時すでに遅し⁉︎ 競売物件でやりがちな5つの痛いミス | 不動産投資を考えるメディア

時すでに遅し⁉︎ 競売物件でやりがちな5つの痛いミス

シェアする

安い物件のイメージ

不動産投資を行う中で、少なからず一度は検討してみたい「競売物件」ですが、昔と違って随分とオープンな市場というイメージが定着してきたように思います。
オープンな市場というと一般の方でも気軽に参加できそうなイメージがありますが、端的に申し上げると、そこに「助けてくれる人」はいません。不動産会社を通せば、担当者がアレコレと手回しをしてくれますが、競売は物件の選択から調査、入札、落札、事後処理までを全て自分で行わなければなりません。
そこで、競売物件でやってしまいがちな痛いミスを5つご紹介させていただき、今後の競売物件の購入の際の心構えとして解説させていただきたいと思います。

入札金額の桁を間違えた!

不動産競売の入札をするのであれば、「入札書」に自分の落札したい金額や事件番号、入札人の氏名住所などを記入して裁判所に提出します。
この入札書ですが、書き損じがあった場合は基本的に書き直しが必要です。どうしても時間が無い場合は訂正印でも可とされていますが、他にも鉛筆ではなくインク、またはボールペンで記入する必要があったり、入札書等を提出する際の封筒に封がされていないと無効であるなど、意外と細かなルールがあります。

このような細かなルールがあると、そちらにばかり意識が行ってしまい逆に書き損じてしまうという事は競売に限った話ではなく、緊張してしまって公式書類の記入を誤ってしまったなんて経験は誰しもあるのではないでしょうか。
もし、記入ミスに気付かないまま入札書を裁判所に提出してしまうと、かなり痛いペナルティが待っているかもしれません。

最も気を付けたいのが入札額の記入です。
一度入札を済ませてしまうと、それらは変更や取り消しができません。つまり、1000万円で入札すべきところ1億円と記入してしまうと、その金額のまま落札されてしまいます。
自分の思う相場観の10倍の金額での入札となれば、他の誰にも邪魔されない絶対的な入札額であることは間違いありませんから高確率で落札されることでしょう。
とはいえ、間違って記入した1億円で落札されたとしても、1億円の債務を負うということではありません。
売却基準価格の2割程度を必ず保証金として納めますので、保証金の放棄をすれば落札物件の購入をしなくても済みます。
ただ、1000万円が売却基準価格なのであれば200万円の保証金が無駄に消えることになりますので、入札金額の記入ミスは絶対に避けるべきミスです。

掃除のつもりが窃盗犯に!?

無事に物件を落札し、所有権登記も完了。いざ落札した物件の建物に入ってみると、外からでは気付かなかった残置物で溢れかえっていたなんてことは、競売物件にはこんなトラブルも良くある話として語られがちです。

しかし、自分で掃除をして室内を使えるようにすれば何とか賃貸に出せそうだとしても、室内の残置物には一切触れてはいけません。
厄介なことに、元の所有者がわざと残置物を残して退去した後に、「部屋に貴重品が残っていたはずだが、盗んだのではないか!?」といちゃもんを付けるなんてトラブルもあります。場合によっては窃盗罪の罪を着せられる可能性すらあるのです。

たとえ、明らかに不用品しか入っていないであろうゴミ袋であったとしても、移動はもちろん、触れることも避けるべきでしょう。
元の所有者と連絡が取れるのであれば、残置物の処理と撤去、若しくは買取や所有権の放棄など、何らかの約束を書面で取り交わしましょう。
もし話し合いにすら応じてもらえないという事であれば、費用負担は落札者側が行うことになりますが、裁判所の強制執行手続きを行う事で、残置物の撤去や処分はできるようになります。
こういった法的手続き無しに残置物の処分や移動などを行わないように、必ず注意しましょう。

法的に公平に解決できると思い込んでいた!

