1人暮らしの約半数がIoT化を希望?!賃貸物件の付加価値の高め方

IoT
賃貸住宅のオーナーの頭を悩ませる事の1つが、近隣の競合物件との差別化ではないでしょうか。主な物件の付加価値を高める方法は無料Wi-Fiや宅配ボックス、防犯カメラの設置などがありますが、最新技術と言えるIoTはまだまだ普及が遅れているのが現状です。

しかしながらここ最近、ようやく賃貸住宅でのIoT家電の導入が普及し始めるのではないかという兆候があります。IoT家電とは、部屋にある設備や家電がインターネットにつながり、暮らしを快適にする技術。実は1人暮らしの若者の約半数が、IoT賃貸に住んでみたいと希望しているという調査結果もあるのです。そこでこの記事では、これからの賃貸住宅の付加価値要素として「IoT化」に賃貸需要があるのかを探りました。

1人暮らしの約半数が「IoT化された賃貸住宅に住みたい」と回答

2018年5月、株式会社レオパレス21は全国の入社5年目の1人暮らしの男女600名を対象に「若手社会人のひとり暮らし」に関する実態の調査を行いました。調査では「IoT化された賃貸住宅に住みたいと思いますか」という質問に対し、約半数の若者がIoT化された賃貸住宅に住んでみたいと回答しています。

IoT化された賃貸住宅に住みたいと思いますか?

■出典:レオパレス21調べ(PR TIMES)

また同調査では、部屋の中でIoT機器を使用したいと思う場所についても調査しています。

Q.部屋のどのような場所でIoTを使用したいか
1位玄関(ドアを施錠解錠、セキュリティ関連など)
2位リビング(エアコン、照明、掃除機、AIスピーカー)
3位キッチン(冷蔵庫、調理機器)
4位寝室(ベッドやマットレスなど)
5位浴室
6位トイレ
7位洗面所
8位その他

1位が玄関というのは少々意外ですが、1人暮らしの人はIoT化によりセキュリティ面を強化したいと望んでいることが窺えます。AIスピーカーや掃除機は自分で買うまでには至らないが、もし賃貸のオプションにあるなら使ってみたいという範囲と考えられます。

日本の賃貸住宅におけるIoT化の実態

では実際に賃貸住宅でIoTが普及したかというと、IoT化が施された賃貸住宅のイメージは薄いのが正直なところ。都内のマンションならIoTマンションも販売されているのは見かけますが、まだまだ普通の賃貸住宅ではIoT化が進んでいないのが現状です。

その理由は「イメージ」と「現実」のギャップに差があるため。例えば、MMD研究所が公表している「『モノ・コト』インターネットがもたらすライフスタイルの変化 日本におけるIoT意識調査」では、IoTに対するイメージについての回答が以下のようになっています。

■出典:MMD研究所 「モノ・コト」インターネットがもたらすライフスタイルの変化 日本におけるIoT意識調査

比較的にポジティブなイメージを持っている人が多いと分かります。ただ同調査では「IoTを取り入れない理由」も調査しており、回答は以下のようになっています。

■出典:MMD研究所 「モノ・コト」インターネットがもたらすライフスタイルの変化 日本におけるIoT意識調査

圧倒的に多いのが金銭面と煩わしさ。皮肉にも人の生活を便利にするはずのIoT家電は、住む人の財布を直撃し、便利どころか設定が面倒だと思われているのです。

賃貸住宅のIoT化はどのくらい進んでいる?IoT賃貸の実例

1人暮らしの若者からの注目度が高いものの、普及したとは言い難いIoT化賃貸住宅。ただ冒頭でお伝えした通り、徐々に普及の兆しが見えてきています。理由は、住宅関連に限らず様々な業種の企業がIoT市場に参入してきているためです。

最先端のIoTデバイスを搭載したTATERUアパート

■出典:TATERU

株式会社TATERUでは、セキュリティ対策から管理会社とのやり取りまでをスマホやタブレットで管理できるIoTアパートを全国的に展開しています。TATERUのIoTアパートの特徴は以下の通り。

  • スマホや交通系ICカード、テンキーや従来の鍵で玄関を解錠でき、不正な解錠を感知したら警報が作動
  • 窓の開閉や揺れを検知すると外出先でもスマホで異常をお知らせ
  • 照明、エアコンなどを一括でコントロールでき、外出先でもスマホで操作が可能
  • タブレット型の「セントラルコントローラー」で、部屋の接続されたすべての家電を操作できる
  • 水もれトラブルや退去の時はチャットで管理会社と連絡がとれる

