不動産投資の「おとり物件」によくある特徴6つと騙されない為のポイント

物件


公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会では、定期的におとり物件を広告している業者がないか調査しています。2019年5月と6月だけでも、25社中2社におとり広告が認められたとのこと。未だ無くならない「おとり物件」。これだけ悪質だと世間が認知するようになっても、未だおとり広告を出している会社があるというのは驚きです。

ただ賃貸か売買かに限らず、おとり物件のおかげで時間が無駄になったとか、望んでもいない物件を契約させられそうになったという話もよく聞くところ。そこでこの記事では、不動産投資や賃貸、一般住宅の売買でも使える「おとり物件によくある特徴」を6つご紹介します。筆者の経験による、おとり物件のリアルな見分け方をご紹介しますので是非ご参考になさってください。

【おとり物件の特徴1】明らかに条件が良いのに掲載期間が長い物件

まずは分かりやすくするため、賃貸物件を基に解説します。仮に以下のような条件の賃貸物件が見つかったとしましょう。

所在地東京都板橋区
家賃6.5万円
物件タイプ1K
広さ28㎡
築年数築10年
駅距離徒歩7分
物件種別賃貸マンション
敷金・礼金1か月/ナシ
所在階・階数10階/10階建

駅から非常に近い上に、広さや契約条件も悪くありません。更に上層階というスペックで5.5万円は非常に良い条件。通常なら家賃8万円でも安いスペックです。そんな物件ですが、詳細画面の下の方に以下のような記載があったとします。

【出典】LIFULL HOME‘S

上のグラフは実際の物件情報ではありませんが、LIFULL HOME‘Sの物件検索画面に表示される「情報登録日」や「情報更新日」です。物件情報が初めて登録されたのは1月なのに対して、既に半年以上経過しています。明らかに好条件にも関わらず、ここまで入居者が決まらない理由は主に3つ考えられます。

  • おとり物件である
  • 心理的瑕疵のある物件
  • その他何らかの問題を抱えている

心理的瑕疵とは、いわゆる「事故物件」です。事故物件は「告知事項あり」と備考欄に記載されます。記載がなくても掲載している会社が隠しているか、おとり物件という可能性が高いためあまり深追いしないほうが良い物件です。不動産投資や売買物件においても「普通ならとっくに売れてるはず…」と感じる物件はまず疑ったほうが良いでしょう。

【おとり物件の特徴2】仲介なのに1社しか掲載してない

不動産会社が掲載する物件広告にはいくつか種類があります。

一般媒介(仲介)
複数の会社が紹介してよい物件
専任媒介
売り主(貸し主)が特定の不動産会社に売却や入居募集を依頼した物件
専属専任媒介
媒介を依頼された会社だけが広告できる物件(大家さんや売り主の紹介もNG)
売主(貸主)
その物件の売り主(貸し主)が直接募集している物件

上記の中で最も気をつけるべきは「一般媒介(仲介)」です。一般媒介は言い換えると「誰でもいいからとにかく入居者を見付けて欲しい」という時に広く広告する方法です。裏を返せば、不動産会社がどんな紹介の仕方をしているかすら売り主(貸し主)はあまり知らされません。(売買の場合は定期的に報告業務を行ったりします)つまり、おとり物件に使われやすいのが一般媒介(仲介)なのです。

【取引態様の表示例】

【出典】LIFULL HOME‘S

もし不動産ポータルサイトで「一般媒介」「仲介」と表示されているのに、1社しか掲載していない場合は少し注意です。ここに前章の「明らかに条件が良い物件」という要素が加わったら完全に疑ったほうが良いでしょう。

【おとり物件の特徴3】問い合わせに対する返答が即返ってくる

もし気になる物件が「仲介」だった場合、問い合わせに対する返答スピードが異常に早かったら疑ったほうが良いでしょう。

通常、不動産業者が他社の扱う物件を紹介する時には「物確(ブッカク)」を行います。物確とは、まだその物件に申し込みが入っていないかどうかを確認する作業。専任媒介や売り主(貸し主)として物件を取り扱う会社へ電話して「まだ紹介できますか?」と確認するのです。