もう一つ、競売物件のトラブル事例としてよく挙げられるのが、「物件の瑕疵は誰も補償してくれない」というもの。

ご存知の方も多いかと思いますが、競売物件というのは内見ができないものがほとんどです。
最近では室内写真を3点セットに掲載している物件もあったりしますが、あくまで室内の様子というだけであり、屋根裏や床下の状態、建物の傾き、破損個所などまでは確認することができません。
つまり、「瑕疵担保責任」を追及することができないのが競売物件ですから、建物の状態はほとんど外観からの様子で判断しなくてはならず、室内や家屋の状態などは、ほぼ博打状態での購入となります。

某、法律相談サイトでのよくある質問に「明らかに重大な欠陥(若しくは瑕疵)だと誰が見ても分かるにも関わらず、問題追及はできないのか」といったものがありますが、それでも「瑕疵担保責任はないため自己責任である」という回答になります。
抵当権の優先権や税金について借主買主保護といった概念がありますので、こういったトラブルはババを掴んだようで納得できないかもしれませんが、全てが公平であるとは限りません。
むしろ、「だからこそ競売は安い」という点で考えれば、ある意味では公平だと言えるでしょう。

安さに目がくらみ「競売物件」であることを忘れていた!

不動産業界では、新築物件、中古物件、訳あり物件など一般市場に出回るものの取引がほとんどですが、そのような一般市場では取引不可能な物件が競売物件であることを改めて認識する必要があるかもしれません。
だからこそ、普通の市場に出回る物件よりも安く手に入るのです。

例えば、先述の残置物トラブルも同様に、異常なまでのゴミ屋敷であった場合、それらを撤去するための法的手続きから実際の処分までの費用は自己負担となります。
この時点でキャッシュフローを悪化させます。
また、良くある話として占有者がいた場合、権利関係によっては退去させられない場合もあります。
仮に明らかに賃借権などの問題が無い物件であったとしても、違法に占有している人や引っ越し代などの費用を捻出できずに居座っているような人もいます。
こうなると、せっかく明渡後に賃貸しようと思っても期間が延びるばかりか、想定していた収支計画にズレが生じることになりかねません。

改めて、競売物件が通常の物件とは違うのだということを認識し、3点セットから占有者の有無、権利関係が複雑化していないかを漏らさずに確認し、仮に違法な占有があったとしても法的な処置を淡々と進めていく心構えで競売物件の購入を進めるべきでしょう。

甘く見ていた!想定以上の労力と精神的ストレス

最後に、少々抽象的なお話になるかもしれませんが、これも陥りやすいミスとして考えておくべきことでしょう。

ここまで競売物件のリスクとありがちなミスについて主なものをご紹介させていただきましたが、他にも競売で気をつけるべき点は物件そのものだけでなく、公告から物件調査、そして入札から落札までのフェーズを全て自己責任で行う必要があります。
つまり、初めて競売を行う方の場合は覚えるべきことや注意すべき点が多すぎるため、大変な労力を必要としますので、時間や精神的な余裕がない限りは安易にチャレンジできるものではないのです。

もちろん、入札しても落札に至らなければそれ以上の労力は必要としませんが、もし落札できたなら、その後の修繕やトラブルへの対処が必要となった場合に、全てが丸く収まり賃貸が開始できるまでに数か月かかることも珍しくありません。

競売物件の流れや必要な書類、お金、様々なトラブルの際の対処方法の細かな流れなど、しっかりと予習し、せめて知識武装で自信が持てる段階になってから競売物件に挑戦してみるというのでも遅くはないでしょう。

まとめ

現在は不動産バブルだですとか、景気も上向いてきたとの観測から不動産業界もある程度の賑わいの中にあります。
上記までのトラブルはもちろんなのですが、実は裁判所の物件調査自体にミスがあったなんて報告もあります。残念ながら、それでも別途裁判などを起こさない限り「自己責任で」と言われてしまうのがオチです。
改めて、競売物件の全ては自分の物件調査力とトラブル解決能力が物を言う世界なんだということを肝に銘じて臨むべきだと言えるのではないでしょうか。

各種お問い合わせやご相談はこちら