地震や戦争リスクをどのようにリスクヘッジをするか? | 不動産投資を考えるメディア

地震や戦争リスクをどのようにリスクヘッジをするか?

地震や戦争リスクをどのようにリスクヘッジをするか?

不動産投資のリスクの一つに災害リスクがあります。災害とは、地震や火災、洪水や津波による建物への被害などを指します。日本は世界的にも地震が多く地震大国とも呼ばれています。2017年6月現在でも朝鮮半島の情勢は緊迫した状態が続いており、依然として戦争リスク、ひいては日本へのミサイル攻撃のリスクも高い状態となっています。
自然災害や戦争によって所有の物件が甚大な被害を被れば、不動産投資を継続することができなくなります。しかし、自然災害も戦争もいつ発生するかわかりません。予測できないリスクに対し、どのように対処すれば良いのでしょうか。災害に対するリスク対策について考えていきます。

2020年までに95%の家屋が新耐震基準に

地震リスクへの対策を考える上では、まず建物の「耐震基準」について知る必要があります。耐震基準とは、「一定の強さの地震が起きても倒壊または損壊しない住宅の建築を保証する」建築基準法が定めている基準です。
1981年(昭和56年)6月1日に「新耐震基準」が施工され、これ以降に建築確認を受けた建物に新耐震基準が適用されるようになりました。一方、1981年以前の耐震基準は一般に「旧耐震基準」と呼ばれます。旧耐震基準では「震度5強の地震で倒壊しないこと」が基準でしたが、新耐震基準では「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと」「震度5強程度の地震でほとんど損傷しないこと」となっています。
国土交通省の推計では、一戸建てやマンションなどの住宅施設のうち、新耐震基準と同等の耐震性能を持つ建物の普及率は2013年時点で約82%となっています。政府は、2020年までに新耐震基準の耐震性能を持つ建物の普及率を少なくとも95%まで伸ばしていく方針を掲げています。

新耐震基準でも防ぎきれない大地震の被害

阪神・淡路大震災における建物の被害状況を見ると、耐震基準の違いにより建物被害に大きな差が生じています。旧耐震基準の1981年以前の建物では約3割が大破・倒壊しており、中破・小破もあわせると7割弱にも及んでいます。対して新耐震基準の1982年以降の建物は、大破・倒壊・中破・小破まで全て合わせても全体の25%ほどでした。このことから、新耐震基準で建築された建物は安心というイメージが広がりました。
しかし、2016年4月に発生した二度に渡る震度7を観測した熊本地震では、新耐震基準で建築された住宅の被害も大きかったことが大々的に報道されました。新耐震基準の施行以降に建築された住宅の被害が目立った理由は、想定外の震度7レベルの二度の地震が原因だとされています。1回目の前震では新耐震基準以降の住宅が倒壊を免れていましたが、前震の20時間後に発生した本震では、新耐震基準以降の住宅もその多くが倒壊してしまいました。つまり、新耐震基準以降の建物でも安全ということはないのです。

制震・免震マンションは安全なのか?

高層マンションの地震対策では、国の基準である耐震構造を満たす条件以外にも、振動を軽減するための制震装置や地面からの揺れを建物に伝えないためのゴムを使用した免震装置をつける物件が増えています。最近の賃貸物件建設ラッシュで東京都内の免震型マンションは、2005年から2015年の10年間の間に、2.2倍まで増えていると言われています。
しかし、免震マンションと言えども、あらゆる地震に対して万能というわけではありません。水平方向の横揺れに対しては、地面の揺れをうまく免れることができますが、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、熊本地震のような直下型の下から突き上げるような縦揺れに関しては、対処が難しく建物に揺れが伝わってしまうのです。
さらに、費用の面から考えると、免震装置は一定の期間が過ぎると交換が必要になるだけでなく、保守費用がかかるために、ランニングコストがかかることが予想されます。不動産投資でマンションに投資をする場合には、免震装置や制震装置の有無も収益に大きな影響があると考えられそうです。

地震保険でのリスクヘッジ

不動産投資で火災や地震などへのリスクに対応するためには、基本は地震保険を掛けてリスクに備える方法が第一となります。地震保険は民間会社だけでは、保険料の支払いに限度があるため、再保険制度という仕組みで国と保険会社が共同で運営しており、保障内容も保険料も各社一律というのが特徴です。
地震保険は、火災保険の付帯する形で加入するため、火災保険に加入していないと、そもそも加入することができません。地震保険では、地震や噴火、津波を原因として自宅が火災や損壊、埋没した時に保険金が支払われる仕組みです。契約する地震保険の金額は火災保険の契約金額の30〜50%の範囲で決められており、損害の区分によって支払金額が異なります。
例えば、柱や屋根などが被った損害額が建物の時価の50%以上に相当した場合は、全損として認められます。全損の場合は、時価を上限として保険契約額の100%分を支払うということになっています。

地震頻発で保険料が上がる

損害の認定は、2017年1月以前は、「全損」「半損」「一部損」の3つの区分だけでしたが、2017年1月以降は半損の区分が、「大半損」「小半損」の2つに分けられました。支払われる保険金は大半損で契約額の60%、小半損で30%になります。これにより、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つの区分に合わせて保険料が算定されることになりました。なお、この区分は2017年1月以降にスタートする保険で適用されるため、2016年までの契約分については3区分のままになります。
また、地震保険料は、政府の地震調査研究推進本部が地震リスクの評価を見直したために、2017年1月以降、全国平均で5.1%、保険料が上がることになりました。今後も地震リスクから考えて、地震保険料の引き上げは続く見通しになっています。料金改定のスケジュールは明らかにされていませんが、2017年6月現在の保険料よりも最大で2割ほど上がる予定となっています。保険料は運用コストに関わる大きな支出の一つですから、不動産投資をスタートする人にとっては見逃せません。今後の動向に注意が必要です。

戦争リスクによる不動産投資への影響

地震とともに最近注目を集めているリスクが戦争(朝鮮半島有事)のリスクです。2017年以降、北朝鮮のミサイル発射が頻繁に続き、4月にはアメリカと北朝鮮の開戦危機も大々的に報じられているのは記憶に新しいところでしょう。現状では戦争が勃発する緊張状態ではありませんが、情勢が緊迫すれば、不動産投資の市況にも大きな影響が出てくるでしょう。東日本大震災では、震災後も物件を持ち続けると回答した投資家も多かったのですが、戦争となれば話は別です。戦争に傾けば、物件を売るどころか放置する投資家も増えてくるかもしれません。また、近年、中国人投資家が収益不動産を購入するケースも多くなっていますが、こうした中国人投資家の投げ売りが始まった場合、不動産市場が大混乱に陥る可能性もあります。
また、実際に日本にミサイルが投下されたら、その被害ははかり知れません。東京を中心とした都市圏、米軍基地、原発が狙われる可能性が高く、その地域の建物は崩壊どころか消失してしまうかもしれません。もちろん、戦争やテロによる被害には、火災保険や地震保険は原則として適用外とされています。このような戦争リスクに備える方法としては、投資エリアを分散させることが挙げられます。また、条件付きで戦争保険というものも存在しますので、興味のある方は検討されてもいいかも知れません。

まとめ

地震や戦争はいつ起こるか、また起こった場合どのくらいの被害が及ぶのか、全く予想がつきません。
対策として、免震・制震など耐震レベルの高い物件を選ぶ、それぞれに対応した保険に加入しておく、投資するエリアを分散させる、活断層が通っている地域を避けるなどでリスクを回避・軽減できる場合もあります。想定外の事態にならないように日頃からあらゆるリスクヘッジを怠らないようにしておくことが大切です。

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