今度は「遮音性と耐火性」またも建築基準法違反が発覚したレオパレス21 | 不動産投資を考えるメディア

今度は「遮音性と耐火性」またも建築基準法違反が発覚したレオパレス21

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2018年5月にテレビ東京「ガイアの夜明け」が報じたレオパレス21の建築基準法違反の問題について、企業としての信頼を損なう決定打とも言える新たな問題が発覚しました。

それは「遮音性と耐火性の基準を満たしていない」「国に申請したものとは違う施工を行っていた」という事実です。

さらに「ガイア砲第3弾」と呼ばれるレオパレス21を告発する報道の中で、真摯に対応しているとは言い難い事実も分かってきています。

日を追うごとにレオパレス21の実態が浮き彫りになってきていますが、これまでの報道内容のポイントを分かりやすくお伝えしつつ、今回発覚した問題と違法建築の実態、そして問題発覚を受けたレオパレス21の株価などについて解説します。

報道内容の概要とこれまでの経緯

レオパレス21にまつわる問題はこれまでにも幾度となく様々なメディアで報じられていますが、一向にその体質が改善される様子はありません。

今では「悪」のような存在にされてしまったサブリース契約に関する問題点も、全国のオーナーがレオパレス21を相手に集団訴訟を起こしたことが発端です。

当サイトでもレオパレス21の建築基準法違反の問題の経緯を始めとして、各社で報じられた記事から見えてくる隠ぺい体質や社員による恫喝などについてご紹介してきました。

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これまでもレオパレス21の建物や設備の質に関しては、一般ユーザーのクレームにも近い声が非常に多く、ついに昨年5月、その証拠とも言えるレオパレス21による建築基準法違反が発覚しました。

テレビ東京の「ガイアの夜明け」がスクープし、同社も建築基準法違反を認める記者会見を急遽行ったのです。

それ以降、違反があったと思われる建物の全棟調査を進めてきていたはずのレオパレス21ですが、「ガイアの夜明け」が今年2月5日の放送で再び新たな問題を告発したのです。主な内容は以下の通り。

・全棟調査なんてほとんど終わっていない。同社ホームページに記載の報告書は虚偽である
・補修の必要はないと報告されたが、調べてみると問題となっている壁は隙間だらけだった
・2012年に同様の問題で訴訟を起こされており、2018年まで知らなかったという経営陣の話は虚偽である
・そもそもこういった問題を隠しながら公募増資を行ったことも株主を裏切る行為である

その2日後、レオパレス21は同報道を否定することなく、別の話題にスイッチするかのように「新たな不備が発覚した」とのプレスリリースを発表します。その主な内容は「壁に使用していた建築部材が発泡ウレタンだった」というものです。

違法な使用が発覚した「発泡ウレタン」とは?

建築部材は各部位に対して様々なものがあります。例えば、今回レオパレス21が発表した「発泡ウレタン」というのは、壁の内側などに詰める断熱材の一つです。

「断熱効果があるなら良いことでは?」と思われるかもしれませんが、問題は素材そのものではなく、「使っていた部位」と「公的に申請した設計図とは違う素材を使用した」ということです。

住宅に使われる断熱素材の代表格に「グラスウール」というものがあります。グラスウールは細かなガラス繊維をマット状にして袋に詰めたようなもので、壁の内側に張り付けて使われます。

レオパレス21-グラスウール

それに対し発泡ウレタンというのは、ウレタン樹脂に発泡剤を加えたものです。一見すると発泡スチロールのように見える素材ですが、壁の内側にスプレーで吹き付けて使用します。

レオパレス21-発砲ウレタン

どちらも断熱素材としては有効的ですが、実はグラスウールに比べて発泡ウレタンの遮音性は大変低く、耐火性も劣ります。

発泡ウレタンを使用してはいけないという決まりはありませんが、そもそも遮音性や耐火性において基準以下であることや、当初はグラスウールを使用するとして建築確認申請を出していたにも関わらず、違う素材を使っていたこと自体が大問題なのです。

レオパレス21は他にも、天井にも耐火基準を下回る施工が見つかったとのプレスリリースを出しました。

ただ、これらの事実をレオパレス自らが公表したとしても、様々な疑惑が報道されている事、常に後出し報告という状況から、どれが真実なのか分からないと感じる人は多いのではないでしょうか。

国土交通省も動いた!違反のあった箇所

レオパレス21の建築基準法違反について国土交通省も動いており、今回発覚した問題点を以下のようにまとめています。

〈壁について〉
壁内部に「発泡ウレタン」が使用されており、建設省告示による遮音性能に規定する「グラスウール」ではない
〈外壁について〉
1時間準耐火構造、45分準耐火構造、防火構造の外壁にする必要があるところ、「外壁のサイディングの取付方法」や「外壁の下地材の間隔」などが、国土交通大臣認定の仕様とは違う
〈天井について〉
1時間準耐火構造の床とする必要があるところ、床の下にある天井(つまり2階の床下である1階の天井)が、「強化石膏ボード12.5mmと化粧石膏ボード9.5mm」または「化粧石膏ボード9.5mmのみ」となっており、国土交通省告示の1時間準耐火構造に規定する仕様である「強化石膏ボード12mm以上とロックウール吸音板9mm以上」ではない

