大塚家具の新戦略。スターマイカ社との提携による不動産とリユース家具のセット販売とは? | 不動産投資を考えるメディア

大塚家具の新戦略。スターマイカ社との提携による不動産とリユース家具のセット販売とは?

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リノベーションした内装と家具のイメージ

家具専門店の大塚家具が、昨年リノベーション事業を行うスターマイカ社と提携し、不動産に家具を付けてセット販売する新戦略を展開しています。株価も右肩上がりの成長を見せるスターマイカ社のリノベーション事業とはどのようなものなのでしょうか。大塚家具の新戦略について迫ります。

会員制システム廃止と大型店舗の閉鎖

2014年、経営権争いで一躍話題になった大塚家具ですが、その後事業戦略を変更し、売り上げの回復に取り組んでいます。大塚家具の象徴的な営業スタイルとなっていた会員制システムをやめ、大型店舗を閉鎖し、カジュアルなイメージへの転換を図っています。そういった改革をせざるをえなかった原因の1つは、大型店舗の大きな家賃負担でした。

大塚家具の営業スタイルであった会員制システムは、店舗にきた顧客のヒアリングを受付で済ませ、希望の家具に詳しい担当が同伴して店内を案内するというものでした。しかし、この方法では顧客の要望に応えられる全ての家具を揃えておかなくてはならないため、どうしても大型店舗になるのは避けられません。大型店舗の家賃負担は次第に経営を圧迫していきました。

リノベーションとリユースの融合

従来のスタイルから脱却しなければ経営の存続も危うい状況だった大塚家具は、次々と大型店舗を閉鎖し小型店舗へ移行、会員制も廃止しました。そうして、リノベーション事業を行っているスターマイカ社と提携することになったのです。

スターマイカ社は東京都内にあるリノベーション事業を行う会社で、東京証券取引所の一部上場企業です。大塚家具はスターマイカ社の物件に家具をセットで販売する戦略に出ました。

注目すべきは、大塚家具は新品ではなく、客から引き取ったリユース家具をセットにして再販している点です。リユースといっても、修理が必要なものは修理され、リメイクされていますので、非常にきれいな状態で使用できます。そもそもリノベーション物件を購入する層ですので、家具などのリメイク品を好んでいる可能性もあります。

大塚家具が会員制で販売していた時期は、結婚や引っ越しを機に家具を購入したい層にアプローチして成功していました。受付でヒアリングするので、目的がわかり、担当が落とし所をわかって案内できるという点はとても強みでした。

今回は不動産とのセット販売ではありますが、やはり結婚や引っ越しを機に賃貸から分譲へシフトする層をターゲットとしてセット売りしている点では同じと言えるでしょう。

スターマイカ社のビジネスモデル

通常のリノベーションは空室の物件を購入し、付加価値を付け再販しますが、スターマイカ社が行っているリノベーションは、購入時点では賃借人がいるという点で大きく異なります。賃借人がいる物件=オーナーチェンジ物件ということになり、通常の空室物件と比較していくつかのメリットがあるのです。

1つは安く購入できるという点です。おおよそ空室時の売値より10~20%位は安く購入できます。さらに、すでに家賃収入がありますので、所有していても手元資金はそうかからないというメリットもあります。

さらに、販売時にもスターマイカ社は利益を拡大する工夫をしています。スターマイカ社は一棟買いし、退去した部屋からリノベーションしていきます。その後、販売時には空室の状態で区分販売していきますので、購入時との利益の差はさらに大きくなります。

例えば、47室ある1棟物件を一括販売した時の売り上げと47室を別々に区分販売した場合の売り上げ総額とでは後者の方が当然大きくなります。スターマイカ社のビジネスモデルは「市場のギャップを活かした投資」とホームページにも記載があるように、マーケットに生まれる目に見えにくい差を利益にしています。

オーナーチェンジ物件は、内見せずに購入するという点で、設備状態がわからないなど投資物件としてのリスクは大きいです。しかしスターマイカ社の事業は、空室になった部屋からリノベーションして販売することが目的ですので、比較的リスクは少ないと言えます。

スターマイカ社の行っている事業はリノベーション業界に生まれたユニークなビジネスモデルと言えるでしょう。会員制を廃止し、進化したビジネスモデルに至った大塚家具ですが、スターマイカ社と共に今後の更なる進化に期待したいところです。

まとめ

大塚家具がスターマイカ社との提携を発表したほぼ同じ時期に、家具専門店のニトリが中古住宅販売会社のカチタス社に出資することを発表しました。ニトリの場合は戸建てに家具をセットし販売するというものです。大塚家具との大きな違いは、ニトリはリフォーム事業に出資をして取り組むという点です。どちらもライフイベントである不動産の購入時にセット販売する点では共通しています。いつの日か家具専門店が本格的に不動産業界に参入というニュースが流れる日が来るかも知れません。

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