実際にあった!賃貸経営での外国人入居者トラブル事例集 | 不動産投資を考えるメディア

実際にあった!賃貸経営での外国人入居者トラブル事例集

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実際にあった!賃貸経営での外国人入居者トラブル事例集

賃貸経営のトラブル事例を調べてみると、必ず遭遇するものの中に「外国人入居者」によるトラブルがあります。

本記事の最後でも解説していますが、外国人入居者によるトラブルは「外国人だから」というよりも、どうやらその契約方法やオーナーとのコミュニケーションの中に要因がありそうです。それでは、外国人入居者のよくあるトラブル事例7つとその要因、そしてトラブル回避ポイントを見ていきましょう。

実際にあった外国人入居者トラブル7つの事例

日本にはアジア圏、中東系、ラテン系、アメリカ、ロシア、ヨーロッパなど様々な国の人が訪れており、そのトラブルも文化の違いや宗教上の理由など多岐にわたります。

今回ご紹介させていただく7つのトラブル事例をジャンル分けすると以下のようになります。

  1. 民泊利用
  2. 修繕費用(残留物撤去)
  3. 家賃滞納
  4. マナー
  5. 不法在留(不法入国)
  6. 差別
  7. 文化や言葉の壁

どれも賃貸経営トラブルでよく耳にするトラブルばかりですが、特に5~7に関しては外国人入居者ならではのトラブルであり、留学やビジネスで日本に訪れる外国人にとって住まいを確保するための障壁にもなっているようです。

では、これらのトラブルがどのようなものなのか、実例を見ていきましょう。

【事例1】不特定多数の外国人が出入り。違法民泊の疑いも

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最初にご紹介するのは有名不動産メディアである不動産経営博士に寄せられた事例です。トラブルの内容は、契約者以外の外国人の出入りが多いというもの。

当初、20歳代のフィリピン男性と賃貸契約をしたものの、徐々に友人らしき外国人の出入りが多くなり、次第に多数の靴が玄関に見られたり、複数台の自転車が停めてあったりするようになったとのこと。

更にしばらくすると、明らかに仕事場に出勤するであろう数人の男女が部屋から出てくるようになったりしたため、オーナーは契約者のフィリピン男性に注意を行ったようです。

しかし、入居者であるフィリピン男性は「そのような事はない」と言うままで状況は変わらず。契約者を訪れても、部屋からは契約者以外の男女しか出てこなかったこともあるようで、場合によっては民泊に使われている可能性すら疑わせる事例です。

相談者は、証拠を残して退去請求するしかないと考えているようですが、できれば自然と自体が緩和されるような方法がないかというアイディアを探っています。

■不動産経営博士「外国人に貸したマンション、契約者以外の出入りが多い場合の対処法について」
https://www.onayamiooyasan.com/question/1383.html

トラブルのポイント:
確かに不特定多数の外国人が頻繁に出入りすることは周辺住民の不安を煽りますので、放置すべき問題ではありません。また、入居者の親切心で宿泊させているだけかもしれませんが、逆にヤミ民泊でも行われていたとしたら、犯罪などに利用される可能性もありますので早めの対処が必要です。ただ、相談者の「自然とそのように仕向けたい」という姿勢では、トラブル回避にあたっては心許ないというのが正直なところで、もう少し厳しい対応が求められそうです。

【事例2】修繕費用のトラブル!退去後の物件にゴミが散乱

続いての事例も不動産経営博士に投稿された相談内容からです。

物件のオーナーは日本語学校の法人契約にて貸家を賃貸に出されていました。しかし、契約期間の満了に伴って部屋の状態を確認しに行ったところ、ゴミ、家電、寝具などがそのまま放置されており、更には事例1のように無断で民泊利用していた事実も発覚。しかも、室内は土足利用されていた様子…。

残置物処分の為に、室内の動産を放棄する約束を書面で取り交わしたものの、口約束で支払うと約束された処分費用が未払いのまま。子会社の社員にそのまま対応を丸投げして事態が前に進まず困っていらっしゃるようです。

■不動産経営博士「法人契約の外国人の退去後がひどい!残置物やゴミが散乱しており、どう対応すべき?」
https://www.onayamiooyasan.com/question/3238.html