つまり、仲介の物件に電話で問い合わせをして「空いてますよ」と即答されたら、物確もせずに答えている可能性が大です。またメールでの問い合わせも、1分も経たずに「ご案内可能です」なんて返信されてきたら、同じくかなり怪しいと考えましょう。

「空いている」「紹介できる」と即答するのは、「さっき申し込みが入りました」という断りを入れることが確定しているため。まずは来店させて他の物件で契約してもらうために「すぐにでも案内できます!」と回答するのです。

【おとり物件の特徴4】現地待ち合わせで内見予約をさせてもらえない

「明らかに他より条件が良すぎる」「仲介なのに1社しか掲載してない」という物件があったら、「現地待ち合わせ」で内見予約をしてみましょう。もちろん興味がない物件に内見予約を入れる必要はありません。

どうしても気になるけど、おとり物件の為に無駄な時間を使いたくないし、他の物件を営業されたくない時に非常に有効な手段です。もしその物件がおとり物件なら、きっと営業マンは以下のような断り文句を言ってきます。

「売り主(貸し主)から必ず営業マンが同行するよう言われてまして……」
(仲介なら直接大家さんの指示は受けません)

「当社はご来店いただいてからのご案内が原則でして……」
(そんな不動産会社はありません)

「以前に勝手に室内に入ってしまった人がいまして……」
(鍵も掛けない物騒な物件と言っているようなものです)

本来現地待ち合わせは業務効率的にも良いことです。そもそも現地待ち合わせを希望する人は周辺エリアも見ておきたいなどの理由もあり、前向きに検討してくれるお客様と考えられます。現地待ち合わせを断る営業マンは怪しいと言わざるを得ません。

【おとり物件の特徴5】実際に現地に行ってみたら聞いている話と違う

手間はかかりますが、最も確実で間違いないのが「実際に現地に行ってみる」という方法。現地に行くといっても物件情報の多くは住所を途中までしか掲載していません。現地に違う会社の入居募集や売り物件の看板が付けられていたり、勝手に現地に行かれては営業するチャンスが無くなったりするためです。では、物件情報から現地の場所を特定する方法をご紹介します。

  1. 物件情報から「住所」に結び付く情報を得る
  2. 物件情報の写真でベランダからの景観や物件の外観を確認する
  3. 他にも写真の中にお店の看板や隣のマンションの名前、近所の土地形状など特徴的なヒントがないか確認する
  4. 上記までに得られたヒントからGoogleマップでおおよその場所を特定する
  5. 該当のエリア内で、最初に確認した外観と同じ建物をGoogleマップの「ストリートビュー」で探す

物件の場所が分かったら、後は現地に行くだけです。該当の物件が聞いていた話と違うようなら、おとり物件確定です。ただ、稀に住み替えを理由に入居者や買い主が決まり次第で退去するというケースもあります。前章までにご紹介した怪しい点がないかも含めて判断するようにしましょう。

【おとり物件の特徴6】過去の処分履歴を閲覧してみる

さて、直接的におとり物件かどうかを確認するための方法ではありませんが、業者そのものが悪質でないか軽く調べておいても良いでしょう。例えば、有名な不動産会社の名前が付いていても、フランチャイズ店なら本来はまったく別の会社名で運営しています。

不動産ポータルサイトはフランチャイズの名前だけでなく、必ず「株式会社○○」といった本来の会社名も表示されます。会社名が分かったら、以下のサイトで会社名を検索してみましょう。もし過去に違反があれば、必ずヒットします。

【出典】国土交通省ネガティブ情報等検索システム

【出典】都道府県知事が行った監督処分情報

さすがに一度おとり物件で処分を受けながら再度同じ行為を行うとは考えづらいですが、念のため、他の処分を受けている履歴がないか確認してみても損はありません。上記の2サイトは賃貸や売買の処分情報が一緒に掲載されていますので、もし処分情報があれば「そういう体質の会社」と考えたほうが良いでしょう。

おとり物件は調べればすぐに分かってしまう何とも古典的な手法です。そんな手口が未だ使われているのは日本の不動産業界が未だ透明性に欠ける証拠とも言えるでしょう。営業マンの話す内容には全く根拠がないケースも多いため、口先の話を全面的に信用してはいけません。自ら物件を調査するつもりで臨めば、おとり物件に無駄な時間を費やして下手な物件を紹介されることもなくなります。

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