資産価値が上がる!?東京23区のワンルームマンション規制とは? | 不動産投資を考えるメディア

資産価値が上がる!?東京23区のワンルームマンション規制とは?

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ワンルームマンション規制で資産価値が上がる?!

「ワンルームマンション投資は失敗する」
「今さら賃貸経営は危険」

昨今、こんな言葉を耳にする機会が多くなりましたが、各メディアでは人口減少や少子高齢化、そして賃貸アパートやマンションの供給過多をその理由としていることが少なくありません。
しかし、ここ最近の自治体の動きを見ていると、東京都におけるワンルームマンションについては、何やら事情が違いそうです。
今回は、資産価値が上げるかもしれない、東京23区のワンルームマンション規制について解説させていただきます。

東京一極集中と単身者の増加

東京一極集中とは昔から言われていますが、総務省統計局の公表しているデータによると、一都三県の転出数に対して転入数がほぼ毎年超過しており、東京都に関しては2003年から約7.1万人ずつ増加しています。
では、東京に住む人々がどのような世帯構成になっているのかというのが気になるところですが、平成27年における国税調査の結果概要では、東京都の総世帯数に対する単独世帯数の割合は以下のようになっています。

(年度/総世帯数/単独世帯数)
平成22年/約638万世帯/292万世帯 単独世帯構成比45.95%
平成27年/約669万世帯/316万世帯 単独世帯構成比47.39%

参考:東京都の統計「平成27年国勢調査 人口等基本集計結果概要」
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/kokutyo/2015/kt15tf0004.pdf#page=9

東京都の世帯の約半分は単身者であるという事が分かりますが、この結果を見れば、建設業界が単身者用の住戸に需要に商機を見出すのは当然と言え、単身者用のマンションの建設が増えるのも至極真っ当な流れです。

しかし、ただでさえ人口減少と単身世帯増加が懸念されている日本において、このまま東京一極集中が止まらず単身者の転入超過が続いたとしたら、どのような事が懸念されるでしょうか。

実は、今回のテーマとなっている「ワンルームマンション規制」は、この東京一極集中による単身者世帯の増加が要因となっているのです。

ワンルームマンション規制の理由と自治体別の内容

「ワンルームマンション規制」を分かりやすくご説明すると、おおよそ25㎡や40㎡未満の専有面積のマンションをワンルームと区別し、一定規模のマンションには必ずファミリータイプの住戸を設置を義務化することを各自治体の条例で定め、その条件を満たせない建物は新築することを許可しないというもの。

まるで東京のワンルームマンションが悪しきものと見られているように思えますが、規制内容だけを見ると、東京23区のワンルームマンションは淘汰され、資産価値が大きく下落するのではないかとも思わせます。

しかし、このワンルームマンション規制は、無意味にワンルームマンションの建築を禁止しているわけではなく、れっきとした理由があります。

各自治体がワンルームマンションの建設を規制する背景には、先ほどもお話させていただいた単身者の増加が続くことによる懸念があるためですが、具体的には以下のような地域的な問題が指摘されています。

  • 住民票を実家にしたままの単身者や、そもそも税金を払わない単身者が増えることで自治体の税収が減る
  • 深夜の騒音やゴミ出しルールが守られないなど、マナー違反によるトラブルが増える
  • 自治会や町内会に加入しない、または行事に不参加といった単身者が増えて地域のコミュニティが希薄化する

以上のような理由から、東京都の各区ではワンルームマンションの新築規制を行っていますが、豊島区の「狭小住戸集合住宅税(ワンルームマンション税)」はその典型と言っても良いでしょう。

豊島区のホームページを見てみると、ワンルームマンション規制とその理由ついて以下のような趣旨を提示しています。

豊島区「狭小住戸集合住宅税(ワンルームマンション税)」
  • 豊島区の世帯構成は単身世帯が56%となっている
  • 30㎡未満の住戸が40%であり、23区内で最も多い
  • ファミリー向け住戸の数が少ない
  • 単身世帯の増加は子育て、教育、福祉、地域活動といった街づくりに支障をきたす
  • 以上の理由から狭小住戸への課税を行い、新築を抑制する。
  • 得られた税金で良好な住宅供給支援を行い、広い面積の住戸の供給へ誘導する