1人暮らしだと一日のうち大半は仕事で部屋にいないため、部屋の設備や綺麗さよりもセキュリティ面やトラブル時のスムーズな対処が重視されます。スマホで玄関を解錠できたり、窓の異常を感知できたりするだけでも入居者には喜ばれるでしょう。

パナソニックの先進テクノロジーが詰まったIoT賃貸住宅「スマート・グラン」

■出典:Panasonic Homes

家電だけでなくリフォームや住宅建築も行うパナソニックホームズ株式会社では、アパートが丸ごとIoT化された「スマート・グラン」というアパートを販売しています。スマート・グランには、主に以下の機能が備わっています。

スマート設備コントロール
エアコンの運転やバスルームの湯はり、シャッターの開閉に照明のON/OFFまでスマートフォンで操作可能
スマート宅配ロッカー
荷物受取りや発送はもちろん、クリーニングや食品の受け取りも利用可能。荷物の到着はメールでお知らせ
スマートキーシステム
専用アプリが近づくとエントランスのオートロックが自動解錠。玄関もスマートフォンで解錠可能

家の中からエントランスまで、全てIoT化されているのがスマート・グラン。抜群のセキュリティが特徴的な先進的なアパートです。

パーフェクトパートナー株式会社のIoTアパート「PPit HOME」

■出典:パーフェクトパートナー株式会社 IoTアパート「PPit HOME」(オーナー様向け)

パーフェクトパートナー株式会社が提供するIoTアパート「PPit HOME」は、KDDIのIoT化キット「with HOME」とコラボして生まれたアパートです。加えて「Google HOME」を標準搭載させることで、よりグレードん高いIoTアパートを実現しています。なおPPit HOMEは、室内に装備される機器により以下3つのタイプに分かれています。

【ピピッとGoogle Homeセット】
  • with HOMEアプリ
  • Google HOME
  • 無線通信用アダプタ
  • 赤外線リモコン
【ピピッとスタンダードセット】
  • with HOMEアプリ
  • Google HOME
  • 無線通信用アダプタ
  • 赤外線リモコン
  • マルチセンサー01
【ピピッとパーフェクトセット】
  • with HOMEアプリ
  • Google HOME
  • 無線通信用アダプタ
  • 赤外線リモコン
  • マルチセンサー01
  • ネットワークカメラ
  • マルチセンサー02
  • スマートプラグ

予算や賃貸需要から必要な分だけIoT化できるのが特徴。導入費用は23,700~52,100円となっており、月額使用料は490円とリーズナブルです。IoT化を急ぎたいオーナーにはオススメです。

IoT化による賃貸物件の付加価値の高め方

ここまで賃貸ユーザーの意向や実例としてのIoTアパートをご紹介しましたが、ほとんどの人が「便利そうだけど費用と手間はかけたくない」と考えているのは最初の調査結果でも明らかです。これは賃貸ユーザーにもオーナーにも共通する認識と言えるでしょう。

ただ少なくとも、無料Wi-Fi通信や宅配ロッカー、室内外のセキュリティの需要が高いのは明白です。今回ご紹介したIoTアパートでは、上記全てを満たしているアパートもあれば最低限のアパートもあります。つまり、わざわざ賃貸ユーザーが必要としないIoT機器まで導入する必要はなく、最低限のIoT化だけでも十分付加価値を高められると言えるのです。

では賃貸住宅に必要なIoT機器とは何でしょうか。これは物件の地域性や構造、部屋の階数、ターゲットとする入居者層で違います。ファミリータイプの物件で必ずしも宅配ロッカーが必要とは限りませんし、家電にこだわりを持っている人もいるでしょう。徐々に賃貸住宅のIoT化も進んできたと言えますが、せっかく導入したIoT機器が宝の持ち腐れになる可能性も否めないのです。

ただIoTが便利であるという事実は変わりません。あとは賃貸オーナーの負担でどこまで設備導入できるか、そしてその物件に本当に必要なIoT機器であるかを見極めること。それができれば物件の付加価値と賃貸ニーズを満たすという結果は、自ずと実現できると言えるでしょう。

まとめ

今回、賃貸物件のIoT化についての現状を調査してみると、IoT化の導入は他の設備投資と比べて比較的リーズナブルです。追い炊き機能付きにリフォームしたり、エントランスをオートロックにしたりするには多額の費用がかかります。近隣の競合物件との差別化をはかるためにもコストパフォーマンスの良いIoT化は、十分に検討の余地がある設備投資と言えるのではないでしょうか。

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