その経費、計上できません!税務署で指摘されるリスクの高い節税対策の勘違い経費7つ | 不動産投資を考えるメディア

その経費、計上できません!税務署で指摘されるリスクの高い節税対策の勘違い経費7つ

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領収書の山

今年も終わりに近づき、来年の確定申告に向けて準備を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産投資といえば「節税」です。不動産投資家の中には「経費を制するものは…」「税を制するものは…」なんてことを言う方もいらっしゃるほどですので、いかに節税が大事だと認識されているかがよく分かります。

不動産投資の節税のために「経費」を計上するのはよく知られていると思いますが、元々の勘違いによって「計上できると思ってたけど計上できなかった」というケースがあるのをご存知でしょうか。

「経費で計上するからリフォーム代を上乗せしてよ」なんてやると、思わぬしっぺ返しになることもあります。そこで今回は「節税対策でよくある7つの勘違い経費」について解説させていただきます。

不動産投資で経費にできるもの

不動産投資を始めると様々な費用がかかりますが、その費用は決して無駄にならず、損益通算することで所得税や住民税を抑える効果があります。既にご存知の方も多いかと思いますが、ここでどんな費用が不動産投資で経費にできるのか一覧で見てみましょう。

  • 管理費全般
  • 租税公課(不動産取得税や固定資産税等)
  • ローンの利息部分
  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 保険料
  • 交通費
  • 通信費
  • 接待交際費
  • 新聞図書費
  • 消耗品費
  • その他

このあたりは不動産投資家なら常識ですし、今年から不動産投資を始めたという人でも心得ていることかと思います。ただ、ここに「仲介手数料」が入っていないことにお気づきになりましたでしょうか。

実は仲介手数料を始めとして、経費として計上できないものがあるのです。

費用が資産になる「資産計上」とは?

仲介手数料が経費計上できないとは申しましたが、正確には「一回で計上できない」というのが本当のところです。

仲介手数料というのは、経費上の扱いとしては「資産を購入する時の手数料」になります。「資産を購入する時の手数料は物件価格に含めましょう」という考え方になるため、なんと耐用年数に沿って減価償却する決まりになっているのです。

「仲介手数料と不動産取得税が高いから1年目は凄く税金が安くなる」なんて思っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1500万円の物件なら仲介手数料は51万円。もし築10年の中古マンションを購入したら、仲介手数料は残りの耐用年数37年の間に1万6千円ずつ費用計上することになります。知らなかったという方にはショックなお話かもしれませんが、実は他にも一括計上できない費用が存在します。

一括計上できない7つの費用はよくある”勘違い経費”

一括計上できない費用を物件価格に含めることを、一般的に「資産計上」といいます。つまり、費用は費用ですが、資産の「取得費」ということになるのです。

もっと分かりやすく言うと、「不動産という資産を買うために支払ったお金には、資産の価格だけでなく仲介手数料まで含んだ額が資産を獲得するために支払った対価とするのが妥当」という考え方ということです。

しかし、仲介手数料以外にも以下のようなものも一括計上できず、中には資産計上とは別の考え方のものもあります。

〈資産計上して減価償却するもの〉
・仲介手数料
・必要となる印紙代のうち売買契約書に貼るもの
・不動産を購入して実際に賃貸として利用し始めるまでのローン利息
・地鎮祭の費用
・リフォームやリノベーションの費用
〈資産計上とは別に数回に分けて計上するもの〉
・保険料
・不動産投資のために買ったパソコンなど

ややこしく見えますが考え方は簡単です。先に「資産計上とは別に数回に分けて計上するもの」からご説明します。保険料は5年や10年の期間分を一回で支払いますが、これは確定申告の該当する年の分でしか計上できません。

また、パソコンなどの不動産投資のために買った資産は、それ自体を減価償却することになります。そう考えればさほど難しいことではありませんが、上記のうち「リフォームやリノベーションの費用」には注意が必要です。

リフォームやリノベーションの修繕費には特に注意!

リフォームやリノベーションは、空室対策や資産価値の向上のためにはいつかは検討したいもの。中には「リフォーム代も経費にすれば納税額が下がる!」というメリットを想定されている方もいらっしゃるでしょう。

ですが、残念ながらそのようにはなりません。リフォームやリノベーションというのは、その資産の価値を高めるために行った「資本的支出」ということになり、資産に計上する決まりになっています。

しかしながら、時にはリフォームやリノベーションの費用ではなく、最初の経費計上できる一覧にもあった「修繕費」という扱いにできることもあるのです。分かりやすくするために、一例で見てみましょう。

資本的支出の例
「畳からフローリングにした」
「エアコンや給湯器を最新型のものに交換した」
修繕費の例
「タバコのヤニで汚れた壁紙の張替え」
「長期入居により摩耗した床の張替え」

リフォームや修繕の内容は他にも色々ありますが、何となくでも違いがお分かりいただけましたでしょうか。ただ、これらは感覚的に決められるものではなく、税務上の判断基準があります。簡単なフローで見てみましょう。

1.費用額は20万円以内か
→20万円以内なら修繕費
2.三年という決まった周期の中で行われるものか
→三年以内ごとに行われるものなら修繕費
3.資本的支出であると明らかなものか
→当然、資本的支出であればそのように計上
4.修繕費であると明確に言えるものか
→明確でなければ次の判断
5.費用額は60万円未満か
→60万円未満なら修繕費
6.物件価格の10%以下か
→10%以下なら修繕費

6.まできても判断できない時は「実質的な判定」と言い、専門家の判断を仰ぐこととなります。場合によっては裁判になった事例もありますので、そう考えると資本的支出で計上してしまったほうが良いかもしれません。

まとめ

一般的な不動産投資関連のブログでは、この資本的支出について解説するものは多くありません。ほとんどが「節税のために経費を計上して赤字にすれば節税できます」と解説するに留まっているため、それを信用したまま確定申告を行ってしまうと、申告漏れなどによるペナルティを受けることもあります。

基本的に確定申告で迷うことがあれば、やはり専門家を頼るべきでしょう。せっかく節税のために経費を計上するのですから、間違った申告で余計な出費が発生しないよう気をつけたいものです。

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