参考:豊島区「狭小住戸集合住宅税(通称「ワンルームマンション税」)」
http://www.city.toshima.lg.jp/100/tetsuzuki/ze/sonota/hotegaize/001777.html

以上のように豊島区では、占有面積30㎡未満の住戸を狭小住戸と定義し、建築した1戸につき50万円の課税を行っています。

では、他の区ではどのような規制を行っているかも見てみましょう。

中央区「まちづくりのルール」

共同住宅のうち住戸数が10戸以上となる計画の場合、以下に該当する建物は建築できない。

  • 住戸専用部分の床面積40㎡以上の住戸の床面積の合計が、住宅の用途に供する部分の床面積の合計の1/3未満の建物
  • 定住型住宅以外の住戸において、住戸の専用部分の床面積が25㎡未満の建物

参考:中央区「ワンルームマンションの規制について教えてください」
http://www.city.chuo.lg.jp/kusei/faq/kankyo/keikaku/oneroom.html

文京区「ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」
  • 建築主は、建築しようとするワンルームマンション等のワンルーム形式の住戸の専用面積を25㎡以上となるようにしなければならない。
  • 住戸総数が15戸を超えるワンルームマンション等を建築しようとする建築主は、住戸総数から15を減じた数の1/2以上の戸数の住戸の専用面積を40平方メートル以上としなければならない。

参考:文京区「ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」
http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0137/4715/H26wanrumu.pdf

中野区「集合住宅の建築及び管理に関する条例」

階数が3以上かつ住戸数が12戸以上の特定集合住宅の計画にあたっては、以下の住戸の面積に関する基準を満たす必要がある。

  • 各住戸の専用面積を25㎡以上とすること。
  • 総戸数から11を減じた数に1/2を乗じた数以上の戸数を、40㎡以上で複数の居室を持つファミリータイプ住戸とすること。

参考:中野区「集合住宅の建築及び管理に関する条例」
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/505000/d014534_d/fil/annai.pdf

ワンルームマンション規制で資産価値が上がる!?

以上の規制を投資家視点からどのように思われたでしょうか。
ワンルームマンションが悪者にされる、もしくはワンルームマンションの需給が断たれるといった印象よりも、世帯バランスの取れた地域とするためには致し方ないという感想をお持ちになられた方も多いのではないでしょうか。

各自治体で定めるワンルームマンション規制は、ワンルームマンションを排除することを考えているわけではなく、単身者世帯の増加を抑制する事に重きを置いているだけであり、あらゆる世帯が住む、バランスの取れた地域性を確保しようという事を目的としています。

よって、ワンルームマンションが新築されるペースが落ちたとしてもワンルームマンションそのものが無くなるわけではなく、むしろ現存のワンルームマンションの希少価値が上がるとも言えるのです。

一極集中により単身者が集まる東京であればワンルームマンションの需要は確保されます。
しかし、ワンルームマンション規制により単身者用のコンパクトマンションの供給増加は抑えられます。
これらの理由から、東京のワンルームマンション経営であれば、ワンルームマンション規制による供給過少で入居者が見つかりやすいと言えるのです。

結果的に、東京一極集中とワンルームマンション規制が続く限りは、所有するワンルームマンションの資産価値は下がるどころか、上がっていく可能性すら考えられます。

一部のメディアでは、供給過多に陥っている賃貸物件によってワンルームマンション投資は危険であるとするものもありますが、こと東京都に関して言えば必ずしも危険という言葉で括れるはずもなく、むしろピンチをチャンスに変え、資産価値を上げられる可能性があると言えるのではないでしょうか。

まとめ

先日、国立社会保障・人口問題研究所により公表された、平成30年推計による「日本の地域別将来推計人口」によると、秋田県は2045年に人口の約半数が65歳以上の高齢者となるという結果が驚きをもって受け止められました。

もちろん、東京も人口減少や高齢化は進んではいますが、地方に比べるとそのペースは緩やかです。
何よりもそれは、地方から若者が上京してくるという昔から続く流れであり、誰もそれを止めることはできません。

ワンルームマンション規制は何も若者を排除しようというものではなく、ファミリー世帯と単身世帯の融合を促し、広めのワンルームを確保することで増え続ける高齢の単身者への住宅供給にも寄与するものであるとも言えるのではないでしょうか。

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