更地の固定資産税は6倍?新築や建て替えする人は要注意!

税金・節税対策
更地イメージ

収益不動産やマイホームを持っていれば毎年かかる固定資産税。土地にかかる税額は、税制優遇によって低く抑えることが可能です。ただ基本的に住宅用地であれば優遇が適用されますが、あるポイントを外すと優遇されません。

では具体的にどんなポイントを押さえるべきか。固定資産税の基本的な考え方から、納税額が優遇されるために最低限は押さえておきたいポイントを解説します。

住宅用地の特例とは?

固定資産税を計算するにあたり、最初に土地と建物の評価額を別々に算出します。その上で、一定の優遇措置などを加味して決定するのが「課税標準額」です。固定資産税は課税標準額に対して、一定税率を掛けることで計算します。基本的な算出方法を見てみましょう。

(課税標準額 × 固定資産税1.4%) + (課税標準額 × 都市計画税0.3%) = 固定資産税

土地評価額が1000万円なら年間17万円の計算。ただ「自宅の固定資産税はそんなにかかってない」と思う方もいらっしゃるでしょう。理由は住宅が建つ土地には特例措置が適用されているからです。

小規模住宅用地(住宅用地1戸につき200㎡までの部分)
固定資産税:課税標準額 × 1/6
都市計画税:課税標準額 × 1/3
一般住宅用地(住宅用地1戸につき200㎡を超える部分)
固定資産税:課税標準額 × 1/3
都市計画税:課税標準額 × 2/3

上記の優遇措置を「住宅用地の特例」と呼びます。逆に言い換えれば、住宅の建っていない更地には6倍の固定資産税が課せられるのです。

「住宅用地の特例」を受けるための5つの条件

住宅用地の特例は、単に人が住む家を建てる土地であれば無条件に適用されるわけではありません。「住宅用地」というそのものにも要件があり、さらに特例措置を受けるためには最低でも5つの条件をクリアする必要があります。

1. 人が居住する目的の住宅(専用住宅)用地であること
一般的な住宅やアパート用の土地はもちろん、該当する住宅用地と一体になる庭や駐車場も該当します。
2. 土地の広さは住宅の総床面積の10倍までが該当
土地の上に建つ建物の延べ床面積の10倍までが住宅用地として認められます。
3. 1月1日時点で上記に該当していること
課税対象と決定する1月1日を「賦課期日」と言い、上記2つが賦課期日に該当しなければなりません。
4. 上記に該当したことを翌年1月31日までに「固定資産税の住宅用地等申告書」で申告すること
住宅用地の特例は自動で適用されませんので、自ら申告を行う必要があります。
5. 賦課期日である1月1日時点において住宅が存在すること
住宅用地として認められるためには、実際に住宅が建っていなければなりません。

主に上記5つに該当すれば住宅用地として認められ、申告することにより税金を安くできます。判断が難しいのが5つ目の「賦課期日である1月1日時点において住宅が存在すること」です。不動産投資においては土地を先行して取得し、設計士などと時間をかけてじっくり話し合いたいケースもあるでしょう。つまり、竣工が賦課期日1月1日に間に合わなければ、土地の固定資産税が6倍になるのです。

土地を買って後から住宅を建てる場合

では、「住宅が存在する」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。建物が完成するまでは住宅とは見なされませんので、その期間は住宅用地の特例が適用されないのは前述までの通りです。

例えば、2019年4月に土地を購入して2020年1月末に建物を完成させた場合、課税関係は1月1日時点に登記されているかどうかで判断します。よって2019年と2020年の2年間は特例が適用できません。そのため、住宅用地の6倍の固定資産税がかかります。

≪2018年12月≫土地購入
≪2019年10月≫着工
≪2020年1月末≫建物が完成 → 2019~2020年の土地にかかる固定資産税が6倍!

上記に対して、2019年12月までに建物も完成させて登記を済ませていれば、特例が適用できない期間は2019年の1年間だけです。2020年以降の税額は更地扱いにされた2019年の1/6で済みます。

≪2018年12月≫土地購入
≪2019年6月≫着工
≪2019年12月末≫建物が完成
≪2020年1月中旬≫住宅用地の申告 → 固定資産税が6倍になるのは2019年のみ

更地と同じ扱いにされるのは、住宅建設中の土地だけではありません。「特定空き家」に指定された場合も同様です。空き家対策特別措置法により、倒壊の恐れや著しく景観を損ねるなどの空き家は自治体が特定空き家に指定します。状況改善の勧告が行われると、住宅用地の特例を適用できなくなるのです。

既存の建物を取り壊して建て替える場合

不動産投資では、元々所有していた自宅を解体してアパートなどに建て替えるケースもあるでしょう。すると建て替え中の固定資産税が気になりますが、建て替えにおける住宅用地の特例は取り扱いが少し異なります。一定の要件にあてはまれば、1月1日時点で建物が未完成でも住宅用地の特例が適用可能になるのです。適用要件は次の通りです。

  • 前年1月1日時点で住宅用地だった
  • 1月1日時点で建築に着手している
  • 翌年中に完成する予定である
  • 建て替え前と同じ敷地における建築である
  • 前年1月1日と該当年度の土地所有者が同じであること
  • 住宅を建て替える前と建て替えた後の所有者が同じであること

基本的に自己所有物件を建て替えるなら、住宅用地の特例は適用されます。ただ2年以上の長期間にわたる建築や中古住宅を買って賃貸住宅に建て替える場合は、基本的に更地扱いです。

同じ建て替えでも、住んでいた建物を建て替えるのと土地付き住宅を購入して建て替えするのでは扱いが異なります。固定資産税を安く抑えるなら十分注意すべき事項ですので、この機会に覚えておきましょう。

まとめ

今回は主に土地に関する固定資産税を解説させていただきました。住宅用地の特例を知っているかどうかで納税額が大きく変わるため、不動産投資でキャッシュフローを残すためには必須の特例です。

他にも建物という視点で見ると「認定長期優良住宅」や「耐震化のための改修」など、自治体の認定を受けることで固定資産税が大幅に減免される制度もあります。使える措置は積極的に活用して、不動産投資における本当の意味での節税を心がけましょう。

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