レオパレス問題悪化!明らかになる建築基準法違反と隠ぺい体質 | 不動産投資を考えるメディア

レオパレス問題悪化!明らかになる建築基準法違反と隠ぺい体質

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新宿大ガード西交差点

サブリースに端を発したレオパレス問題。2014年1月に設立された「LPオーナー会」が被害者の会を設立することが明らかになりました。

昨年9月に集団訴訟が行われることとなり大きな話題になったレオパレス問題ですが、現在は判決まで1年以上かかると言われる集団訴訟の真っ最中のはず。レオパレス問題に一体何が起きているのでしょうか。

今回は、レオパレス問題の新たな火種となり得る「建築基準法違反」と、集団訴訟のその後や裏で何が起きているのかを追ってみたいと思います。

発覚した建築基準法違反という重大問題

広瀬すずさんが出演するテレビCMでお馴染みのレオパレスですが、実際の物件の質はというと、かねてより「音漏れが酷い」「虫が出る」「備え付けの家具が古い」「退去費用が高い」など、あまり良い評判を耳にすることはありませんでした。

選べる壁紙「my DIY」やスマートフォンで施錠解錠ができる「LeoLock(レオロック)」、他にも遠隔操作可能なスマートホームシステム「Leo Remocon(レオリモコン)」など、最先端技術を積極的に導入してきたレオパレスですが、実際の口コミを見る限りでは建物の品質に疑問が湧いてくるのが正直なところです。

そんな疑問が明確になった今回の建築基準法違反という重大問題。報道発表によると、主に問題になっているのは界壁(かいへき)という音漏れや火災時の延焼を防ぐ壁が屋根裏に設置されていなかったというものです。

それだけでなく、本来1階から2階を通して天井裏にまで達していなければいけない界壁が1階と2階で途切れていたり、界壁両面に防火材を施さなければいけないところ片面だけだったという事も報告されています。

これまでサブリース問題で対決姿勢を見せていたレオパレスですが、さすがに今回の件に関しては、建築基準法違反の疑いがある事を認めており、既に自社で調査を始めています。しかし、その調査の途中経過を見る限り、事態はかなり深刻であることがうかがえます。

レオパレスに大打撃!損失は22億円!?

驚くべきことに、本件で既に調査が始まっているレオパレスが施行した「ゴールドネイル」と「ニューゴールドネイル」シリーズについて、184棟中168棟に界壁が無いことが確認されています。

その割合、実に90%以上。両シリーズの棟数は全国に1000棟ほどあると言われており、もし9割の建物に界壁が無かったのだとしたら900棟以上が建築基準法違反の建物という事になります。

また、上記2シリーズ以外の建物についても調査が始まっていますが、調査が終わっているのは1万3791棟中290棟。その内、13%ほどにあたる38棟で何らかの不備や界壁無しの確認されているのです。

そこから試算すると、今後、建築基準法違反を含めた何らかの不備が見つかる可能性がある建物は約1800棟。更に、レオパレスでは上記以外の全国の3万8千棟もの建物を調査すると言っていますが、低く見積もって不備があるのが全体の1割だったとしても3800棟という何とも恐ろしい数字が算出されます。

もしそのような事態になったとしたら、レオパレスにとって大打撃。そこに追い打ちをかけるように、一部メディアの取材を受けた同社の担当によると、界壁は1枚15万ほどであり、1棟に対し4枚必要になるとのこと。つまり、1棟あたり60万円の費用が必要になります。

もし3800棟全ての補修をレオパレスが行うのだとしたら「60万円×3800棟=22億8千万円」という巨額の損失を出すことになります。今回の問題で、アパート建築の発注が減少することは間違いないでしょうし、補修工事費用で22億円もの損失が出るとなれば、経営にも影を及ぼしかねません。

そして、レオパレスの公式ホームページに掲載された、今回の事件におけるニュースリリース。文面最後にはこんな一言があります。

「当社の業績に与える影響について、現時点においては軽微であると考えております。」

事件発覚後、レオパレスの株価は急落

レオパレスの業績はというと、平成30年3月期決算で148億円の純利益。たとえ22億円の損失があっても何ともなさそうだという声も聞こえてきそうです。

過去に、積水ハウスが60億円を超える詐欺事件に巻き込まれましたが、蓋を開けてみればそんな事件も全く業績に響いていないかのような決算内容で、その快走ぶりが話題になりました。

しかし、積水ハウスの純利益は1300億円超え。レオパレスとは一桁の違いがあり、今回発覚した事件による損失と業績の悪化は免れないでしょう。そんな状況を嫌気し、980円ほどあった株価は急落。本記事執筆時点で最高値から3割下落の690円付近を推移しています。

