マンションの大規模修繕には積極的に関わるべき5つの理由 | 不動産投資を考えるメディア

マンションの大規模修繕には積極的に関わるべき5つの理由

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マンションの大規模修繕イメージ

昨今、人手不足だと言われている建設業界や賃貸管理業界ですが、それによる手抜き工事や工費のアップなどのネガティヴな話題も耳にします。
特に、マンション投資を行うのであれば共有部分の修繕や改築は自分一人の決定ではどうにもならないことが多く、管理組合や修繕委員会への打診や相談が必須となりますから、いくら「エントランスを改装したい!」と思っても簡単に実行できるものではありません。
だとしたら、自ら管理組合や修繕委員会に参加してみてはいかがでしょうか。
今回は、マンションの大規模修繕に積極的に関わっていくメリットを5つご紹介させていただきたいと思います。

入居率のアップに繋がる

マンションを大規模修繕する目的は事故防止や設備修理が主なところですが、他にも外観を美しくしたり、設備をグレードアップしたりという目的も含まれます。
ビジネスの世界だけではなく、契約を獲得するためには相手に与える最初の印象が非常に大事だと言われていますが、関連するものとして心理学者アルバート・メラビアン氏が発表した「メラビアンの法則」が有名です。メラビアンの法則を簡単にご説明させていただくと、人は何を優先的に感じ取って第一印象を決めているかというものなのですが、研究結果として「視覚55%」「聴覚38%」「言語7%」という割合で相手に対する印象が決まるとしています。
つまり、服装や清潔感、振る舞いといったものを目で見て、総合的に印象の良し悪しを決めているということです。
これは、対人関係だけに限ったものではなく、近所のスーパーに行った時や車の販売店、コンビニなどといった接客を必要とするお店に関しても同じです。どんなに品ぞろえや商品の質が良かったとしても、態度の悪い店員がいたり、入り口付近が汚かったりすれば客足が遠くなることは容易に想像できます。
特に不動産に関しては、営業担当がいくら饒舌だったからといって、物件の見た目や設備、条件等が悪ければ入居者が決まる可能性は低くなるのも当然だと言えるでしょう。
内見の入り口である「見た目」がスタートであるなら、大規模修繕による外装の修繕、植栽の手入れ、エントランスや集合ポストのセキュリティレベルをアップすることで、これまでよりも入居率のアップに繋げることができます。

家賃の水準を維持できる

上記の入居率に関連して、入居率が安定していると言うことはイコールとして「家賃を下げずに済む」というメリットも生みます。
むしろ、大規模修繕が完了までの間に空室となった場合に、新たな募集で家賃を上げると言うケースもあるほどです。当然、周辺の家賃相場や所有しているマンションの築年数や設備のグレードを加味しなければなりませんが、元々割安な家賃なのであれば、数千円程度のアップでも入居希望者は見込めるかもしれませんし、中には1万円アップした物件もあります。
1万円アップというのは稀だとしても、周辺の物件と比べた時に「自分のマンションは管理がしっかりしている。」「大規模修繕も計画的に行う準備がある。」とアピールできるか否かでは、入居者の安心感も全く違ったものになるでしょう。
当然、長く住んでくれている入居者からの家賃交渉には多少なりとも向き合う必要はあるかもしれませんが、入居者の確保のための家賃減額という悪循環からは抜け出すことが可能になります。

節税対策に活用できる

マンション投資という話題の中で様々な情報を調べてみると、毎月支払う必要のある修繕積立金や管理費について「経費として認められるかどうか」といった点が議論されがちですが、実際にはどうなのでしょうか。

一つ、国交省のHPにて示されている事実があります。

修繕積立金は、マンションの共用部分について行う将来の大規模修繕等の費用の額に充てられるために長期間にわたって計画的に積み立てられるものであり、実際に修繕等が行われていない限りにおいては、具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していないことから、原則的には、管理組合への支払期日の属する年分の必要経費には算入されず、実際に修繕等が行われ、その費用の額に充てられた部分の金額について、その修繕等が完了した日の属する年分の必要経費に算入されることになります。

引用:国土交通省「賃貸の用に供するマンションの修繕積立金の取扱い」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/04/12.htm

つまり、修繕積立金を毎月支払っていても、それは毎年の経費として算入できず、算入できるのは実際の大規模修繕が完了した年であると明確に言っています。
ただ同時に、以下の要件を満たす場合においては、修繕積立金を必要経費として参入して良いとも言っています。

  1. 管理組合に対して修繕積立金の支払い義務を負っていること
  2. 管理組合が修繕積立金の返還義務を有していないこと
  3. 修繕積立金は将来の修繕の為だけに使用されるものであること
  4. 修繕積立金額が長期修繕計画に基づいた共有持分に応じた合理的な算出がなされていること

