ついに始まった!金融庁が全国の地方銀行の不動産融資を調査開始! | 不動産投資を考えるメディア

ついに始まった!金融庁が全国の地方銀行の不動産融資を調査開始!

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kasumigaseki

今年2018年に入ってから、次々と発覚した不動産業界と銀行による書類改ざんや不正融資という問題。先日8月31日には、不動産テック企業大手の「TATERU」までもが金融機関に提出した書類を改ざんしていたとして、今まさに大問題へと発展するかという渦中にあります。

そしてついに金融庁が動きました。一体何が起こったのかを速報でお伝えします。

報道内容の概要

現執筆時点で分かっていることは以下の通りです。

  • 金融庁が不動産向け融資について調査を検討
  • 対象は全国の地方銀行
  • 調査内容は融資総額と審査体制

キッカケとなったのは、周知の通り「スルガ銀行の書類改ざん、不正融資」という実態が発覚したためです。

現在のところ報道では「検討」レベルではありますが、スルガ銀行だけではなく、先日発覚したTATERUによる書類改ざんもあった事から、全国規模で何らかの調査がされることはほぼ間違いないと考えられます。

不正融資事件の経緯

当メディアでも幾度に渡ってお伝えしていますが、ここまで問題が大きくなったのは、「かぼちゃの馬車」というブランドでシェアハウス物件を販売していたスマートデイズ社が、多額の負債をオーナーに抱えさせたまま破綻したことに始まります。オーナーらの負債は多くのケースで1億円を超えています。

この事件が発覚した後、スルガ銀行の不正融資が根本的な問題ではないかとの疑惑が持ち上がり、スマートデイズ社だけでなく、ゴールデンゲイン社、ガヤルド社、その他アパート物件の融資についても不適切融資があった事が次々と発覚しました。

この他にもスルガ銀行はデート商法や悪質な不動産投資案件と知っていながら関与していた疑いが出ています。

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スルガ銀行には既に金融庁の調査が入っており、近日中に調査結果が明かされ、行政処分が下されるとしています。

そして冒頭でお話した通り、今度は山口や広島エリアでは有名な西京銀行をパートナーとしていたTATERU社がアパート購入を勧めていた顧客の預金残高を改ざんしていたことが発覚しています。

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これも金融庁調査のきっかけになったかは不明ですが、金融庁が全国の地方銀行を調査対象としていることから、スルガ銀行に続いて西京銀行への疑いも免れないでしょう。

調査対象の地方銀行は?

さて、今回の金融庁の調査対象となる全国の地方銀行ですが、一体どこまでの範囲となるのでしょうか。

一般社団法人全国地方銀行協会のホームページを確認したところ、全国の第一地方銀行は64行。一般社団法人第二地方銀行協会においては47行ある事が確認できますので、全国の地方銀行は合わせて111行にもなります。

スルガ銀行だけでも調査に数ヶ月かかりましたので、北海道から沖縄まで津々浦々に広がるこれら地方銀行を調査するのに一体どれ位の時間と手間がかかるのかと考えると気が遠くなります。

そんな調査のボリュームを考えると、報道にあるように単に融資総額と融資体制を各行に報告させるだけの簡単なものになる可能性も否めませんし、時間をかけてじっくり調査していく可能性もあります。

金融庁の調査で地方銀行はどうなる?

では、調査結果として悪い材料の出た地方銀行はどうなるのか。当然、悪質性が高ければ行政処分は必至でしょう。例えば、過去に銀行が受けた行政処分には以下のようなものがあります。

【2018年7月】
株式会社東日本銀行が不正融資、顧客から不適切な手数料を徴収していた、その他虚偽報告などがあったとして、ガバナンス(管理体制や統治)の見直しと改善を行う業務改善命令、同時に、その改善案の提示と定期的な報告が義務付けられました。
【2013年12月】
みずほ銀行が反社会的勢力との取引がある事を知っていながら放置していたとして、4者提携ローンの業務停止命令。
【2011年】
シティバンクが投資信託の不適切な勧誘を100件以上も行っており、かつ目論見書すら提示していない事例も多く発覚したとして一部業務停止命令が出されました。なお、現在は三井住友フィナンシャルグループに営業譲渡されています。

語弊があるかも知れませんが、スルガ銀行の事件を考えると、これから調査される地方銀行で不適切な融資が数件見つかっても、東日本銀行の行政処分のように軽めの処分で終わるのではないかと考えられるのが正直なところ。

しかし、悪質性が高いと判断された場合は、不動産融資の業務停止命令が下される地方銀行が出てくる可能性も十分にあります。メガバンクが不動産投資ローンから手を引いたと言える状況の中、不動産投資家にとって頼みの綱だった地方銀行が融資の引き締めを始めたらどうなるか。

  1. 不動産投資でローンは期待できない(融資がおりない)
  2. サラリーマン投資家が激減する
  3. 不動産投資会社が破綻する
  4. 不動産関連株価が暴落する
  5. 不動産バブルが終焉を迎える

そんな不動産業界の暗い未来も想像に難くありません。

まとめ

筆者も不動産業界の内情についてよく知っていることから、スルガ銀行事件が大きくなるにつれて、いつかこの日が来るだろうとは思っていました。

現在は書類改ざんや不正融資はスルガ銀行を発端としている風潮がありますが、これは何もスルガ銀行だけの問題ではないことも知っています。不動産や金融業界に書類改ざんや不正取引が当然に行われていることを知る人も少なくないのではないでしょうか。

今回のような金融庁の調査をきっかけに「日銀の低金利政策の悪影響から逃れるための地銀の処世術だった」する向きも現れそうですが、どちらにせよ、ついにこの日がきたかと思わせる事態にまで発展したことで不動産業界を始めとした各市場の混乱はすぐ目の前まで来ているかもしれません。

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