土地の価格が決まる仕組みと年々地価が上昇するワケ | 不動産投資を考えるメディア

土地の価格が決まる仕組みと年々地価が上昇するワケ

シェアする

土地の価格が決まる仕組みと年々地価が上昇するワケ

2017年7月に、国税庁が路線価を発表しました。対前年変動率は、0.4%増と昨年に引き続き上昇しています。路線価は毎年、7月1日か2日、国税庁から発表されるのですが、その計算の元になっているのは、国土交通省が毎年1月1日に発表している公示地価です。2017年の公示地価は3月の時点で既に上昇しており、路線価も上昇するということがある程度予測できます。路線価はその名の通り土地に面している道路に値段がつくもので、公示地価のおよそ8割になるように計算され、相続税や贈与税の算定基準となっています。

ところで、公示地価がどのように決まるかご存じでしょうか?
不動産投資をする上で、土地の値段が決まる仕組みが分からない状態で購入するのは少々危険です。その物件が適正価格であるかどうかを知るためにも土地の価格がどのように決まるのかについてご紹介します。

公示地価とは?

「公示地価」とは、国土交通省が土地取引の基準や不動産鑑定の基準、公共事業用地の購入価格の算定などを目的として、適正な地価を公示するものです。

全国2万6000地点(2017年)の土地(標準地)で、毎年1月1日に計測した正常な価格をその年の3月に公表しています。公示地価は、取引の基準になる以外にも土地の相続評価や固定資産税評価の基準にもなります。公示地価はあくまで取引の参考にする基準の地価ですので、その価格で取引するわけではありません。そのため、公示地価と取引価格は当然ながら違うことが多いです。

また、不動産取引には、売り手の特別な事情も関わってきて価格に影響を与えることがあります。
たとえば、すぐにでも現金化したいという不動産であれば、とても安く売りに出すこともあるでしょう。そうした様々な事情が重なって、公示地価と実勢価格には差が大きいのです。

基準地価とは?

公示地価と似たものに「基準地価」というものがあります。こちらは都道府県が調査主体となり、1975年から毎年調査が行われています。評価方法などは公示地価とほぼ同じです。唯一の違いは、調査をしている時点になります。公示地価は1月1日ですが、基準地価は7月1日となり、毎年9月20日頃に発表されます。

実際に全国の地価動向を見てみると…?

2017年3月に発表された公示地価の全国の地価動向は、住宅地・商業地ともに2年連続で上昇しています。

東京、名古屋、大阪の三大都市圏では、住宅地は前年並みの小幅な上昇ですが、それに比べて商業地の価格が大きく向上していると分析されています。

商業地の地価が上昇している大きな要因は、インバウンド需要が急増していること。外国人観光客による店舗やホテルの需要が高まっていることにより、土地の取得が進み、地価が上昇しているとみられます。

地価上昇率トップクラスになったのは大阪です。特に道頓堀地区の1地点では前年比41.3%で上昇率は全国1位になりました。

なぜ地価の上昇率が全国1位になったのでしょうか?
大阪は宿泊率の客室稼働率が2016年全国で最も高かった地域です。大阪では今でも手頃で格安なホテルは平日でも予約が取りにくい状態が続いています。ホテルの需要が高い地域では、ホテル用地のための土地取得が行われます。大阪ではオフィスビルなどが、次々にホテル用地として売買されているそうです。

ホテルができるとなれば、外国人向けの商売も賑わいます。飲食店やドラックストアなどの店舗用の土地の取得が高まりました。

たとえば、全国の商業地の地価の上昇率で4位だったのが、心斎橋筋2丁目。コクミンドラッグやダイコク、ツルハなどのドラッグストアが立ち並んでいるエリアで、商業施設関連の土地取得が増えているそうです。

三大都市圏よりも地価が上がった地方四都市

札幌、仙台、広島、福岡の4つの地方都市は大きく地価が上がっています。
その理由として大きなものがインバウンド需要と再開発による利便性の向上です。

たとえば、福岡市の博多駅周辺では、大規模な再開発ビルが相次いで竣工。商業施設の集積が進み、利便性が向上しています。さらに2016年11月に、博多駅前の道路が陥没し、全国的に有名になった地下鉄七隈線の延伸工事。開通は2020年の予定ですが、それに伴う周辺再開発で土地の取得が進み、地価が上昇しています。博多地区の1地点の地価上昇率は26.2%にもなっています。

最近では、訪日外国人向けに日本各地を周遊する豪華客船クルーズツアーが大人気です。その寄港地として知られる博多には多くの外国人が集まり、高いインバウンド需要があります。なかでもホテルや飲食店、劇場などを兼ね備えた複合商業施設「キャナルシティ博多」の周辺の地価は16%の上昇になりました。

一方、住宅地の地価が上がったところで注目されるのは、スキーのリゾート地として有名なニセコエリアを擁する北海道倶知安町。ホテルの従業員向け宿泊施設が足りないため、ニセコエリアにほど近い倶知安町のアパートやマンションの土地取得が進んでいると推測されています。

【参考記事】外国資本の流入が進む「ニセコ」。爆買いによる問題とは?!

まとめ

インバウンド需要による地価の上昇はどこまで続くかわからず、投機的な様相も呈しています。こうしたエリアで投資をするには、先行きが見えづらく、投資のスタイルをよく検討する必要があるでしょう。しかし、博多のように再開発需要によって地価が上がっているエリアは、長期の投資対象先として検討に値するかもしれません。

各種お問い合わせやご相談はこちら