続発する大和ハウスの問題!建築基準法違反だけでなくTikTok動画炎上も

不動産業界ニュース
大和ハウス

近年、立て続けに発覚した不動産業界の不祥事。サブリース問題や銀行融資に関わる不動産業者の不正に始まり、今度はレオパレスの建築基準法違反が取り沙汰されています。

悪い流れを払拭したい不動産業界ですが、追い打ちをかけるように今度は日本を代表する住宅メーカー「大和ハウス」まで不正建築が発覚。建築物のクオリティは高く、見た目にも好まれるデザインの住まいを提供していた同社ですが、一体何が起こったのか。

今回は大和ハウスの建築基準法違反を始め、これまでに発覚した問題の概要、経緯等を解説します。

大和ハウスでも行われていた建築基準法違反

大和ハウスの建築基準法違反が発覚したのは2019年4月12日のこと。突然、大和ハウスのホームページに以下のプレスリリースが公開されました。

戸建住宅・賃貸共同住宅における建築基準に関する不適合等について

このたび、弊社は内部通報により、弊社が建設した戸建住宅・賃貸共同住宅の一部の建物において、建築基準に関する不適合等を指摘され、社内で調査をしてまいりましたが、その結果が判明いたしました。弊社は本日(2019年4月12日)、下記2点を国土交通省へ報告いたしましたので、ご報告いたします。今後弊社は、国土交通省ならびに特定行政庁及び関係行政機関のご指導の下、お客様へご説明させていただき、必要な改修工事を行います。弊社の建築基準に関する不適合等により、お客様ならびに関係者の皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけすることとなり、心より深くお詫び申し上げます。

■引用:大和ハウス工業のニュースリリース一覧

大和ハウスの発表した主な違法建築に関する内容は以下の通りです。

  • 2階の廊下を支える柱に防耐火処置を施す仕様をしていなかった
  • 2階の廊下を支えるL字型の柱に型式適合認定に合致しない部材を使用していた
  • 戸建・賃貸住宅の基礎について、型式適合認定とは異なる高さの基礎を用いていた
  • 最終的に建築基準法違反に該当する建物は3763棟におよぶ

「型式適合認定」というのは、予め国の認定を受けた仕様であれば時間と手間のかかる建築確認の審査を簡略化できる制度。つまり、型式適合認定を受けた部材を使わなければならなかったのに、それを使っていなかったのが大和ハウスの建築基準法違反の概要です。具体的には、大和ハウスが公表した問題個所の図を見ると分かりやすいでしょう。

■出典:戸建住宅・賃貸共同住宅における建築基準に関する不適合等についての原因究明及び再発防止策について

■出典:戸建住宅・賃貸共同住宅における建築基準に関する不適合等についての原因究明及び再発防止策について

次々と発覚する大和ハウス絡みのトラブル

大和ハウスで発覚したまさかの建築基準法違反ですが、ニュースリリースにもある通り、発覚は内部通報がきっかけ。しかし、内部通報があったのは3年前ということで、かなり時間が経過してからの発表です。

レオパレスの建築基準法違反が発覚するまでにかかった時間は内部で認識されてから20年ですから、大和ハウスの3年はそれほど悪質とは言えないかも知れません。しかしながら、違法建築である事実には変わりありません。

今回発覚した不適切な建築内容も、直ちに建物の不具合に直結するものではないため、さほど問題ではないとする意見もあります。確かに建築基準法違反のみであれば、ここまでの騒ぎにならなかったのかも知れませんが、実は大和ハウスでは別の問題が次々と発覚しているのです。

大和ハウス一連の不祥事の経緯
2018年12月住所や氏名、契約書情報が記載された個人情報を紛失。国土交通省への報告と該当する249名の顧客へ謝罪し、状況報告を行う

■参考:お客様情報の紛失事故についてのお知らせ

2019年1月大和ハウス工業の元所長による4000万円の所得隠しが発覚。2018年7月に自主退職させていたことが判明

■参考:日本経済新聞 大和ハウス元所長が所得隠し 国税局指摘、取引先から4000万円

2019年3月中国にある合弁会社の内部で巨額の不正流用が発覚。当事者3名は国外へ逃亡しており、大和ハウスは回収できない117億円を損失計上

■参考:中華人民共和国の関連会社における不正行為に関するお知らせ

2019年6月社員によるメール送信のミスにより69名の顧客情報が入ったデータを誤送信。誤送信したメールは発覚後に即時に削除の対応を行う

■参考:2019年6月6日 関東地区におけるお客様情報の紛失事故について

2019年6月自社の賃貸マンションにある「受水槽」の中で協力会社の社員が泳ぐ姿が動画アプリTikTokで拡散され炎上。謝罪文を報道関係者のみに送り、住人にペットボトルの飲料水を配る

■参考:日本経済新聞 受水槽泳ぐ不適切動画、作業員が撮影 福岡

特に1月に発覚した元所長による所得隠しは非常に悪質。一部メディアでは「キャバクラ嬢を金で買い、都合が悪くなって切り捨てた上に訴訟を起こして金を巻き上げている」と伝えています。これは裁判記録などから判明した事実とのことで、元所長の実名まで発覚しています。

大和ハウスの不祥事発覚による株価推移

約半年あまりの間に次々の不祥事が発覚した大和ハウス。あまりにも低レベルと言わざるを得ないコーポレートガバナンスで、今までの社会的な信頼は地に落ちたと言われても仕方ありません。

企業の不正や事件が報道された時、その影響を視認しやすいのが株価です。そこで、2018年後半に起きた顧客情報流出事件からの大和ハウスの株価推移を見てみましょう。

一時は3666円の高値を付けていた大和ハウス工業の株価ですが、立て続けに起こる事件を嫌気して2844円まで急落。年初来高値から実に22%以上も下落しています。6月に入ってからは比較的に安定しているようにも見えますが、再度急落する可能性は十分に考えられる局面です。

大和ハウス側の見解と今後の対応措置

大和ハウスにおける一連の事件、内部不正、建築基準法違反。株価が再急落するトリガーはいつでも引ける状態です。今後、大和ハウス側の対応は非常に重要な意味を持つと言えるでしょう。今回特に問題となった建築基準法違反に対して、大和ハウス側は以下の対応を行っています。

  1. 取締役員の減俸処分
  2. 社長直轄の「法令遵守・品質保証推進本部」を創設
  3. 代表取締役、他役員の人事異動
  4. その他外部調査委員会による提言

大和ハウスが現時点で正式に発表しているのは「1.~3.」まで。外部調査委員会の最終報告が6月半ばだったこともあり、他の対策については社内で検討中と考えられます。また、4月に先行して発覚した建物(1,878棟)の不備は、既に所有者への状況報告と安全性の確認が完了済み。これは比較的素早い対応と言えます。

気がかりなのは、大和ハウスの不正が本当にこれで終わりなのかどうか。不正が発覚した企業は、まるでお約束のように「叩けばホコリが出る」状況になりがちです。古くから根付く悪い社内風土は、奥深くに巣食うカビのように簡単に払拭されることはありません。東京オリンピックのオフィシャルパートナーとして、早期の信頼回復が求められます。

まとめ

近年、立て続けに発覚する不動産業者の違法建築問題や書類改ざん問題。実は明るみに出ているのは氷山の一角で、内心いつ発覚するかと戦々恐々としている不動産業者はまだまだあるかも知れません。新たな事件や続報等があれば、その都度当メディアにてお伝えしていきます。

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