トラブルのポイント:
この事例は、外国人入居者のマナーも問題かもしれませんが、法人側に主な問題があります。法人契約というと聞こえは良いのですが、全てが優良企業ということはありません。自分で室内を点検したということは相談者自身で物件管理をされているものと考えられますが、法人契約だからと安心せずに、日頃から定期的に建物の使用状況を確認する必要があります。

【事例3】実はよくある「突然の帰国」。家賃滞納のまま姿を消す外国人

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外国人入居者によるトラブルの3つ目は、弁護士ドットコムで相談されている内容からです。実はトラブル事例を調べていると、ここでご紹介する内容と似たような事例について相談する人が、弁護士ドットコム以外でも多いことに気付きます。

さて、ご紹介させていただくのは家賃を滞納したまま突然にして外国人入居者との連絡がとれなくなったという事例。相談者は知り合いからの紹介で、所有している賃貸マンションに外国人を入居させています。

しかし、途中から家賃の振り込みが止まって半年間音信不通になった上、最初に外国人を紹介してきた知人とも連絡が取れなくなります。督促の書面も送付しているようですが当然反応はないとのこと。

相談者としては、滞納家賃の支払いをよりも、まずは強制退去の方法を知りたいということが第一希望のようですが、果たして誰にも連絡が取れないまま、どのように強制退去させるかが悩みどころです。

■弁護士ドットコム「外国籍住人の退去のさせ方」
https://c-1012.bengo4.com/c_10/c_1298/b_423927/

トラブルのポイント:
外国人入居者のトラブルで多くみられる「突然帰国してしまう」という事例。ご紹介させていただいた事例では帰国とまでは断言できませんが、定期的に母国と日本を行き来していた様子があることから、もしかすると母国に帰ったまま日本に戻る必要が無くなったなどの事情があるかもしれません。外国人入居者を紹介した知人が連帯保証人なのかは分かりませんが、仮に連帯保証人であっても音信不通では滞納家賃も回収できないでしょう。できれば、保証会社など通した契約の方が良かったかもしれません。

【事例4】ゴミ出し、騒音、ペット飼育…。マナーを守らない外国人トラブル

外国人トラブルで最もよく耳にするのが「マナー」に関することではないでしょうか。ここでご紹介させていただくのは、Yahoo!知恵袋に投稿された、相談というよりも「愚痴」に近いトラブル事例です。

投稿者は自身の所有するマンションに住むペルー国籍の方にかなり怒りを露わにされています。投稿者が言うには、そのペルー国籍の入居者がこれまでに起こしたトラブルとして「窃盗で逮捕」「ペットの無断飼育」「契約者以外を勝手に住まわせる」「騒音による近所からのクレーム」「それらを理由に警察沙汰になる」などがあり、苦労が絶えない様子がうかがえます。それでも投稿者は謙虚に「これは私が神経質なのだろうか」とさえ言っていますが、他人に迷惑をかける行為が許せないとも言っています。

こういった騒音やペットの無断飼育だけでなく、ゴミ出しルールを守らない、警察が介入する事件を起こすといったことは、もはや文化の違いを超えて単なるマナー違反と言って良いでしょう。

■Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12143117382?__ysp=5aSn5a62IOWkluWbveS6uiDpqJLpn7M%3D

トラブルのポイント:
全ての外国人がそうではないことは十分理解してはいますが、この明らかなマナー違反や近所に迷惑をかけるトラブルは外国人入居者トラブルで本当によく耳にするものです。投稿者が挙げる問題行動には既に数々の契約違反があります。回答内容に対するコメントを見ると、根気よく入居者と話をしている様子もうかがえますが、こういったケースは良からぬ事件に発展してしまうこともありますので、あまり事態を長引かせずに早々に法的手段による強制退去をさせたほうが得策です。

【事例5】不法入国、不法在留のトラブルでオーナーが書類送検

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弁護士ドットコムからもう一つ、今度はちょっと大事に至ってしまった事例をご紹介させていただきます。

この事例は少々複雑です。まず、相談者であるアパートオーナーは、所有するアパートの入居者がこれまでに5~6人が不法在留で逮捕されていると言っています。

そして今回、口約束で部屋を貸したタイ人が不法入国で逮捕されることになった上に、ビザが無いと知っていながらアパートに住まわせたとして相談者自身も書類送検されることになったようです。

しかも警察の調べで、入居者はタイ人ではなくラオス人であることが発覚。更にそのラオス人が「ビザが無いと知っててもアパートを貸してくれた」と証言したことから、今回の事態に発展したようです。

