新事実も発覚!株価80%下落で揺れるスルガ銀行事件の経緯まとめ | 不動産投資を考えるメディア

新事実も発覚!株価80%下落で揺れるスルガ銀行事件の経緯まとめ

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まさに「スルガショック」直前かもしれません。

「かぼちゃの馬車」「シェアハウス」「スマートデイズ」この3つのキーワードに関連して必ず登場してきた「スルガ銀行」ですが、一連の「不正融資問題」が最終局面を迎えつつあります。当メディアでも度々スルガ銀行の話題を取り上げていますが、未だ完全解決への道筋は不透明なまま。

スルガ銀行の融資体制が大きく問題として取り上げられたのが今年2月頃のこと。その後、半年経過した現在までに分かってきたことを時系列でまとめました。

一連の事件の経緯

周知のとおり一連の事件の発端は、既に破綻したスマートデイズ社によるシェアハウスブランド「かぼちゃの馬車」が、家賃収入ではなく新規売り上げとスルガ銀行の融資による自転車操業だったという実態が発覚したことに始まります。スマートデイズ社が1億円という多額の借金を負った多数のオーナーの意向を無視してサブリース家賃の支払いをストップしたのです。

家賃の支払いをストップせざる得なくなった理由は、スルガ銀行による融資の停止。この事件が発覚した当時、スルガ銀行はシェアハウス投資の危険性に気づかないまま次々と融資をしたものの、途中でスマートデイズ社への融資をストップしたことから「マズイ状況」に途中で気付いたのではないかとされています。

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融資を受けられなくなったスマートデイズ社は家賃の支払いをストップ。当然、借金を負ったオーナー達はこれを詐欺だとして集団訴訟に踏み切りますが、その途中で「どうやらスルガ銀行が審査書類に改ざんがある事を知りながら見逃していたようだ」という疑惑が持ち上がり、一気に事件が大きくなったのでした。

その後も「スルガ銀行自体が書類改ざんを推奨していた」「デート商法にも関与していた」「不動産投資のほとんどで書類改ざんがあった」「金融庁による立ち入り検査」などなど、スルガ銀行のガバナンスはまるで機能していないといった事が次々と報道されるに至ったのです。

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事件後のスルガ銀行の株価は?

さて、スルガ銀行の動向が見える一つの指標として「株価」があります。以前、下記の記事でも直近の高値から50%もの下落を記録したとお伝えしました。

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では、上記4月26日の記事にてお伝えした4月18日前後からのスルガ銀行の株価が現在までどのように推移しているか見てみましょう。

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4月26日時点で既に50%下落したとお伝えした後、一旦1600円付近まで戻しましたが、その後の3か月間で更に55%以上も下落し、当記事執筆時点で563円となっています。一時は2000円以上の高値圏にあったとは信じられないほど暴落しています。敢えて最高値からの騰落率を示すなら、実に80%も下落したということになります。

これまで地銀のトップとして走り続けてきたスルガ銀行は他地銀と同等の株価。この下落の裏に何があったのかを時系列でまとめてみたいと思います。

【5月中旬】スマートデイズ以外の事件発覚とトカゲのしっぽ切りに対する金融庁の警告

5月15日、米山社長が会見し、発端となった事件に関連する融資残高が1200人以上、合計2000億円を超えることが分かり、通帳の改ざん、二重契約書を作っていたことが発覚したと発表しました。

更に同時期、スルガ銀行事件の経緯を知っている役職員を退職させたり解雇させているという事実も発覚。スマートデイズ社の事件の経緯をよく知っているはずの支店長らが3月には退職しており、他役職員らも退職の意思を示していることが判明したのです。

それに対して「検査から逃げるための工作だ」として、金融庁が異例の警告を出しました。金融庁は同時に「悪質と判断されれば刑事事件にする」とまで言っていたことから、業界の緊張が高まった瞬間でもありました。

【5月下旬】スルガ銀行自体が不正の温床か?

5月24日、今度は東京商工リサーチが独自に入手した書類により「スマートデイズ問題を起こした横浜支店以外にも、ガヤルド社に関連した融資でも問題が発覚した」と報じました。ガヤルド社の問題でもサブリースを前提としたミニアパートの建築が、建築費支払い後にストップしているというのです。

これを機にスルガ銀行の不正問題がどうやら横浜の支店だけでなく、会社全体で恒常的に行われているのではないかという向きが強くなり、本事件を調べる第三者委員会も他の支店やシェアハウス融資以外についても調査を進めるとしました。

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【6月、8月】LINEのやり取りまでバレた!スルガ銀行行員による見返り要求

6月27日、そしてまだ日も浅い8月20日、不動産会社とスルガ銀行行員との間で行われたLINEのやり取りがITmediaが運営する「ねとらぼ」で公開されました。まず6月に公表されたLINEのやり取りは以下のようなもの。

  • 「介護資金という前提でフリーローンを組ませたいから、融資対象者の両親の住民票を用意してほしい」
  • 「エビデンス(資産高)を5500万円から5700万円に変えてほしい」

