差別化と高利回りを実現!「女性限定物件」の需要を高める3つのポイント

賃貸経営


昨今の賃貸住宅事情は空室の増加や人口減少が取り沙汰され、何かと「差別化」が重要だという記事を多く目にします。差別化にも色々な手法があり、これから不動産投資をする方にとって、何をもって差別化とするかは非常に難しい課題です。

ところで、各メディアではあまり取り上げませんが「女性限定物件」という選択肢があります。女性限定という時点で差別化が成功したようなものですから、収支さえ問題なければ安定した賃貸経営に繋がるでしょう。

この記事では女性限定物件で不動産投資する際のポイントを解説。女性限定物件を建築するとなった際の費用や必要な設備やデザインについても詳しくご説明します。

不動産投資にオススメ?女性限定物件とは

女性限定物件とは、その名の通り「女性の入居者に限定した賃貸住宅」です。物件により異なりますが、友人や家族であっても男性が敷地内に入るのを禁止する物件もあります。女性の一人暮らしは本人だけでなく親御さんも心配しますから、女性限定物件には一定の需要があるのです。

ところで、女性限定物件というのはどのくらい存在するのでしょうか。賃貸物件探しで誰しも知るLIFULL HOME‘Sにて「女性限定」「女性専用」の物件数を確認してみました。

総物件数447万3,272件
女性限定物件1万3,944件
女性専用物件5,076件

※2019年9月13日現在

上記はアパートとマンション、戸建ての物件種別で分けずにカウントしている物件数です。女性限定と女性専用の物件を合わせても1万9,020件ですので、総物件数に対する割合は0.4%ほどです。決して多いと言える件数ではありません。

ただ昨今の賃貸事情は、何かと「差別化」が叫ばれます。差別化は物件にだけ求められているわけではなく、女性専用の不動産屋さんや夜の仕事をする女性に特化した不動産会社もあります。日ごろから空室対策などを考える賃貸オーナーにとって、数少ない「女性限定物件」を差別化の一つとして捉えておいて良いかもしれません。

入居者目線で考える女性限定物件のメリットデメリット

では、実際に女性限定物件について、入居者である女性から見たメリットデメリットは何でしょうか。人それぞれの考え方でメリットデメリットは変わりますが、ここでは一般的なところで考えられるメリットデメリットをまとめてみましょう。

【入居者から見た女性限定物件のメリット】
  • 住人が女性だけという安心感がある
  • セキュリティ面で強い物件が多い
  • 外観や内装がおしゃれな物件が多い
  • 設備が女性向けになっている物件が多い
  • 親に安心してもらえる
【入居者から見た女性限定物件のデメリット】
  • 比較的に家賃が高め
  • 物件数が少ない
  • 彼氏や男性の親族を呼べない
  • 女性限定であるため油断してしまう
  • 女性限定自体がリスクになる事もある

まずメリットについてですが、やはり女性からすれば男女共用の賃貸に比べて安心感が全く違います。女性向けの物件ですから、バストイレ別であったり2口コンロになっていたりというメリットもあります。最近では女性向けの賃貸物件に特化した建築会社もあり、非常に高品質な女性限定アパートも多くなってきました。住人同士で仲良くなって友達になったなんてケースもあり、女性限定物件なら初めての一人暮らしでも充実した毎日を送れるでしょう。

しかしながら、逆に「女性限定」ということ自体がデメリットになるケースもあります。男性を招くこと自体が禁止されている物件も多く、いざという時に男性に守ってもらえません。筆者の知人にも賃貸オーナーに勝手に侵入されたという女性もおり、女性限定だから安心とは言えなそうです。そもそも「女性限定物件」と悪質な人間に知られてしまえば、物件そのものがリスク要因となる可能性すらあります。女性限定と謳うからには、とにかく物件探しでセキュリティ面をしっかり確認しなければいけません。

賃貸オーナーから見た女性限定物件のメリットデメリット

では、賃貸オーナーから見た女性限定物件のメリット・デメリットを考えてみましょう。実は賃貸オーナーから見たメリットは多くあります。

【賃貸オーナーから見た女性限定物件のメリット】
  • 物件数が少ないため競合が少ない
  • 内見率が高い
  • 家賃を高めに設定できる
  • 一度入居すると長期入居になりやすい
  • 利回りが高め
  • 資産価値も維持しやすい
  • 物件をきれいに使ってもらえる事が多い
【賃貸オーナーから見た女性限定物件のデメリット】
  • 建築費が高い
  • 設備や内装の費用が高め
  • 立地が限定的
  • デザインの好みが分かれる
  • 男性を入れる可能性がある

女性限定物件となると数が少なくデザイン性でも優れた物件が多いため、内見率は高くなり、そもそも競合物件が少ないという点で他の物件より有利です。家賃が高く設定できますので、利回りも高くなります。また希少物件であるため入居率も高く、それにより資産価値も高くなるという相互作用が生まれるのも女性限定物件のメリット。まさに「希少性」が、女性限定物件の大きな魅力と言えるでしょう。

ただし賃貸オーナーにとって悩ましいデメリットもあります。例えば立地面で考えた時に、街灯の無い夜道や近所にお店などが無い立地に女性限定物件を建てたところで女性から避けられるでしょう。また女性が好みそうなヨーロピアン風の住宅にしても、それが必ずしも受け入れられるとは限りません。女性の好みは男性よりもハッキリしています。