1.から3.に沿うことはさほど難しいことではないかもしれませんが、4.については個人だけで判断すると少々危険ですので、税理士等にも相談したほうが良いかもしれません。
どちらにせよ、管理組合や修繕委員会に積極的に関わることで、毎年の経費とするのか大規模修繕の際に一気に経費計上するのかといった経費計上のタイミングが計りやすくなる事に繋がる上、修繕内容の把握ができることもまた今後の経営のヒントになるでしょう。

ただし、大規模修繕を行う日程やその範囲の決定に関わることができるからといって、自己の利益を優先した身勝手な意見で修繕計画を推し進めることは、他住人の意見も必要となる今後の修繕計画等を考えると絶対にNGです。

理事会と施工会社等の癒着を防げる

さて、入居率のアップや節税対策にも繋げる事ができる大規模修繕ですが、委員会や理事会に関わっていくことは金銭的なメリットと同時にデメリットの解消にも一翼担います。
これは、想定されるデメリットを予め防ごうというレベルの話ではなく、実際に、管理組合と施工会社、若しくはコンサルタントと修繕委員会などが癒着関係にあるということがしばしばメディアにも取り上げられるほどの問題となっているため、対岸の火事ではないと認識する必要があるでしょう。
談合、リベート、癒着と様々な言い方はありますが、管理組合の理事長や修繕委員会の委員長が施工会社から賄賂を貰っているというケースは多いと言われており、仮に修繕積立金が毎月15000円の40戸のマンションがあったとしたら、修繕積立金をたった5%上乗せするだけで、大規模修繕までに溜まる400万円以上もの金額を賄賂としてバックしてもらうなんてことも容易に可能になるのです。

計算例)
15000円 × 5% = 750円
750円 × 144ヶ月(12年) = 10800円
10800円 × 40戸 = 432万円

もちろん、マンションの修繕となると専門の知識は必要にはなりますが、大規模修繕費を行うことが決定した場合、修繕委員会やコンサルタントなどに任せきりにするのではなく、本当に修繕費用に見合った内容なのかといったチェックが行えるのも、大規模修繕に積極的に関わっていく醍醐味だと言えるでしょう。

資産価値を維持できる

ここまでマンションの大規模修繕に関わるメリットをご紹介させていただきましたが、上記のようなメリットを存分に享受することができれば、自ずと物件価値の維持にも繋がることは容易に想像できます。
マンションの乱立や少子高齢化による修繕費不足の問題は以前から指摘されていますが、実際に、定期的なメンテナンスを行っていなかったことによって、外壁が崩れ落ちるという事故は過去に何度も起こっています。
当然そうなれば、その建物の資産価値が落ちるだけでなく、修繕を行っても事態が収拾できない可能性もあります。

そもそもマンションの修繕は12年ペースとされていますが、これは根拠無く言われていることではなく、国交省のガイドラインで示されているガイドラインを基にした一般論です。よって、きっちり12年ペースで大規模修繕を行う必要はありませんが、とはいえ物の劣化を考えるとコンスタントに定期メンテナンスを行うことは重要なことになります。
例えば、鉄筋コンクリートを例にすると、コンクリートそのものは100年以上の耐久性があると言われていますが、日々浴びる紫外線や酸性雨による劣化を防ぐことは難しいばかりか、コンクリート内の鉄筋も錆びていきますし、錆による膨張でコンクリートに負担を与えます。
そういった様々な要因からコンクリートにヒビが入り、徐々にヒビ割れは広がり、放置しておけば崩れるといったことは当たり前に起こり得ることです。
劣化スピードを抑え、他の建物と比べて寿命を延ばすことに繋がるのが大規模修繕ですから、積極的に大規模修繕に関わっていくことは、自らの資産を守ることと同じであると言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、マンションの大規模修繕に自ら関わるメリットを5つご紹介させていただきました。
既にマンション投資を行われている方の中には他のメリットを感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産投資においては「誰もやらないなら自分でやる」という考え方のほうが、後々のメリットが多いように感じます。
管理組合や修繕委員会は、最終的に他住人による過半数の同意を得ないと計画を進めることができませんし、他人事として組合等に任せっぱなしでは大規模修繕そのものが何年も行われなかったり、修繕積立金が何に使われているのかも分からないといった不安にも繋がってきます。
管理組合、または修繕委員会に自ら参加して住人とのコミュニケーションを図っていくことも、所有マンションの順調に運用していくための要素になるのではないでしょうか。

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