スルガ銀行に一部業務停止命令。金融庁が下した処分と市場の反応は? | 不動産投資を考えるメディア

スルガ銀行に一部業務停止命令。金融庁が下した処分と市場の反応は?

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スルガ銀行に一部業務停止命令。金融庁が下した処分と市場の反応は?

「オマエの家族皆殺し!」

これは実際にスルガ銀行の一連の事件を調査した第三者委員会が公表した事実に基づくものです。スルガ銀行内で実際にあったパワハラがセンセーショナルに報道されてから約1ヶ月。これまでに何度も本サイトで取り上げてきたスルガ銀行の不正融資問題に一つの区切りが付きました。

10月2日、日経新聞により「スルガ銀、一部業務停止へ」という報道がなされましたが、ある意味、誰もが予想した結果だったのではないでしょうか。今回は金融庁により下された処分内容と市場がどう反応したかなどをまとめてみたいと思います。

一部業務停止命令!スルガ銀行に下された処分

今回、各報道機関によって明かされたスルガ銀行に下された処分。報道機関により明かされた金融庁が下した処分内容をまとめてみたいと思います。

  • 投資用不動産向けの融資業務を数か月停止する命令
  • ガバナンス崩壊に対する抜本的な対策、再発防止策を求める業務改善命令
  • 預金業務の継続は認める
  • 関係行員の再教育や研修をさせる必要があると判断

「毎日ローンのノンストップ運動をやっており、途切れたり、数字ができなかった場合に、ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族皆殺しにしてやるといわれた。上司を目の前で土下座させて謝罪させた。いすの背面をキックされた。」

■引用:スルガ銀行「第三者委員会の調査報告書の受領と今後の当社の対応について」
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf

第三者委員会の公表文は実に318ページにも及んでいますが、某大手家電メーカー内にあった売り上げ優先のパワハラ問題なんて目ではないほどの壮絶な実情があったことが発覚しています。不正、パワハラ、証拠隠滅といった数多くの問題を抱えたスルガ銀行の実態は、上記のリンクでも確認できますので、一度ご覧になってみてください。

直近のスルガ銀行の動き

今回の一部業務停止命令が出てから本執筆時点で2日経ちましたが、スルガ銀行側はどう反応しているかというと、実際の処分をまだ受けていないという理由で「ノーコメント」の状態です。皮肉るようですが、これまでのマスコミへの対応などを見ている限り、逆に通常営業と言うべきかもしれません。

とはいえ、さすがに公式サイトには何らかのコメントを出しているのではないかと考えアクセスしてみるも本件に関しては梨のつぶてでした。先月25日に開設された「投資用不動産ローン等の問題について」という特設ページに関しても、「第17回企業文化・ガバナンス改革委員会を開催いたしました」ということ以外は何の更新されていません。

唯一「新送金サービスMoney Tapの取扱開始に関するお知らせ」という新サービスの情報が更新されているのみで、一部業務停止命令の報道に関するコメントや方針について新しい情報は一切更新されていませんでした。最終的な行政処分が下されてから今後どういった経営方針とするのか決めていくという事かも知れません。

報道が明らかになった後の株価は?

さて、当サイトではこういった事件が発生する度に、世間の反応が表れやすい株価をご紹介していますが、今回の一部業務停止命令により株価にどう影響があったかを見ていきたいと思います。

8358 スルガ銀行 7/2~10/1

以下の記事でもご紹介した通り、株価は今年1月から下落の一途を辿り、昨年1月に2779円あったものが今年9月に478円まで下落しました。最高値から8割以上も下落したということです。しかし、ここ最近で気になる動きがあります。どうやら投資家がこの下落をもって底値と判断している様子があるのです。下記の出来高グラフをご覧ください。

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スルガ銀行株の出来高

ご覧の通り、ここしばらく誰も手を出さなかったスルガ銀行株の出来高が、突如大きく伸びています。これまではせいぜい数百万株ほどの出来高だったものが、10月3日に関しては1億4千株を超えています。アナリストや投資家の間では「倒産はない」との見方が強く、現状の株価が実体に対してかけ離れた安さであると判断されて機関投資家による買いが入っているものと考えられます。

不動産業界への影響と世間の反応は?

一部業務停止命令と無反応のスルガ銀行、そして株価に表れた投機的とも言える異常な動き。上記に加え、スマートデイズ事件発覚後からスルガ銀行の一部業務停止命令に至るまでに、有名不動産会社が廃業に追い込まれていたことをご存知でしょうか。スルガ銀行の事件のあおりを受けた会社、それが「株式会社水戸大家さん」です。

水戸大家さんとは、峯島忠昭氏が立ち上げた不動産会社です。一般に三為業者の代表格とも言われていますが、顧客の利益を度外視した詐欺的な商法とは違い、社員と顧客の目線で経営する収益用物件の専門会社。かなり投資家の間では評判も良かったようです。

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しかし、水戸大家さんは三為業者だっただけに、スマートデイズの事件をきっかけにスルガ銀行が不動産融資をストップしたことで売り上げに大きく影響しました。スルガ銀行の審査の緩い融資が受けられないとなれば売り上げがダウンするのは当然のことで、色々と悩みぬいた末に廃業を決断されたとのこと。スルガ銀行の事件が与えた不動産業界への影響を体現したような格好です。

そんな話も踏まえて、最後にスルガ銀行の一部業務停止命令に世間がどう反応しているのかTwitterの一部をご紹介いたします。

なかなか辛辣な意見が並びますが、それだけをピックアップしたのではなく実際に厳しいコメントしか見受けられませんでした。他にも「なぜ業務停止で株価が上がるの?」といった意見もチラホラ見られましたが、これは上記のとおり、これまでの下落の中で今回の一部業務停止命令が織り込み済みであったという証拠でもあるでしょう。

恐らくシェアハウス関連の騒動は、スルガ銀行の一部業務停止命令を機に少しずつ沈静化していくのは無いかと思われます。但し、事件が他の地銀の経営に大きな影響を及ぼさなければですが…。

まとめ

最後に、地銀への影響を匂わせましたが、金融庁はスルガ銀行の件を機に全国の地銀に対する調査を開始することを決めています。先日、株式会社TATERUがやはり不正を行っていたという事もあって、不動産業界の闇は深いと判断したのかもしれませんが、地銀にまで何か影響が及ぶのだとすれば投資用不動産融資はますます厳しくなるでしょう。

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実は、地銀の不動産融資が明らかに低迷していることは調査済みではありますが、その件はまた別の記事にてご紹介させていただきます。

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