大東建託まで集団訴訟?!歯止めがかからない大手建築会社への告発

20190321

2018年に建築基準法違反が告発されたレオパレス21に続き、ここ最近「大東建託が集団訴訟を起こされるかもしれない」という話題が出始めています。大東建託に関する問題については、一部マスコミのコラムやブログ等で取り上げられることはありましたが、レオパレス21の事件を契機に、各メディアの本格的な粗探しが始まった印象が否めません。今回は大東建託について何が問題視されているのかを知るため、集団訴訟の詳しい内容をご紹介しつつ、サブリース問題との関連性等を調査しました。

大東建託に起こされる集団訴訟の概要

まず、大東建託に起こされる集団訴訟とはどのような内容なのでしょうか。あまり大きく報道されないため見逃しがちな情報ですが、実は新聞社やメディアの多くがその事実を伝えています。報道内容を簡単にまとめると以下のようになります。

  • 契約前のアパートオーナーとの間で、申込金が返還されないトラブルが起こっている
  • 契約前の施工に対する請求もあり、解約時における被害額は数百万円という大きな金額の事例が多い
  • 契約書に「申込金を返還しない」と記載されており、宅地建物取引業法に違反する可能性がある
  • サブリース被害対策弁護団には同じトラブルで200件以上の相談が寄せられている
  • 内閣総理大臣の認定を受けた「消費者機構日本」が大東建託を提訴する予定

■出典:夕刊フジ「大東建託、契約トラブルの真相 オーナー激怒!解約後も申込金返却されず… 広報部「経費除いて全て返金している」
日経新聞 「大東建託の情報提供を」 消費者機構、契約実態調査
NETIB-NEWS 賃貸アパート首位、大東建託に吹きつける逆風 「サブリース商法」が槍玉に

大東建託が提訴されるというのは、消費者機構日本(COJ)が情報提供を求めているという事実に基づく推測になります。消費者機構日本とは、消費者団体訴訟制度による、利益保護を目的として消費者の代わりに差止請求権を行使できる「特定適格消費者団体」として、2016年に日本で初めて内閣総理大臣の認定を受けた組織です。

特定適格消費者団体による差止請求の流れは、「情報収集」に始まり、権利行使の相手となる事業者に対して裁判前に2度の「交渉」を行い、いずれの交渉も不成立となった場合は、裁判所へ訴えを起こすことになります。そして今回の大東建託の消費者トラブルは、複数回の交渉の末に交渉が成立せず、今まさに消費者機構日本が裁判前の情報収集を行っている段階なのです。

訴訟までの流れと大東建託の動き

では、大東建託へ集団訴訟が行われる可能性に関して、消費者機構日本と大東建託の間でどのような交渉が行われたのか、もう少し具体的に解説します。

2018年2月 消費者機構日本からの申し入れ

契約書にある以下の内容は、大東建託の負担を消費者へ転嫁する内容であり、消費者契約法や民法に即さない一方的で消費者負担の重い内容であるため、消費者機構日本が大東建託へ削除を求めました。

  1. 工事の注文が契約に至らない場合、申込金は諸経費に充当されるものとして返金請求しない事を承諾する旨
  2. 契約の解除にあたって申込金の放棄と共に、これにより生ずる請負者の損害をオーナーが補償する旨
  3. 施工業者が善管注意義務をもっても避けられない損害額をオーナーに負担させる旨
  4. 工事完了後の瑕疵担保責任の損害賠償請求の期間を民法に反して短期間に制限する旨
  5. その他、サブリース契約に関してどのように消費者に説明しているか資料を求める

2018年3月・5月 大東建託からの回答

  • 「1.」について…「契約に至らない場合は、申込金は地盤調査等費用等に充当されることを承諾する」に変更
  • 「2.」について…「申込金の放棄」の部分のみ削除
  • 「3.」について…却下
  • 「4.」について…却下
  • 「5.」について…内容説明の上で資料添付

上記日以降(日付不明) 消費者機構日本による情報提供のお願い

上記回答に対して以下の申込金等の請求を行ったものの、大東建託から「返還しない」との回答があったため、消費者機構日本は実態把握のために大東建託へ情報提供を求めました。

  • 地盤調査を行っていないのに申込金や調査費充当後の残額を返還しなかった金銭を返還すること
  • その他返還すべき契約一時金があるなら、その金銭や残額を返還すること

昨年2018年から消費者機構日本と大東建託の間で合理的な話し合いがされていたことが分かりますが、結果として大東建託は返還すべき金銭を返還しないと結論付けており、消費者機構日本が提訴に向けて情報収集を行っていることが分かります。上記の内容は以下ページで詳しく説明されており、情報提供を行う窓口も紹介されています。

■参考:消費者機構日本 大東建託株式会社との建物建築工事の注文を撤回、及び建築工事請負契約を解除した方へ情報提供のお願い

サブリース契約問題との関連性は?