ここで相談者の言い分として「ビザを持っていると認識していた」「これまでの逮捕でも警察には協力をしてきた」「今回の件でも警察の出頭要請には応じている」というような事を言ってはいますが、厳重注意で終わるか、有罪とされるかを心配されています。

■弁護士ドットコム「不法入国、不法在留者 幇助罪?」
https://www.bengo4.com/c_1009/c_19/b_126542/

トラブルのポイント:
トラブルのポイントを上げればキリがないかもしれませんが、そもそも過去に数人逮捕されているにも関わらず、引き続き身元を確認しないまま外国人を住まわせていたとすれば悪質と判断されても仕方ないでしょう。相談に対して回答した弁護士も「同じことが続くと微妙」と述べています。このように、アパートに住んでいる外国人がそもそも日本に在留する資格があるのかを確認しないまま入居させると、場合によってオーナーの責任も問われることになりますので注意が必要です。

【事例6】国籍を理由に入居拒否で慰謝料100万円

更に今度は、実際の判例から「知らなかった!」という人も多いであろう外国人入居者トラブルをご紹介します。これは2007年に京都地裁で争われていた裁判ですが、詳しい内容は以下のとおり。

とある法人が韓国籍の従業員の為に新築賃貸マンションを法人で契約しようと話を進めます。仲介手数料や礼金、敷金なども支払った上で契約を待つのみでしたが、なんと入居予定日の前日になってマンションのオーナーから入居を拒否されてしまいます。しかもその理由が「韓国籍だから」というもの。これに対して借主となった法人と、入居予定だった韓国籍の女性が提訴。

結果、ギリギリになって入居拒否したことに加え、「韓国籍」という合理的ではない理由で入居を拒否する事は許されない不法行為であるとして、慰謝料100万円と弁護士費用の一部10万円の支払いをマンションオーナーに命じました。

■不動産適正取引推進機構RETIO「入居申込者の国籍を理由に賃貸借契約の締結を拒絶したことの不法行為責任が認められた事例」
http://www.retio.or.jp/attach/archive/69-062.pdf

トラブルのポイント:
このトラブルは敢えて詳しく語るまでもなく、明らかにマンションオーナーによる差別行為が原因となっています。結果、慰謝料として100万円という大きな出費が発生することとなってしまいました。そもそも日本の憲法では「全ての国民が平等である」と決まっていますが、ここには外国人が含まれるという向きが多く、これまでの判例で国籍による入居拒否が違法と判断された多いことからもそれは明白です。トラブルというよりも、オーナーによる差別意識が起こした事例と言えるでしょう。

【事例7】文化の違いによるトラブル!契約内容、匂い、言葉の壁…

さて、賃貸経営における外国人入居者によるトラブル事例ですが、最後は「文化の違いによるトラブル」です。これは多種多様な理由や要因があり、文化の違いに関連するデリケートな問題となります。例を挙げると、「独特の匂い」や「言葉の壁やニュアンスの違い」などがあります。

筆者の体験談として、インド国籍の方が住まわれる部屋の周辺でずっとカレーの匂いがしているため、近隣住民から苦情が出てしまうといったケースを目の当たりにしたことがあります。

これは人による感じ方が違うため、誰が悪いと言えるようなものではありません。また、中国や韓国、その他アジア系の外国人が料理を作ると換気扇から排出された油の匂いが酷いといったクレームに関わったこともあります。

正直なところ匂いというセンシティヴなトラブルに関しては対処が非常に難しいのが事実。

他にも、文化の違いから契約内容を把握しきれていなかったり、宗教上の理由や言葉の壁により周辺住民と友好な関係が築きにくいという事例もありますが、これは互いの譲歩、歩み寄りが必要な問題で、安易な理屈で解消できるものではありません。

トラブルのポイント:
先ほど例として挙げた匂いの問題は、悪意が無くても人の感じ方で変化する問題ですので判断は非常に難しくなります。そもそも著しく健康を害したり、住環境を悪化させるなどの明確な理由がない限り、外国人ということだけ退去を要求することはできません。そういった文化の違いから起こる悪意のない事象に対しては、予め周辺住民の理解を求めておくことが重要です。