株価暴落とLPオーナー会による被害者の会設立、そして明らかに大きな損失が出る試算がある中で、レオパレスの田尻専務は記者会見でこのような事を述べています。

「コスト削減や工期短縮を狙った意図的な手抜きではない。」

そして、このタイミングでレオパレスの公式ホームページにリリースされたレオパレス21「攻めのIT経営銘柄2018」に2年連続選定といったニュースも気になります。

レオパレスは、本当に事態の重大さを理解しているのでしょうか。そこで、一昨年から続くレオパレスに対するサブリース訴訟について調べていくと、会社の体質を疑う事実が次々と発覚してきました。

明らかになる「恫喝」と「隠ぺい体質」

今回、被害者の会を立ち上げたLPオーナー会。サブリース訴訟を起こした団体であることはご存知の方も多いかと思います。しかし、LPオーナー会でどのような活動が行われ、裏ではどんな苦労があるのかを知る人はあまり多くありません。

そこで、LPオーナー会の公式ホームページにある活動内容や報告を見てみると、以下のような事実があったとするニュースを確認することができました。

  • 2018年06月02日 (界壁問題に対し)社長のお詫び掲載新聞など会社としての謝罪姿勢が見られない
  • 2018年05月31日 NHKから取材の申し出を受けたところ、「取材するなら(建物の)調査は中止する!」とレオパレス幹部からの電話。その後、「だまし討ちですか?だまし討ちですか?」と連呼、恫喝された。
  • 2018年02月18日 昨年8月と今回、建物のガス会社切り替えに際し、レオパレス社の佐藤社員から切替え先ガス会社にFAXを送るなどの妨害を受けた。
  • 2017年11月27日 レオパレスに対し脅迫に依る合意の無効訴訟の提訴(内1名が一人で在宅中、レオパレス社員が突然訪問。帰って欲しいとお願いするも長時間の居座り、苛立ちながら大声で減額を要求。恐怖心からやむなく減額に応じた)
  • 2017年10月05日 LPオーナー会の研修会場に潜入し、会議内容や配布資料などを見聞きして会場から消え去った人物がおり、後日その人物がレオパレス社員と判明(10月2日週刊現代より)

この内容が事実であれば、異常ともとれる会社の体質に驚かれる方も多いのではないでしょうか。

恫喝や隠ぺいだけでも一企業としてあってはならないことですが、妨害やスパイ行為まで行っているとは、もはや会社全体が一から出直すべきと言われてもおかしくありません。広瀬すずさんのCMで爽やかさを全面に出している裏で、後ろ暗い気持ちで勤務する社員もいるかもしれません。

免れない行政処分!?レオパレス問題、今後の展望

さて、ますます悪化の一途を辿るレオパレス問題ですが、もし不備や建築基準法違反のある建物が多数見つかれば、その損失は巨額になります。それだけでなく、レオパレスは家賃減額要求に絡んで以下のような集団訴訟も起こされています。

「家具家電未払い請求集団訴訟」
請求額:約5億7200万円
「建物メンテナンス契約不履行集団訴訟」
請求額:約3億9000万円
「プロパンガス設備工事代金返還請求集団訴訟」
請求額:約2億4000万円

引用:LPオーナー会パンフレット
http://leopalace-owner.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/hpb-media/2018yearspamphlet.pdf

その他にも、前述のスパイ疑惑についても訴訟を起こされており、もしこれら全ての訴訟でレオパレス側の敗訴となった場合、更に10億円以上の損害賠償が発生する可能性があります。

またLPオーナー会では、レオパレスの営業停止や建設業許可取消しなどの行政処分の請願を国土交通省に提出する方向で動いており、5月18日には共産党議員と共に国土交通省へレオパレスへの調査や指導などの対応を求めています。更に事態は5月21日の閣議での質疑応答にまで発展し、国土交通省の石井大臣は「必要であれば建築士を処分する」と答えています。

果たして、建築士の処分だけで収拾できる問題なのでしょうか。レオパレス問題の根深い問題は今後更に悪化していくのではないか、そんな予感すらさせます。

まとめ

先日のスマートデイズ破綻でサブリース会社の経営体制の問題も一旦の節目を迎えたかと思いきや、以前からくすぶっていたレオパレス問題が、ここへきて大きな事件へと発展してきました。

一部では、この世論の流れを「浄化される良いチャンス」と見る向きもあり、確かに、膿み出しという視点で考えれば不動産業界の転換点と言えるかもしれません。しかし、仮にレオパレス問題が解決したところで、水面下で動く悪質な不動産業者が完全に消えることはないでしょう。

民法改正が行われたばかりではありますが、こういった機会に、サブリースや悪質業者によるトラブルを解消する、国による新たな法改正を望むというのが多くの方の意見ではないでしょうか。

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