特に不動産投資として考えた時に重要なのが「建築費」の部分。この点について少し詳しく見ていきましょう。

女性限定物件の建築費と利回りをシミュレーション

まず女性限定物件を新築すると仮定した場合、どのくらいの建築費と利回りになるか見てみましょう。以下は、女性限定物件のアパート建築を請け負う会社2社のモデルケースです。

 A社のモデルケースB社のモデルケース
構造木造木造
階層2階建て2階建て
建物面積198㎡201㎡
戸数8戸8戸
建物本体価格約4,370万‬約4,370万‬
その他諸費用込み合計5,800万円6,500万円
家賃収入(月)平均7万9,000円(共益費込み)平均6万8,000円(共益費込み) 
家賃収入(年)約758万円約653万円
表面利回り約13%約10%

上記はモデルケースとして参考にした2社を比較した表ですので、建築費は建築会社によって上下します。また地域性により家賃も上記の通りになるとは限りません。ただそれでも表面利回り10%を確保できていますので、決して悪い条件ではなさそうです。

ただし少し気になるのは建築費。実は上記2つのモデルどちらも、建築費が高いのが難点。もし表示通りの家賃を見込めるなら、建築費をもっと抑えて利回りを高くすることも可能なのです。実際に総務省の建築着工統計調査で公表されている、共同住宅の木造住宅の建築費と比較してみましょう。

【木造住宅の建築費(㎡単価)】
建築着工統計17万円
A社22万円
B社21万7,000円

㎡単価で見ると、一般的な建築費よりも5万円ほど高くなっています。もし一般的な建築費に抑えられれば、A社の物件なら利回り16%、B社の物件なら利回り12%を確保できるのです。

あとはローン金利をどこまで抑えられるかがポイント。上記2社はモデルケースを金利2%以下で試算して高利回りを実現できると謳っています。ただ実際のところ、ローン金利がどのようになるかは賃貸オーナーの実績次第となります。

女性限定物件の需要を高めるために抑えるべき3つのポイント

賃貸オーナーにとって、新築する際の建築費はできるだけ抑えたいところ。ただ建築費を抑えたことで物件のクオリティが下がれば入居率も低くなります。建材も安くなりますから、いずれ高い修繕費となって返ってくれば大きな負担になりかねません。

先ほど建築費と大きく括ってシミュレーションしてみましたが、女性限定物件では「設備」も大事になります。建築会社が必ずしも女性のニーズと把握しているとは限らないため、ある程度はオーナー側でも必要になる設備を把握しておいたほうが良いでしょう。

では、具体的に女性限定物件にどんな設備が必要になるでしょうか。女性限定物件の需要を高めるためには、「セキュリティ」「使いやすさ」「デザイン」の3つに分けて考えるのがベスト。ではまず「セキュリティ面」で見てみましょう。

【女性限定物件に求められるセキュリティ】
  • オートロック(エントランス)
  • モニター付きインターフォン(室内)
  • 部屋干し用フック、ワイヤー(室内)
  • 防犯カメラ(共用スペース)
  • ダブルロック(玄関、窓)
  • 防犯用シャッター(ベランダ)
  • 目隠し用の格子やラティス(ベランダ)

最近では警備会社と契約している物件もあり、女性に限らず賃貸物件のセキュリティ面は重要な設備です。また部屋干し用フックやワイヤーは、地味ながら女性に人気があります。晴れている日でも外に洗濯物を干したくないという人もおり、設置費用も高くありません。是非積極的に取り付けましょう。では「使いやすさ」という面で見てみましょう。

【女性限定物件に求められる使いやすさ】
  • バストイレ別
  • 独立洗面台
  • 室内洗濯機置き場
  • 追い炊き機能
  • 2口コンロ
  • 宅配ボックス
  • 洗浄付き便座
  • 広めの収納
  • 姿見
  • 浴室乾燥機

そして最後に「デザイン」の部分で考えてみましょう。一般の空室対策でも共通して好まれるデザインはありますが、やはり個人の好みが分かれるため難しいところです。そこで一例として、女性が好みそうなデザインの一覧をご紹介します。

【女性限定物件で好まれるデザイン】
  • 和風より洋風が好まれる
  • 壁紙はアクセントクロスで高級感を出す
  • バスタブは脚付きの据え置き型がおしゃれ
  • フローリングは白色や無垢にしてみる
  • 室内照明はスポットライトやダウンライトにする
  • 洗面台の照明にブラケットライトを採用する
  • キッチンの壁はタイル柄にしてみる
  • etc……

実際には建築会社との打ち合わせや外観に合わせたデザインにする必要がありますが、女性限定物件だからこそ、内装にこだわると成約率も上がるでしょう。特に女性は、デザインが良いと他の部分に目をつぶってしまうことがあります。

かといってセキュリティや各設備をおざなりにはできません。設備や内装は後からでもリフォームできます。女性限定物件として選ばれるようになれば収益も上がり、更に差別化を図るためのリフォームが可能になります。まずは女性に安心して住んでもらうために最低限必要になるセキュリティや住みやすさを最優先に考えるのが、女性限定物件の成功のコツと言えるでしょう。

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