実際にあったシミュレーション偽造。ごまかされない為のチェックポイント Vol.1 | 不動産投資を考えるメディア

実際にあったシミュレーション偽造。ごまかされない為のチェックポイント Vol.1

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不動産投資で騙されたという話は多種多様です。デート商法といった営業手法での詐欺がよく取り上げられますが、営業スタイルは正攻法でもシミュレーションでごまかされるケースもあります。もし悪意のあるシミュレーションを見たときに、どれくらいの人がごまかしを見抜くことができるのでしょうか。実際に起きた事例をもとに、シミュレーションを見る際に押さえておきたいポイントを知っておきましょう。

シミュレーションは簡単に偽造できる

不動産購入後の運用状況が事細かに記載してある資料をシミュレーションと言います。シミュレーションは運用の詳細を数値化して見るためのものです。ソフトを使えばだれでも簡単に作成できますが、たいていは不動産会社の営業マンが作ったものをもとに打ち合わせなどをしているのではないでしょうか。

シミュレーションは物件情報や購入者の個人情報を入力すれば簡単に作成できます。作成された資料には、月ごとの収支やローンの残債や、売却した場合の想定価格など、欲しいと思うたいていの情報は見ることのできる、とても便利なものです。

そんな便利なシミュレーションですが、簡単に作りかえることができるのです。

元になる数字の部分を手入力で変えるだけで、その先数十年のシミュレーションを大きく変えることができます。悪意があれば騙すこともできる武器になります。

不動産投資を失敗しないようにシミュレーションを見るときのチェックポイントを知っておきましょう。

事例1.家賃保証手法

Aさんは会社の同僚のKさんのすすめでマンション経営を始めました。紹介してくれたKさんが実際にマンション経営をすでにやっていて、順調に運用できていたのが決断できた理由です。

物件は駅から20分位歩いたところにある新築のマンションでした。東京都内でしたが、都心からは離れていて、賃貸経営がうまくいくのか心配な場所だと感じましたが、Kさんが一緒に購入するし、家賃保証で毎月1万円弱はキャッシュフローが得られるので、そんなに悪い話ではないと思い決断したのです。

それから、2年後、管理会社から一方的に家賃保証契約を解約され、月々の収支は4万円の赤字になりました。物件は残債が大きくとても売れる状態ではありません。Aさんは毎月給料から4万円を支払らった上に、空室時にはローン返済で月に約10万円も払わなければなりませんでした。Kさんもおそらく同じ状況だったでしょう。その後Aさんがどうなったのか不明です。

ここがポイント

これは新築時に家賃が高く設定できる慣例と、家賃保証という制度を利用しシミュレーションを黒字にした例です。管理会社=販売会社の子会社であれば、月4万×24=96万円ですので、この金額を会社が負担したとしても、新築であれば販売利益で十分持ちこたえることができる範囲です。

シミュレーションだけでなく物件パンフレットにもきちんと物件概要や住所、間取りなどが書いてあります。家賃下落率もきちんと検討していれば、購入には至らなかったかも知れない事例です。

事例2.コンサルタント的な言い回しで転売を仮約束

Bさんはすでに中古の不動産を1件持っていました。購入後すぐに他社の営業マンから連絡があり2件目を進められました。しかも2件同時に購入しないかというのです。Bさんの収入であれば3件くらいはローンを組むのは問題ないということはわかっていましたが、リスクも考えて1件で十分だと思っていました。しかし、その営業マンはしつこく説得してきました。マンション経営するには不動産に関するマネジメントが必要だ、自分の会社は複数運用が得意だから大丈夫、といった話をするのでした。

購入する2件のうち1件を5年後に転売すれば、今の状況であれば数百万円の利益がでる。それをもう1件に繰り上げ返済すれば、毎月かなり大きなキャッシュフローが得られるので貯金するなり、最初の1件に繰り上げ返済するなりすれば良い、という話でした。税金の還付金で現金でかかる経費は補えるし、シミュレーション上も5年後には物件価格が残債を数百万円上回っていました。転売にはその会社も手伝ってくれると言います。さらに、近辺で同じような物件をかなり高い価格で売りに出している広告なども見せられて、その気になったのでした。

結果的に5年後に物件価格はその価格には程遠く、売ると損する状況でした。さらに予定していた税金の還付金はシミュレーションよりかなり少なく、3件分の固定資産税などを支払うと赤字になりました。営業マンに連絡をとりましたがすでに退職したとのことでした。

ここがポイント

まず新築物件で5年くらいで物件価格が残債を上回ることは、今の不動産状況であればなかなか考えられません。そこに疑いを持てなかったのが一つ目のミスです。

シミュレーション上の物件価格は下落率や相場から算出されますが、手入力でいくらでも変えることができます。シミュレーション上で転売して利益を出す時期は操作可能だということを知っておきましょう。

また、税金の還付金をキャッシュフローに足して、手出しがなくても運用できる話はまずシャットアウトした方が無難です。節税効果は5年~8年後くらいでなくなります。そこを無理すると節税の域を超える可能性があります。税金の還付がなくてもキャッシュフローを得られる物件や条件でない物件でなければ、慎重に検討しましょう。

シミュレーション作成ソフトには収入と業種をもとにおおよその源泉徴収税額を算出し、経費と合わせることで確定申告で還付される金額を割り出せるようになっているものがあります。

そういったソフトは毎年の経費や源泉徴収税額を手入力で変えれば、還付金額は多いままにできます。税金の還付金額でキャッシュフローを良くする話がでたら、そのあたりに注目するといいでしょう。

まとめ

不動産で騙されたという話では手法が特殊なことが多いのですが、正攻法で営業をされてもシミュレーションが違っていると結果的に大きな損失を招いた事例です。シミュレーションは予想ですので、それが違っていたからといっても嘘だと言いきることはできません。

ただ、不動産は大きな買い物です。上記のような状況になると自分だけでは解決できなくなることもあります。あとあと後悔しないためにも常識的な数値は頭に入れて慎重に確認しましょう。

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