さて、不動産投資関連の話題として「サブリース契約」に関して何か動きがあるのか気になるところです。消費者機構日本がサブリース契約に対しても疑念を抱いている様子は、大東建託への申し入れ内容でサブリース契約に関する資料を請求していることからも伺い知ることができます。

大東建託のサブリース契約問題が無い訳ではなさそうですが、今回のトラブルに関してはサブリースに関わる問題は特に取り上げられておらず、建築工事請負契約における金銭トラブルがメインとなっています。以下のダイヤモンド社の記事によると、サブリース契約の中で行われるはずの建物の修繕が行われないばかりか、不要な工事で通常の3倍にもなる工事費用を搾取していることが大東建託の社員へのインタビューで暴露されています。

■参考:ダイヤモンド・オンライン「大東建託現役社員が悩む、オーナー泣かせの建物管理問題」

更に、同時代社という出版社から「大東建託の内幕」という本が出版されており、サブリース契約のノルマに追い立てられた社員が犯罪にまで手を染めてしまう壮絶な闇について語られています。その内容の一部が以下の記事でも紹介されています。

■参考:大東建託の“ブラック暴露本”、内容がヤバすぎると話題に…GPSで24時間移動を監視、成績の悪い建託士は立木に向かって100回謝罪

そして同書の著者である三宅勝久氏は、大東建託から「名誉毀損であるから、出版の中止と回収を行い、今後発行しない誓約書を出せ」という内容証明が送られてきていることを以下の記事で語っています。

■参考:MyNewsJapan『大東建託の内幕』の出版を中止せよ――大東建託から版元に内容証明届く “訴訟ちらつかせて批判封じ”作戦も、逆効果か

他にも大東建託のサブリース契約について、「一方的な解約」や「家賃の値下げ」というよく耳にするトラブルがあったとする匿名のインタビューを掲載する記事は多く、これらが真実だとすると、レオパレス21と同等もしくはそれ以上の問題に発展する可能性すらあります。

「やりすぎ営業」と言われる手紙まで公開される

これまでサブリース問題を話題にする際メインとなってきたのは、入居者の見込めない地方に建てさせられる木造アパートや、数年後にサブリース契約の解約をちらつかせた家賃の値下げ請求といったものが主でした。時には不当に高いリフォーム工賃を請求するという事例が暴露されることもあります。

ただ、地主に対する営業方法が問題だとして取り上げられることは皆無ではないものの、それをメインとする記事はそれほど多くはありません。そこで、そもそも大東建託のサブリース契約にまつわる営業手法を問題として取り上げる記事がないか調べてみたところ、過去にTwitterで拡散されたことのある大東建託の社員から高齢の地主宛てに送られた手紙の内容がNAVERまとめで公開されていました。

■参考:NAVERまとめ「【胸糞】大東建託の営業マンが汚い字の手紙で老人を優しく恫喝 経緯をわかりやすくまとめてみた」

手紙の内容を要約すると以下のとおりです。

  • プライベートな悩みは私達が解決する
  • 税理士に相談しても所詮は他人事としか考えていない
  • 銀行が融資すると言っているのだから問題ない
  • このままでは家族を苦しめることになる

手紙の受取人である高齢者の地主である女性は、元々所有していた古いアパートが悩みの種になっており、たまたま大東建託の営業電話に対応したために、上記の手紙が送られてきたとしています。営業電話の後、話はいつの間にか所有アパートからアパートの建築にすり替わっており、心配した家族がもう連絡しないように伝えたところ、手紙を送ってきたというのです。

情報元のツイートは現在削除されていますが、既に多くのブログ等で紹介されるまでに広く拡散されています。手紙の最後には「私は占いを信じている」という正気とは思えないようなことまで書かれており、「情弱ビジネスだ」という声も多く上がっています。

レオパレス21の話題せいで目立たないのか、広告主など利害関係があるからか定かではあませんが、各マスコミが大東建託を糾弾する様子はありません。しかし、これだけ多くの告発的な情報が出ているのであれば、いつ大きな問題として取り上げられてもおかしくはない状況と言えるでしょう。

まとめ

以前にも本サイトでは、大東建託の違法労働の実態などについて以下の記事でご紹介しています。

今度は大東建託!不動産会社に根ざす違法労働の実態
2018年6月上旬、大東建託が違法残業等により、労働基準監督署から是正勧告を受けました。 先日、本サイトでは建築基準法違反があったと発...

大東建託の社員が犯罪に走るだけでなく、自殺にまで追いやられているというのは事実であり、今回ご紹介した「大東建託の内幕」という本の内容も全て事実なのではないかと思えてしまいます。大東建託は2019年の仲介数ランキングで1位を取りながらその裏では様々な違法行為が疑われていますが、もしかすると現在、不動産業界の次なるスクープとして大東建託の名が一面を飾るまさに一触即発の状況なのかもしれません。

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