2019-2020年注目の不動産テック新サービス5選

不動産テック


不動産テックでは今まで様々な新サービスや機能が発表されてきましたが、イマイチ身近になったと感じられない方も多いでしょう。しかし不動産テックは、確実に日本の不動産や住まいおいて浸透し始めています。不動産テック関連のニュースではスタートアップばかりが注文されがちですが、実は大手家電メーカーも不動産テックへと大きく舵を切り始めているのです。

そこで今回は、私たちの身近で普及しそうな不動産テックから5つの新サービスを厳選してご紹介。「これなら普及しそう」と思えるものがきっとあるはずですので、どんなサービスがあるかご自身の目で確かめてみてください。

電子契約くん

IT重説が話題になってからしばらく経ちますが、国土交通省を筆頭に現在も社会実験的な段階に留まっています。そんな中、ここ最近で民間企業による賃貸契約事務のIT化が急速に普及し始めました。2019年7月にイタンジ株式会社から発表された新サービス「電子契約くん」がその一つ。電子契約くんは、賃貸契約に関わる手続きをWEB上で完結させられる仕組みです。
電子契約くん
【出典】電子契約くん

電子契約くんは、単にWEB上で手続きだけが能ではありません。実は、予てより実用化が望まれている「ブロックチェーン技術」による手続きが可能になるのです。元々は仮想通貨業界でよく知られていた「改ざん耐性」が特徴のブロックチェーン技術。ブロックチェーン内の情報は改ざんできないため、一度申し込みや契約の事実が書き込まれればおとり物件として利用されるのも防ぎます。

そして対面による説明と書面交付が原則だった重要事項説明ですが、いよいよ2019年10月に電子交付の本格的な社会実験がスタートします。このタイミングでブロックチェーンの技術による契約の電子化を進めていこうというのが電子契約くんなのです。2020年を前に、ついに不動産取引の根本が変わる時が来たのかもしれません。

すむたす買取

不動産は「売るに売れない」という流動性の悪さが特徴です。仮に急いで売るにしても買い取り業者に安く買い叩かれます。かといって高く売却するにしても時間や労力がかかる上、高い仲介手数料からは逃れられません。そんな不動産の悪しき習慣とも言える非効率な物件の売却を変えようというのが、「すむたす買取」です。
すむたす買取
【出典】すむたす買取

すむたす買取は、不動産を「適正な価格で」「素早く買い取る」サービスです。査定後は最短1時間というスピード感、そして仲介会社を挟まないことで仲介手数料を無料にできるのが最大の強み。しかも買い取り代金は2日で入金するという、まさに不動産の流動化を極めた不動産テックと言えるでしょう。物件価格の査定は「AIによる自動価格査定システム」が採用されており、人による恣意的な価格操作がありません。更に築古や入居中の物件も対象です。AI判定による査定で瞬時に物件を買い取るサービスは、空き家解消や中古物件の流通に寄与するかもしれません。

PropoCloud(プロポクラウド)

賃貸、売買の不動産テックの次は、「不動産会社の業務を効率化する不動産テック」です。不動産テックベンチャーのハウスマートは、仲介会社の業務を限りなく効率化する「PropoCloud(プロポクラウド)」の提供を始めました。
PropoCloud(プロポクラウド)
【出典】PropoCloud(プロポクラウド)

PropoCloudでできることは主に以下の4つです。

  • 顧客データや好みから、AIが最適な物件やコストを自動で提案
  • AIが大量の物件から最適な物件を選定して自動でメール追客
  • デザイン性の高い物件図面
  • 顧客の動きをリアルタイムで確認可能

これまで顧客一人一人の要望に合わせた物件探しや好みの分析は、PropoCloud が全て行ってくれます。内見やその他事務に時間を費やしている時もAIが自動で追客してくれるため、営業マンは自然と付加価値の高い業務が可能になります。

NinjaLockM(ニンジャロック・エム)

もはや珍しくもなくなったように思えるスマートロック。スマートロックはこれまで電池残量が無くなりやすいことや鍵の形状により利用できない、スマホが無ければ機能しないなど根本的な問題がありました。そんなスマートロックの課題に対し、改良を重ねて発表されたのが「NinjaLockM」です。
NinjaLockM(ニンジャロックエム)
【出典】NinjaLockM(ニンジャロック・エム)

NinjaLockMはスマホだけでなく、専用のカードやテンキーなど他の解錠方法を実装しています。また物件の工事中の時だけ使えるアプリ、入居募集などで一時的に使えるワンタイムパスワード発行といった機能も特徴的。更に鍵の締め忘れにも対応できるオートロック機能も付いています。もし電池残量が無くなって家に入れなくなっても、市販の電池で緊急稼働させられるため安心です。当然、入居者が変わってもわざわざ鍵交換する必要がありませんので、不動産オーナーにとっても入居者にとってもコスト削減に寄与することでしょう。

COCORO HOME(ココロホーム)

日本の家電メーカーとして知らない人はいない「SHARP」。一時は中国企業の傘下になったことで話題になりましたが、東証一部に復帰。いよいよIoTや不動産テックの業界で、本領を発揮しています。その手始めとも言えるのが「COCORO HOME」です。
COCORO HOME(ココロホーム)
【出典】COCORO HOME(ココロホーム)

COCORO HOMEは、IoT家電だけでなくスマートスピーカーやセキュリティ機能、動画サービスなど、暮らしの全てを連携させるスマートホームサービスです。シャープの家電には「COCORO+」というIoT機能が搭載されており、COCORO HOME一つあれば全ての機能やサービスを稼働・確認できます。これまでのIoT家電は「各社による規格の違い」が最大の障害でした。

つまり、規格の違いによりスマートホームに統一性を持たせられないため、なかなか一般家庭のIoTが進んでこなかったのです。COCORO HOMEも現在のところSHARPの家電と連携のみですが、他社の家電とも連携させようという取り組みが今までと違います。規格という枠を超えて、COCORO HOMEを一つのプラットフォームとして日本のIoTを加速させようとしているのです。

また、スマートスピーカーがいまいち日本で流行らなかったためか、スマホ操作がベース。つまり「〇〇、音楽流して」「△△、電気消して」という声による発信ではありません。あくまでスマホ操作がベース。いずれ「ロボホン」という小さなロボットを介した声による家電操作も可能になる予定です。ただまずはスマホをいじるのが大好きな日本人らしさに着目したスマートホームを開始したところに、これまでの不動産テックとの違いを感じます。

まとめ

今回は不動産テックの「契約」「売買」「業務」「セキュリティ」「スマートホーム」の分野から、新たなサービスをご紹介させていただきました。一昔前までの不動産テックに対するイメージと比べ、随分と私たちの身近になってきたと感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。不動産テックの開発は、主にスタートアップやベンチャーが中心となって進められています。多くの大企業が保身に走りがちな今、日本の不動産を変えていくのは不動産テックに貢献する若い技術なのかもしれません。

記事の平均評価

コメント