牧場ど真ん中に新幹線の駅!2031年開業の北海道新幹線「新八雲駅」とは? | 不動産投資を考えるメディア

牧場ど真ん中に新幹線の駅!2031年開業の北海道新幹線「新八雲駅」とは?

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2031年に延伸開業される北海道新幹線。今回その延伸される最初の駅となる「新八雲駅」がどうやら非常に面白いことになりそうです。なんと、新八雲駅が牧場のど真ん中にできるというのです。そこで、新八雲駅とは一体どのような駅でどこに作られるのか、なぜ牧場に作ることになったのか、周辺エリアの不動産開発はどうなのかといった事を調べてみました。

■デイリー新潮「牧場の中に新幹線の駅ができる!? 北海道八雲町「常識破り」の整備計画」
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/08140731/?all=1&page=1

北海道新幹線と新八雲駅の概要

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■著作権者 Hisagi (氷鷺)氏
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Map_of_Hokkaido_Shinkansen.png

「新八雲駅」というのはまだ仮称ですが、現在既に運行されている北海道新幹線の新青森~新函館北斗駅の路線が延伸された最初の駅となるものです。その上を走るのは、東京駅や大宮駅でもおなじみの東北新幹線「はやぶさ」が走る予定。正確には、区間によりE5系、H5系という違いがあるようですが、先端の長い形状をしたあの新幹線が走るということをイメージしていただければ差し支えありません。延伸開業は2031年とされており、新八雲から先は「長万部(おしゃまんべ)駅」「倶知安(くっちゃん)駅」「新小樽駅(仮称)」「札幌」という順で北上していきます。

八雲町自体は人口約1万7千人、8500世帯ほどの街で、東京都の大島の人口と世帯数の倍程度、世田谷区で例えると各町の1~5丁目までを合わせた程度の規模になります。毎年の観光客はおおよそ320~350万人ほど。太平洋側にJR八雲駅や市街が広がり、他はほとんど山といった地形です。

今回のテーマである新八雲町駅は、JR八雲駅から東へ3㎞、歩いて30分ほどの場所にあります。1日の乗降客数は500人程度を見込んでいますが、場所としては市街地から完全に離れているため農地や牧場などが広がるのみ。牛舎や倉庫がポツリポツリとあるだけで、悪く言えばド田舎、良く言えばのどかな雰囲気の広大な土地が広がっている町といったイメージです。

それにしても、何故このようなヘンピな場所に駅を作ることになったのか。その謎を探る前に新八雲駅周辺の様子をご紹介したいと思います。

「新八雲駅」の周りは牧草地と山

では、今回のテーマである北海道新幹線の新駅「新八雲駅」はどこにあり、どんな場所なのでしょうか。調べたところ、以下の場所であることが分かりました。

住所:北海道二海郡八雲町春日81-3付近
地図URL:https://goo.gl/maps/Akusq7ecBQQ2

地図を見て驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、これは八雲町が正式に公表している地図や情報を基にGoogleマップにて特定した場所です。予定地として公表されているものの、どちらにせよ市街地から3㎞も離れた場所であるため、正式決定で多少ズレたところで周りの風景は変わらなさそうです。では、この場所の実際の風景を見てみましょう。

「新八雲駅北側」

「新八雲駅南側」

近所に牛舎もありますので牧場ということで間違いなさそうですが、とにかく「ここに駅を建設するのか」と驚かれた方も多いかと思います。こうなると実際に新八雲駅が開業したらどのようなものになるのかが気になってきますが、八雲町のホームページにある新幹線推進室のページなどから完成後のイメージに迫ってみたいと思います。

新八雲駅の具体的イメージ

通常、新幹線の新駅の開業となると、商業施設やホール、オフィスビルにホテルにマンションと、様々な建設を伴うため、税収増加や不動産市場の活況、人口流入と増加、外国人観光客の増加といった経済効果が期待されるはず。周辺が牧場とはいえ、今回ご紹介する新八雲駅もきっと周辺地域の開発が行われるのだろうと思いきや、そんな思惑を見事に裏切る方針であることが分かりました。八雲町の公表する「北海道新幹線新八雲(仮称)駅周辺整備構想」を見てみると、新八雲町駅の開業に伴い建設される建物やイメージは以下のようなもの。