つまり、遮音性と耐火性において建築基準等に照らし合わせて仕様が異なるということです。

例えば、壁に使われていた発泡ウレタンについてですが、そもそも建築基準法と建設省告示では以下のように「グラスウール」を使用することを明確に定めています。

建築基準法第30条
共同住宅の各戸の壁は天井裏に達するものとし、遮音性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。

建設省告示第1827号 第2の2「下地等を有する壁の構造方法」
下地等を有する壁は、その構造が次の各号のいずれかに該当するものとする。
(中略)壁の厚さが10センチ以上であり、その内部に厚さ2.5センチ以上のグラスウール、またはロックウールを張つたもの

この事実に対し、レオパレス21では以下のように見解を述べています。

〈界壁における不備の発生原因〉
当時、昭和45年建設省告示第1827号によって界壁の断熱材について使用素材がグラスウール又はロックウールと定められておりましたが、発泡ウレタンの方が断熱性能及び価格において上位素材にあたり、告示に適合すると誤認していたことが原因と考えております。

■レオパレス21「新たに確認された不備について」
https://www.leopalace21.co.jp/info/news/2019/0207.html

「断熱性と価格がグラスウールより優れるから基準に適合すると認識していた」とのことですが、建設省告示第1827号は遮音性能に関することですので、断熱云々とは違います。

そしてもう一つ、大変気になる記載もあります。

当時、建築現場における作業効率向上を検討しておりました。その際、外壁の留め付け作業(サイディングと強化石膏ボード)と、界壁の留め付け作業(両側の石膏ボード)を簡略化する方法として、発泡ウレタンの粘着性を利用した固定方法を採用し、本パネルの製造に至りました。

■レオパレス21「新たに確認された不備について」
https://www.leopalace21.co.jp/info/news/2019/0207.html

「作業効率を上げるためにサイディング(装飾された壁の板)を発泡ウレタンの粘着性を利用して固定している」

サイディングは釘や金具でしっかり固定されるのが一般的ですが、それをしていなかったのは作業効率を上げる以前に手抜き工事と捉えられても仕方がないことかも知れません。建築業界に携わる人がこの事実を知った時、果たしてどう思われるでしょうか。

大暴落確定の株価と同社の対応

前回の建築基準法違反の発覚で既に下落していたレオパレス21の株価ですが、今回の新たな問題発覚で同社の株価に更なる追い討ちをかけました。

レオパレス21-株価

昨年5月頃まで1000円近くあった株価は、最初の建築基準法違反の発覚以降、下げ止まることなくジリジリ下降し続けてきました。

こういった相場の世界では、ある程度値を下げた後、必ず底で買われる動きが出ます。上記のチャートでも昨年10月頃に一時値を戻したことがわかりますが、そのままチャートは上向くことなく、年末に向けてさらに下落しました。

そして追い打ちをかけるように、今回の問題発覚で更なる勢いで急落しています。

本記事執筆時点では株式市場が休場中のため、この先の動きはまだ不明ですが、株価が上向かずに更に急落してしまうと、その後も継続して下落するのが大方のパターンです。

つまり、1000円近くの水準にあった株価は「大暴落」と見なされる、もしくはそれが確定したような状況ということです。

今回、新たに発覚した建築基準法違反への対応として、レオパレス21は以下の対応を決めています。

〈入居者への対応〉
同社の管理物件かどうかにかかわらず、レオパレス21の費用負担で引っ越ししてもらう
〈レオパレス21を所有するオーナーへの対応〉
・補修工事に関わる費用を全額負担する
・入居者の引っ越しで発生した空室賃料を全て補償する

そもそも、ガイアの夜明けが報じていた「建物の調査は全然終わっていない」ということが事実なのか、もし事実なのであれば、上記の対応を本当に行うかどうかが懸念されます。

不動産テックを始めとして様々なサービスを展開してきたレオパレス21ですが、未だ判決の出ない集団訴訟などもあり、諸問題の解決までの道のりは程遠い状況です。

もはや同社だけで全ての問題を解消できないところまできているのかもしれません。

まとめ

元々レオパレス21の物件については、「建物内の音漏れに関するもの(多数)」「入居させたくない客はレオパレス行き」「エアコンが勝手に切れる」といったネット上の書き込みが溢れており、「レオパレス伝説」という名前まで付けられています。

今回発覚した建築基準法違反の内容は、結果的に上記の書き込みを自ら証明したような形とも言えます。

遮音性もないがしろにはできませんが、人命に直接関わる耐火性や防火性の面で違法建築があったというのは、決して軽視できることではありません。

引き続きレオパレス21の今後の動きに注視していきたいところです。

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