事例に見るトラブル回避ポイント

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さて、ここまで外国人入居者によるトラブル事例をご紹介させていただきましたが、どれも簡単に解決できなさそうなものばかりと感じられた方が多いかと思います。しかし全く対処できないということはなく、状況を整理しつつ、既に起こった事象を見直してみると解決方法や今後のトラブルを回避するための対策が見えてきます。

【対策1】契約内容をシッカリ理解してもらうように努める

事例1や事例2の「民泊として利用されている可能性」、そして事例4の「マナーが悪い」という事例については、これは昨今本当によく聞かれるトラブルです。これらの事例から考えられることは以下の3パターンです。

  • 違法もしくは契約違反と知っていながら行っている
  • 契約内容は理解しているが重要な事とは思っていない
  • そもそも日本語に理解に乏しく契約内容を把握できていない

悪いことと分かっていながら行っているようであれば、容赦なく法的手段を取った方が良いでしょう。しかし、他2つの可能性に関しては、管理会社や仲介者の協力を仰いで根気よく説明することが求められます。
では、事前にこれらのトラブルを回避するとしたら、どう契約内容を説明していけばよいのでしょうか。

実は、国土交通省が「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」というものを公表しており、外国人入居者の契約にあたって非常に便利なものを用意してくれています。

■国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000017.html

例えば「入居申込書等見本」という資料では、そのまま使用できる入居申込書と契約書の雛形が公開されています。しかもこの雛形、日本語と英語だけでなく、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語という5か国語に対応したものが用意されています。

その中身を見てみると「入居者は申込者のみに限定します。入れ替え、転貸は無効です。」という不正民泊に有効な但し書きや「違反があった時は契約を解除することができる」「物件の保全に必要であれば物件内に立ち入ることができる」といった基本的な事がしっかり記載されています。非常に便利なものですので、一度ご覧いただくと良いでしょう。

【対策2】管理会社や保証会社のサポートを受けながら契約する

2つ目は、事例1から事例5までに共通することですが、何だかお分かりになりますでしょうか。それは「管理会社や保証会社を通さずに契約している」ということです。

想定外の修繕費用で揉めたり、家賃滞納を早期に解決できなさそうといった事例も同様ですが、皆さん個人の判断にて外国人との賃貸契約をされています。もしかすると、管理会社を通している事例もあるかもしれませんが、文脈からして考えづらいでしょう。

まず、国土交通省では外国人を賃貸住宅に入居させるにあたり、以下の書類を提示してもらうことが望ましいとしています。

  • パスポート
  • 在留カード
  • 勤務証明書
  • 在学証明書
  • 収入証明書
  • 就労資格証明書
  • 資格外活動許可書

これらを最低限用意してもらった上で、外国語対応している管理会社や仲介会社を介して契約するのがトラブル回避として有効な手段になります。また、自治体によって外国人入居サポートをしていることもありますので、一人で無理することなく遠慮なくサポートを求めるようにしましょう。

【対策3】保証会社と連帯保証人は必ず付ける

当然と言えば当然のことかもしれませんので詳しい説明も必要ないかもしれません。日本とは違って、保証人を必要としない代わりに家賃滞納があれば直ちに退去させることができる国もあります。

しかし、それは日本の法律では認められいないことから、保証人の必要性をしっかり説明する必要があり、連帯保証人の有無を確認し、連帯保証人が付けられないのであれば保証会社を使う必要がある事は理解してもらいましょう。

【対策4】国籍を理由にした差別をしない

おおよそ、トラブル事例に対する対処方法は解説させていただきましたが、最後に大事なことがあります。それは事例6にもあったとおり、国籍を理由として入居拒否などの差別行為は絶対にしないということです。これは人権に関わる社会人として基本の基本であり、これを守らないようであれば事例6のように訴訟に発展することもあります。

外国人に限ったことではありませんが、入居審査においてオーナーが入居拒否をするかどうかは比較的に自由です。しかし、オーナー自身が高齢であるとか既に外国人入居者によりトラブルが多発しているなど、つまり正当な理由なく、外国籍というだけで入居拒否すると違法と判断されることもあります。そうなれば、誰が悪いわけでもなくオーナー自身が引き起こしたトラブルと言うことになりますので、このような事例があることは予め理解しておきましょう。

