ヤマダ電機の生き残りを賭けた「家まるごと」戦略!新事業リフォーム・ハウスメーカーの中身とは? | 不動産投資を考えるメディア

ヤマダ電機の生き残りを賭けた「家まるごと」戦略!新事業リフォーム・ハウスメーカーの中身とは?

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ヤマダ電機

家電量販最大手のヤマダ電機が現在、生き残りを賭けて新戦略に舵を切っています。

かつては、郊外型店舗を中心にグループ全体で約4400店を展開し、「家電量販の巨人」と呼ばれていたヤマダ電機。現在も業界トップの座は変わりませんが、家電業界の全体の不振により、もはや家電だけでは厳しく方向転換をせざる得ない状況となっています。

この記事では、生き残りをかけたヤマダ電機の「家まるごと」戦略の中身を紹介します。

業績低迷中のヤマダ電機。家電量販から住宅事業へ

家庭用機械小売業販売額
(日経新聞公表データより著者作成)

家電業界全体が不振

上記のグラフを見てもわかるように、2007年から2010年まで拡大傾向にあった家電業界ですが、『エコポイント』終了や地デジ対応薄型テレビの移行の反動で、増減を繰り返しながらも縮小傾向になっています。

デジタル製品の普及と人口減により、将来的にも家電販売業界全体の縮小が見込まれています。特に郊外型店舗が中心のヤマダ電機は人口減の影響を受けやすく、早急な戦略転換が求められる形となりました。

リフォーム人材の社長就任により住宅事業へ転換

家電事業不振により、ヤマダ電機がとった戦略が住宅事業への転換でした。

2011年に住宅メーカー「エス・バイ・エル」を、2012年には住設機器メーカーのハウステックホールディングスを買収し、住宅事業参入への足がかりを作りました。

そして、2018年6月、他の家電量販店でリフォーム事業を手掛けてきた三嶋恒夫氏の社長就任により家電販売業から住宅事業への業務転換の意思を固めました。

新事業ヤマダのリフォーム・ハウスメーカーの中身とは?

ヤマダ電機の「家まるごと」戦略、今後の主軸となるリフォーム事業とハウスメーカーの中身を見ていきます。

リフォーム事業「ヤマダの安心トータルリフォーム」

ハウスメーカー「エス・バイ・エル」と住宅設備機器「ハウステックホールディングス」の買収により展開した「ヤマダの安心トータルリフォーム」。

キッチンやバス、トイレといった内装設備から外壁・屋根・オール電化・太陽光発電まで家に関してのトータルなリフォームを展開していくようです。

住宅設備のショールームと家電、家具を扱った住空間トータルをカバーする「家電スマイル館」を全国の郊外中心に20店舗強展開しています。

現時点での特徴は、トイレのリフォームは7万円~と「LIXIL」や「Panasonic」と比較してもリーズナブルな価格展開。家電量販と同じように、長期無料保証や最長60回金利0円ローンといった支払い保証プランもあります。

■ヤマダの安心トータルリフォーム
http://www.yamada-denki.jp/service/reform/

ハウスメーカー「ヤマダ・ウッドハウス」

「ヤマダ・ウッドハウス」は、安定した品質の注文住宅を手がけていた老舗住宅メーカー「エス・バイ・エル」とヤマダ電機がタッグを組むことにより、低価格の長期優良注文住宅を提案しています。独自の流通システムで、中間マージンを除くことでコストダウンを実現しているようです。

「ヤマダ・ウッドハウス」の目玉となるのが、スーパーフル装備住宅。
住宅にプラスして一流メーカーの家電・家具までフル装備されているというもの。家電量販店が母体のヤマダ電機だからこそできるプランだといえるでしょう。
構造躯体・雨漏り・防蟻・住宅設備に対して10年間の長期保証、有償では最長60年間の保証もあるようです。

■ヤマダ・ウッドハウス
http://yamadawoodhouse.jp/

家電と住宅の相性の悪さを指摘する声も

ビックカメラ

ビックカメラの戦略と比較され…

低コスト・長期保証・家具家電付きというコンセプトで臨んでいるヤマダ電機の住宅事業ですが、この事業転換に危惧する声もあります。

同じ家電販売業界のビックカメラは、「ビック酒販」や「ビックドラッグ」といった雑貨や日用品を組み込むことで来店頻度を上げ、売り場の相乗効果を高める方向に舵を切っています。大きく方向転換したヤマダ電機と違って、少ない投資で家電の落ち込みをカバーすることに成功しています。

その結果は、投資資金でどれだけ利益を上げられるかを図る指標ROE(自己資本利益率)にも表れており、2017年度のROEは、ヤマダ電機が6.3%、ビックカメラが11.74%と、現時点での経営状態はビックカメラに大きく差をつけられています。

「短い商品サイクルの家電と、一生に一度あるかないかの住宅事業を連動させるのには無理があるのではないか?」と、ヤマダ電機の経営方向を危惧する声も上がっています。

まとめ

著者も実際に「ヤマダ住まいる館」に足を運んでみました。2フロアあるうち、入ってすぐがインテリア・リフォーム・カフェのフロア、2階が家電フロアとなっており住宅事業への力の入れ具合が伝わります。
リフォームのショールームや陳列されたインテリア商品は、他のショールームやニトリとの違いはあまり感じることができませんでした。

インテリアフロアのレジの女性に、ヤマダウッドハウスのパンフレットの有無を尋ねたところ「(事業が)いっぱいありすぎて、こちらもよくわかってないんです・・・。」と困惑しながらも一生懸命対応してくれました。今は、家電事業から住宅事業への転換から軌道に乗せるまでの一番苦しい時期。

家電量販業界1位へと登りつめたヤマダ電機が、どのように住宅事業を展開をしていくのか?今後の動向を見守りたいです。

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