これらの要望に不動産会社の担当者もすんなり対応しており、本事件の担当弁護士によると、このLINEを送ったとされるスルガ銀行行員は「自分の送ったものだ」と認めたとのことです。

■ねとらぼ:「かぼちゃの馬車騒動」スルガ銀行員の“ローン偽装”指示LINEを入手 黒幕は計画倒産詐欺師と銀行か
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/26/news121.html

そしてさらに8月20日にはこんな記事まで出ました。

  • 「顧客にスルガ銀行のクレジットカードを作らせてほしい」
  • 「(普通は行員が経費で落とすが)地方営業の際の交通費は不動産会社で出してほしい」

■ねとらぼ:スルガ行員からの「融資の見返り要求」LINE入手 第二の“かぼちゃの馬車”「ガヤルド事件」の裏側を元従業員と販売会社が激白
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1808/20/news044.html

ねとらぼではこれらの事実を書面にて質問していますが、スルガ銀行側の回答はそれらをほぼ全否定した内容となっています。

【6月下旬、7月下旬】株主総会&スルガ銀行合併報道

6月下旬に行われた株主総会では、当然ながら怒号が飛び交ったとのこと。株主総会では「シェアハウス関連融資の96%で何らかの不正が確認された」との被害者側の弁護団からの発言があった事や、危機管理委員会より「審査部門が営業から脅されて審査していた」との発言があったようです。最終的に半ば強制的に会を終了させたことに被害者弁護団は「不誠実だ」と語っています。

■東京商工リサーチ「スルガ銀行 3時間を超える株主総会ドキュメント」
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180629_02.html

そしてその約1ヶ月後。スルガ銀行会長の岡野氏の昨年度の役員報酬が約2億円であったことが文春オンラインで報じられます。報道では別の地方銀行との合併を示唆する内容もあり、地銀関係者の発言を含め、いよいよスルガ銀行の行きつく先が見えてきたかのような記事となっています。

■文春オンライン「不正が発覚しても……スルガ銀行の“ドン”岡野会長の報酬は2億円」
http://bunshun.jp/articles/-/8211

【8月中旬】不正の総合商社!?スルガ銀行の止まらない負のループ

スルガ銀行行員による顧客の定期預金の不正流用

ここまでシェアハウス問題で多くの不正事実が発覚してきたスルガ銀行ですが、今月8月に入って全く関係のないところで実に呆れる事実が発覚しました。

なんと、『本店に勤務する融資担当の行員が顧客の定期預金を無断解約した上、それを取引先への融資金として流用し、更に自身でも着服していた』のです。スルガ銀行は既にこの行員を懲戒解雇とし、横領、詐欺で刑事告訴する方針としています。

一部業務の停止命令の可能性。発覚の止まらない不正

ここまでの流れを経てもなお、スルガ銀行事件の負のループは止まりません。8月14日には金融庁が不動産融資業務の一部に関して停止命令を検討し始めたことが報道されました。そして今さら感はありますが、シェアハウス以外の投資用アパートの融資においても不正があった事も発覚します。

しかし、問題はこの後。朝日新聞が報じたところによると、シェアハウス問題で不正融資が行われた案件が、なんと全体の99%にもなるというのです。スルガ銀行による不動産投資関連の融資は実に2兆円に上ると言われていますので、仮にその9割以上が不正融資だったとすると1兆8千億円という額が不正に融資されてきたという事実が発覚する恐れも出てきたとも言えるでしょう。

■朝日新聞デジタル「シェアハウス融資、99%承認 スルガ銀、審査機能せず」
https://www.asahi.com/articles/ASL8S5471L8SUUPI00C.html

【8月下旬】創業家である岡野会長と米山社長の辞任報道

最後となるのが、直近のサプライズとなる「創業家である岡野会長の辞任」の報道です。全く機能していなかったガバナンスや不正の蔓延を防げなかった責任を取り、全ての役職から退くとのこと。同時に米山社長ら経営陣の責任についてもこれから話し合われるようです。

岡野家が作ったスルガ銀行の歴史がここで終わるのか。やはり他の地方銀行との再編がなされるのか。恐らくこれらの事が今後の報道のネタになっていくのではないかと予想されます。

まとめ

今回は、シェアハウス問題を機に発覚したスルガ銀行の呆れた融資実態について、これまでの報道をまとめてみました。改めてここまでのポイントを簡単に見ておきましょう。

  • 事件発覚後、株価が80%下落
  • 証拠隠しの為、関係役員を退職させた
  • スマートデイズ社以外の案件や他支店でも不正融資が発覚
  • LINEのやり取りで見返り融資がバレた
  • 怒号飛び交う株主総会。そして岡野会長の辞任、スルガ銀行身売りの噂
  • 行員による顧客資金の不正利用
  • 岡野会長辞任

これまで各メディア・報道機関がスルガ銀行に対して一連の事件に関する取材や質問をしてきましたが、都合の悪いことはあっさり否定するか、答えないかといった対応ばかりが目に付きました。株主総会の件然り、証拠隠しの為の役員辞職然り、そして本店の行員による顧客定期預金の不正流用然り、一連の事を考えると、スルガ銀行の信用は地に落ちたと言われても仕方ないのかもしれません。

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