「駅舎」
・約1000㎡
・ホール、キヨスク、駅務室、トイレ、休憩コーナー
・ユニバーサルデザインの導入
「情報交流館」
・約500㎡
・「道の駅」に相当する機能及び面積を想定
・ユニバーサルデザインの導入
「駅前広場」
バス停、タクシープール、送迎車用スペース
「駐車場」
普通車駐車場200台分、バスなどの大型車駐車場20台分(計10000㎡ほど)
「施設イメージ」
駅舎及び情報交流館は、周辺の美しい豊かな自然環境と調和するようデザイン性に優れ、ゆったりと伸びやかな空間構成を基本とし、冬季にも日差しのあふれる温かみのある空間構成を図る

■出典:八雲町「北海道新幹線新八雲(仮称)駅周辺整備構想」
http://www.town.yakumo.lg.jp/modules/shinkansen/content0027.html

現在、大きな施設等の建設予定はなく、上記にもある通り「道の駅」程度のものとするようで、新八雲駅の出口は東側のみ。更にイメージ図などが無いかを探してみたものの、公式にはまだ発表されておらず、先日北海道新聞が報じた記事をツイートしているものがありました。

以上のように、「建物がほとんどなく、出口の向こうには牧草地が広がるという」これまでに見たことのないインパクトのある駅を想定していることが良く分かります。

なぜ牧場に作ることに?

さて、北海道新幹線の新駅である新八雲駅がなぜ牧場に作られることになったのか気になるところです。駅周辺整備構想を読み進めても具体的な理由は記載されておらず、むしろ「周辺地域の発展に繋がる」と建設を伴う開発をうかがわせる言葉すらあります。

そんな「なぜ?」を解消するために改めて冒頭で紹介した記事を読んでみると、取材による町の担当者の発言に以下のようなものがあった事が分かります。

「牧場の中にある駅を想定。」
「(上記について)委員から賛同が得られた。」
「観光型の牧場というより、本物の放牧地を整備する案で検討している。」
「新駅は牧草地。自然環境の保護が最優先です。」
「駅を出ると、目の前に柵に囲まれた放牧地と立派な牛がいるというイメージを現実化していく。」
「開発を抑制した駅整備を実施した自治体がないか可能な限り探したが、1つも見つからなかった。」

これらの発言を見るに、八雲町は「他に類を見ない自然環境と完全に調和した日本で唯一の駅」を目指しているのだろうということが分かります。よって、新八雲駅にはビルやホテルなどが一切無い完全な牧場の駅として、北海道観光の目玉となりそうな予感もします。ローカル線であれば農地や海を見渡せる駅などで有名になったところもありますが、まさか新幹線の駅が牧場のど真ん中に作られるとは誰が予想したでしょうか。

新駅開業とは切っても切れない関係にある不動産や商業といった経済活動から完全に逸脱した駅。過疎化が進む町は全国に多くありますが、以外にも今回の新八雲駅のようなケースは、そんな人口の減った町を潤わせる地域発展の新しい手法として注目される日がくるかもしれません。

まとめ

本記事中にもありますが、本来は新駅の開業となると必ず不動産市場の分析や周辺地域、そして住環境や家賃相場といった話になるはずですが、新八雲駅の特性上、それらの言葉を使う機会がほとんどありませんでした。実際に不動産価格がどうなるかと予想したところで、牧場はそのまま残されるのですから、不動産価格の高騰だの家賃相場云々という話にはつながらないだろいうということは明らかです。とはいえ、こんな何もない駅にフラッと降りてみると、不動産開発という点で一種のパラダイムチェンジのような発想やヒントが得られるかもしれません。

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