1.7人に1人が事故物件OK!?調査結果から見る心理的瑕疵物件の需要 | 不動産投資を考えるメディア

1.7人に1人が事故物件OK!?調査結果から見る心理的瑕疵物件の需要

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不気味な物件のイメージ

先日、住宅情報サイトSUUMOと弁護士ドットコムの共同調査による、事故物件調査が行われたのをご存知でしょうか。
事故物件というと、一般的に事故死や自然死だけでなく、自殺や他殺といった人が死亡する事件が起こった心理的瑕疵物件のことを指しますが、今回行われた調査では実に意外な結果が出ているのです。
事故そのものについては哀惜の念に堪えないところではありますが、かといって不動産オーナー様にとって物件への悪影響をそこまで懸念する必要はないかもしれません。

今回は、そんな事故物件に対する一般の方の意識と、そこから読み取ることができる心理的貸し物件への需要について考えてみましょう。

事故物件を探している人が意外と多い!?

今回の調査は、賃貸住宅に住んでいて部屋探しの予定がある400人に対して行われたものです。
昨年12月中に行われたものですので、最近の意識を反映しているホットなものとして考えてよいでしょう。
その400人に対して「事故物件という言葉を知っている?」という質問をしたのに対し、結果は以下のようになります。

  • 知っている・・・64.3%
  • 何となく知っている・・・31.8%
  • 意味は分からないが聞いたことがある・・・3%
  • 知らない・・・1%

では、実際に事故物件に住んだことのある人がどのくらいいるのかという調査結果も見てみましょう。

  • 住んだことはない・・・59.8%
  • 分からない・・・34.8%(事故物件かどうか未確認)
  • ある・・・5.5%

これらの調査から分かることはただ一つ。
「事故物件というものは知っているが、住んだことがない」という人が大半を占めるという事です。
そもそも、心理的瑕疵物件自体がそこまで多いものではありませんから、物件探しをしても心理的貸し物件が紹介される事自体少ないということが調査結果の要因であると考えられます。また、不動産会社には告知義務があるために心理的瑕疵物件と知らされた時点で入居を断念する人が多いだろうという事も容易に想像できます。

では、事故物件に住んだことがあると答えた5.5%の人は何故事故物件に住むことになったのでしょうか。
実は、この疑問に対する調査結果も出ており、驚くことに31.8%の人が「もともと事故物件で探していた」と答えているのです。
他にも「不動産広告で知った18.2%」「内見などの際に業者から聞いた18.2%」「住んだ後に近隣の人に聞いた18.2%」「事故物件サイトで知った9.2%」「知人や家族などから聞いた4.5%」という結果が出ているのですが、この結果がどうであれ、400人の5.5%、つまり400人中22人が事故物件に住んだことがある上に、その中の「もともと事故物件で探していた31.8%」「不動産広告で知った18.2%」「内見などの際に業者から聞いた18.2%」の3つを「事前に心理的瑕疵物件と知っていた」と仮定すると、22人の68.1%である約15人が心理的瑕疵物件と知っても契約をしたという事になります。

1.7人に1人が心理的瑕疵物件でも条件次第で契約する!?

では、仮に400人の内見が決まったとして、その中から契約に結び付く確率はどのくらいあるのでしょうか。
400人の内見とはあり得ない話かもしれませんが、少しでも契約へ結びつけるために確率的な視点で見ていくと意外な事が分かります。

今回の調査では事故物件と分かっても条件次第で検討するかどうかといった質問もしており、400人のうちの平均40%の人が「検討する」と答えています。つまり、400人中160人が検討すると言っていることになりますので、確率的に考えてみると「2.5人に1人」が事故物件でも契約をする可能性があるという事になります。
また、上記では事故物件でも条件次第で検討する人を平均40%として計算していますが、同調査を細かく見てみると235人が事故物件でも条件次第で検討すると答えていると記載しています。
これは、筆者とアンケートを集計した側での算出方法の違いではありますが、400人中235人となると更に確率はアップし、1.7人に1人は事故物件でも条件次第で検討すると答えているという事になりますから、事故物件でも内見と条件の合致さえあれば契約に結び付く可能性は十分にあると言えそうです。

とはいえ、同質問では自然死や病死、事故死、自殺、他殺といった状況に分けて質問しており、病死や自然死が48%を超えているのに対して、自殺や他殺の場合は25%以下となっていますので、心理的瑕疵物件となった内容により差があることは覚えておきましょう。

心理的貸し物件でも検討範囲に入る条件とは?

さて、では心理的瑕疵物件でも検討してもらうための条件とはどのようなものなのでしょうか。

同じく今回の調査では、その点についても質問がされており、なんと92.8%の人が「家賃が相場より安い」という条件を選んでいます。
続いて多いのが「交通の利便性」、そして「リフォーム済み」「間取りや広さ」「設備」「築年数」と続きます。
家賃の安さが事故物件でも検討するダントツの理由になっていることを見ると、仮に自分が所有する物件が事故物件になってしまったからといって、何もかも諦める必要はないと勇気づけられる結果となっています。
ただ、家賃はオーナーにとっての大事な収入源です。家賃をどのくらい下げれば契約に繋がるのでしょうか。
ありがたいことに、同調査ではそんな気の利いた質問もしており、以下のような結果を開示しています。

8万円の物件でどのくらい家賃が安ければ検討する?
相場より10%安い・・・6.9%
相場より15%安い・・・4.1%
相場より20%安い・・・15.1%
相場より25%安い・・・17.4%
相場より30%安い・・・33.5%
それ以上安い・・・22.9%

安ければ安いほど良いというのは誰しも同じ意見だとは思いますが、あまり安すぎると逆に不安になるのか、それとも日本人特有の忖度なのかは分かりませんが、2~3割程度値下げした家賃であれば半数以上の人が検討しても良いと答えていることは驚くべきことではないでしょうか。

まとめ

今回は、事故物件に対する一般ユーザーの意識調査の結果から推測できる心理的瑕疵物件の需要についてお話させていただきました。
本記事内では何度か「意外」という言葉を使いましたが、実際の調査内容を見てみれば、筆者だけでなく「事故物件=経営終了」というイメージを持っていた方も少なくないでしょうから、意外という言葉を使いたくなるも当然です。
しかし心理的瑕疵物件である限り、それを告知しないわけにはいきません。心理的瑕疵物件であるという告知期間についても明確に定められた法律が存在しませんので、一度入居者さえ入ってしまえば、次の入居者には説明義務が無いという慣例的なルールに則った契約がされています。
「1度入居している」という事実を作るために知り合いを短期間入居させる「事故物件ロンダリング」なる言葉まで出てきているほどですので、事故物件だからといってネガティブになり過ぎず、どうしたら契約に結び付くかといった工夫をされたほうが、無駄なトラブルを未然に防ぎ、入居者との信頼を得られる長期的な収支に繋がると言えるのではないでしょうか。

参考:弁護士ドットコムニュース「事故物件調査」
https://c-1012.bengo4.com/n_7470/

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