計算が苦手な人も大丈夫!積算価格は不動産競売で学べ | 不動産投資を考えるメディア

計算が苦手な人も大丈夫!積算価格は不動産競売で学べ

シェアする

家の価格計算イメージ

価格査定の方法の1つ、積算価格。土地と建物に分けて計算しなければならないため、難しそうに見えるかもしれません。例え話で説明されてもいまいちピンとこないでしょう。

実は、実例はいくらでも手に入ります。不動産競売における物件情報の3点セットです。常時1000件以上公開されていますので、資料としても膨大な数になります。1つの例をもとに積算価格について解説します。

価格査定のプロ、不動産鑑定士が積算価格を行う競売

不動産の価値を算定する方法は主に3つ。取引事例比較法と収益還元法、そして原価法です。原価法で出された数字は積算価格といいます。

積算価格は、土地と建物をいったん別に算出し、最終的に合計する手法です。土地は路線価や公示地価など公式に発表されている数字を参照します。建物は再調達原価という考え方を使います。現状と同じような建物に建て替えたらいくらくらいかかるか算出し、経年劣化分を差し引く方法です。

土地評価、再調達価格、経年劣化分(減価償却)を計算しなければならないので少し複雑です。実例として、不動産競売の情報が大いに参考になります。

不動産競売は、住宅ローンの返済が滞ったときなどに、担保である物件が裁判所で強制的に売られるものです。物件情報である3点セットはBIT(不動産物件情報サイト)から誰でも簡単に手に入れられます。入札の基準となる価格は、不動産鑑定士が原価法によって行っています。

土地の評価は公示地価に個別の修正を加える

2017090801-01
2017090801-03
出典:BIT(不動産競売物件情報サイト)

価格査定の詳細は、3点セットのうちの「評価書」に書いてあります。

不動産競売には売却基準価額といい、落札額の参考となる金額が設定されています。実際に入札できるのはこの金額に0.8を掛けた買受可能価額です。

画像は東京都八王子の土地付き一戸建ての評価書です。土地と建物が一括で競売され、売却基準価額はこの2つの合計となっています。

まず土地の評価から。単価は国土交通省が発表している公示地価から設定します。そこから土地の形状や土壌汚染の程度などの分を割り引きます。これを個別格差といいます。そこに登記簿上の地積をかけ合わせ、最後に建て付け減価や場所的利益など、利用状況による調整をします。建物の老朽度や容積率いっぱいに建てられているかなどを、個別に査定します。

土地に建っている建物がどんなにボロボロでも、取り壊し費用などは考慮されていません。再建築しようと考えている場合は注意が必要です。

木造の建築費は1平米16万円くらい

2017090801-05
出典:BIT(不動産競売物件情報サイト)

建物は再調達原価に床面積をかけ、さらに現価率をかけて算出します。

再調達原価は、構造と建築年によって1平米あたりの標準的な建築費が決められています。国税庁も相続税評価用に定めています。それによると、平成27年築の物件は、木造が16.5万円/1平米、SRS(鉄骨鉄筋コンクリート造り)が26.2万円、鉄骨造りは19.7万円です。

現価率をかけるというのは、経年劣化分を考慮するということです。建物の構造や材質などから利用可能な年数(耐用年数)を査定し、経過分を差し引きます。この場合は耐用年数が25年、経過後も5%の価値が残ると見積もられ、さらに実地調査によって観察された傷みを考慮して48%と計算されています。

原価法の流れはおおよそ以上のとおりです。競売の場合は、最後に競売市場修正という競売ならではの事情を考慮した調整が入ります。

まとめ

不動産の評価方法のひとつ、原価法を紹介しました。土地を公示地価などから評価し、建物を材質などからあらかじめ決まっている単価×建築面積で計算します。いろいろな実例を見てみたいという人は、不動産競売の物件情報である3点セットを見ることをおすすめします。

各種お問い合わせやご相談はこちら