賃貸契約における外国人需要

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外国人入居者によるトラブル事例と対処方法、そして回避策について見てまいりました。ここまでのお話しだけですと、まるで賃貸経営で外国人を入居させること自体がリスクのように感じてしまいますので「そもそも外国人を入居させることにメリットがあるのか」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

ただ実は、賃貸経営において外国人を入居させることにはメリットがあるとする不動産投資家が増えている傾向にあるようです。

外国人労働者の新在留資格創設

ご存知のとおり、日本における在留外国人は増加し続けています。それは国によるデータからも明らかであり、先ほどご紹介させていただいた国土交通省が発表している「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」というガイドラインがある事からも、国も外国人の賃貸需要に着目しているということが分かります。

また政府は、特定業種の人手不足解消などを目的として、外国人の国内労働資格における新在留資格制度の創設案を5月に発表しました。これまでの就労ビザの在留期間は、入国管理局の判断で更新され、その多くが1年以下という短い期間となる場合がほとんどでした。

今回の新在留資格制度では、一定の技能や日本語能力を持つ外国人であれば5年間の就労を認め、これまで認められていなかった単純労働が可能になります。つまり、より外国人労働者が働きやすい環境が作られるということです。

■参考:日経新聞「製造業にも対象拡大 外国人労働者 技能実習優良が条件」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33167210Z10C18A7MM8000/

在留外国人の増加

今年2018年3月に法務省入国管理局が発表した内容によると、2017年の在留外国人の数は256万1848人、前年比7.5%増となっています。これは今年だけ増加したのではなく、2014年まで200~210万人を推移していたものが、3年程の間に一気に50万人増加した結果です。

在留外国人における中国人の割合は依然高いままとなっていますが、特筆すべきはベトナム人の増加率。今年になって訪日ベトナム人の増加率は30%を超えているのです。参考までに国籍別の構成比を見ておきましょう。

国籍 構成比 対前年比増減
中国 28.5% +5.1%
韓国 17.6% -0.5%
ベトナム 10.2% +31.2%
フィリピン 10.2% +6.9%
ブラジル 7.5% +5.8%
ネパール 3.1% +18.6%
台湾 2.2% +7.5%
米国 2.2% +3.7%
タイ 2.0% +5.3%
インドネシア 2.0% +16.6%
その他 14.6% +8.2%

■法務省「平成29年末現在における在留外国人数について」
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00073.html

高まる外国人への賃貸需要

以上のデータや新資格制度創設からも、今後の賃貸経営における外国人需要が見込めることは明らかです。
実際のところ自治体やNPO法人、民間企業により賃貸住宅を外国人に円滑に提供できるようなサービスが展開されており、新資格制度創設によりその流れは更に加速することが予想されます。

先日も当サイトにて、在留外国人として最も比率の高い中国籍の方の入居が、今後の賃貸経営における戦略になるのではないかと解説させていただきました。

賃貸経営安定のため外国人をターゲットにすべき理由
賃貸経営安定のため外国人をターゲットにすべき理由
人口減社会の日本において注目されているのが外国人労働者の活躍です。現在、日本には年間約20万人の外国人留学生が留学しており、そのほとんどが学費...

本記事も同様ですが、賃貸経営における外国人トラブルというのは多く語られがちです。
しかしそれは「外国人だからトラブルを起こす」という単純な事ではなく、ある意味ではこれまでの日本の不動産業界における常識や慣習を変えていく時期になったという表れでもあるのかもしれません。

よって、2章にあるトラブル回避ポイントなどをしっかり理解して外国人変賃貸物件を提供していくことは、今後の賃貸経営に求められることであり、かつ供給過剰と言われる賃貸業界での一つの戦略になったとしても決して不思議ではないでしょう。

まとめ

外国人入居者の賃貸経営のトラブルですが、こうして整理してみると、少なくとも賃貸人にも要因がありそうだということが分かりました。
これまでの常識では、物件を所有して後は管理会社に丸投げでも不動産投資が上手くいったというケースもありましたが、人口減少、高齢化社会、外国人需要の増加、賃貸住宅の供給過剰といった多くのネガティヴ要因が山積する現代においては、オーナー自身も積極的に賃貸経営に関わっていく必要があります。

これは不動産投資というジャンルだけでなく、以前から各方面で言われてきたことではありますが、改めて外国人トラブルを見てみると、現在の賃貸経営に必要なのはオーナーと入居者との歩み寄りであると言えるかもしれません。

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