご紹介はできませんが、来年度の税制改正大綱はいつ頃発表されるのでしょうか。
実は正式に「いつ」という事が決められているわけではありませんが、毎年12月中旬ごろに発表されることが多く、年明け早々に国会に提出されることになります。
尚、過去の自民党税制改正大綱の公表日を調べてみると、以下のようになっています。

  • 平成29年度:平成28年12月8日
  • 平成28年度:平成27年12月16日
  • 平成27年度:平成26年12月30日
  • 平成26年度:平成25年12月12日
  • 平成25年度:平成25年1月24日

平成25年については、前年の末に第二次安倍政権が発足した年でもありますので、例年よりも1か月ほど遅くなりましたが、12月中旬を目途に税制改正が行われていることが分かります。
今年も衆院選が終わったばかりではありますが、結果として自民党政権が存続することになりましたので、平成25年ほど遅くなることはないと考えられますが、どちらにしても大綱が公表されるまであとわずか。
来年の不動産業界にどのような影響を与える税制改正が行われるか注目したいところです。

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