元営業マンが激白!東京の投資用ワンルームマンションを買ってはいけない理由


「東京のワンルームマンション投資だけはやるな!」そんな言葉を聞くようになってからしばらく経ちますが、昨今の投資用ワンルームマンションの情勢はどうなっているのでしょうか。実は今回の記事を執筆するにあたり、最近の投資用マンションの状況を確認したところ「何も変わっていない」という結論に至りました。

しかしそれでも、未だに「買ってはいけない物件を買ってしまう人」が後を絶ちません。何故、負の連鎖は止められないのでしょうか。

そこで今回は、筆者の経験と各種データを裏付けとして提示しながら、「東京の投資用ワンルームマンションを買ってはいけない理由」を分かりやすく解説します。細かい計算などはできるだけ排除しながら重要な点だけをまとめましたので、是非ご覧ください。

投資用ワンルームマンションを積極的に買うべきではない3つの理由

まず結論から言うと、現在もなお「東京の投資用ワンルームマンションは買ってはいけない」という状況です。もし今物件を持っているなら、東京の不動産価格が高い今のうちに「買う」よりも「売る」ことを考えたほうが良いかもしれません。明確な理由が3つあります。

  • 投資用ワンルームマンションは価格が高すぎる
  • 物件価格が高いため利回りが低すぎる
  • 投資用ワンルームマンションは高い確率で毎月赤字になる

あらゆる不動産メディアでは、投資用マンションのリスクを事細かに解説しています。ただ難しく考える必要はなく、上記3つのうち1つでも当てはまれば買うべきではありません。利回りも「3%」出れば上々で、むしろ毎月赤字が出る物件も当然のように出回っています。

つまり、「利回りがプラスなら良い方」とも言え、実際は毎月赤字になると分かっていても買ってしまう人もいるのです。ではなぜ、毎月赤字の出る物件を買ってしまうのか。理由は営業マンの一言に騙されてしまうためです。

「ローンを組めば3,000万円の物件が毎月1万円で買えます。老後には借金チャラですからお得でしょ?」
「毎月1万円を積み立てると思ってください。それが将来、何万円という家賃になって毎月返ってきます」

つまり、「家賃収入でローン返済できずに毎月持ち出しが発生しても、それは積立預金と考えよ」という意味。ただこの理屈には明らかな間違いが3つ隠されています。

・ローンを返済する頃、3,000万円の物件は半値以下の価値である
・家賃収入は確実に下がり続ける
・そもそもマイナスが出ている時点で失敗物件である

毎月の支払いが1万円だろうが5,000円だろうが、赤字が出ている時点で投資は失敗しています。不動産投資は積立預金ではありません。単に「賃貸事業で赤字を出している」という事実に他ならないのです。

またローンの完済時に3,000万円の物件が手に入るわけではありません。想定される売却額は1,000万円前後です。また家賃も築年数と共に確実に下落します。一部の研究結果では、家賃は毎年1%ずつ下がると言われているほどです。

投資用ワンルームマンションのスペックと30年後の実際

前述の解説は空想などではありません。具体的な数字で見ていただくと納得いただけるでしょう。まず東京で販売されている投資用ワンルームマンションについて、よくあるスペックや相場をご覧ください。

投資用ワンルームマンションでよくあるスペック
物件種別新築ワンルームマンション
物件価格3,000万円前後
駅徒歩5分前後
専有面積25㎡前後
ローン金利概ね2.5~3%

上記の根拠などは後述するとして、多くの物件が上記のスペック。ではこの物件の所在が「東京都板橋区」だったとします。投資用ワンルーム会社に言われるがままフルローンで買ったとして、実際にどのくらい儲かるか簡単にシミュレーションしてみましょう。

投資用ワンルームマンションのシミュレーション
家賃相場最安7万円/最高11万円
ローン借入額3,000万円
ローン返済額(金利2.8%で試算)毎月12万3,000円
ローン借入期間30年
30年後の家賃(2割減と仮定)最安5万6,000円/最高8万8,000円
30年後に予想される売却額1000万円以下

仮に家賃が11万円で貸せても毎月1万円以上のマイナス。また築年数の経過は避けられないため、空室と入居募集を繰り返す度に家賃は下がっていきます。すると毎月のマイナスはどんどん膨らんでいくでしょう。

さらに購入当初は3000万円だった物件も、ローンを完済するころには1000万円になれば良いところ。仮に30年間、毎月のマイナスが1万円で抑えられたとしても30年後の合計マイナス額は360万円。1000万円で売却しても640万円の儲けにしかならないのです。

空室リスクや破綻リスクなどにヒヤヒヤしながら投資用マンションを運営しても、30年後には640万円の儲けにしかならない。だとするなら毎月3万円を確実に貯金しながら、30年後までに1080万円を貯めたほうが確実であり、不安もないのです。

投資用ワンルームマンションが儲からない根拠

では前章の根拠はどこにあるのか解説します。解説している事実は筆者自身の経験も踏まえていますが、先述のように断言できるデータは数多くあります。

例えば家賃相場。これは賃貸ポータルサイトで物件の所在地付近の新築ワンルームマンションを検索すれば、おおよその相場が分かります。前章では東京都板橋区のマンションを例にしましたが、実際に家賃7~11万円で入居募集されています。

そして最も重要な「家賃の下落」と「資産価値の下落」について。まず家賃の下落ですが、これは下記のデータが参考になります。

■出典:東京カンテイ 分譲マンション賃料の徹底研究

他にも三井住友トラスト基礎研究所の「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」において、似たようなデータが公表されています。

■参考:三井住友トラスト基礎研究所の「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」

筆者の経験上、築年数が古いマンションの家賃は、新築の半値以下という感覚で捉えています。半値とまで言わずとも、30年後までに家賃は2~3割ダウンすると考えたほうが良いでしょう。そして資産価値の下落について、不動産業界の中核組織とも言える「東日本不動産流通機構(レインズ)」が公表する「築年数ごとの㎡単価」を見てみましょう。

※「レインズデータライブラリ―」のデータより筆者作成

上図のように、成約物件、つまり売買が行われた物件の㎡単価は築30年で30万円前後。35万円を超えると売れ残りである在庫物件となります。つまり高く売れたとしても㎡単価30万円前半が良いところでしょう。では、25㎡の投資用ワンルームマンションがいくらで売却できるか。上図を基に計算すれば簡単です。

25㎡ × 31.7万円 = 約793万円

上記までが前章でご紹介したシミュレーションの根拠。決して空想上の話ではなく、筆者の経験や信頼性の高いデータという二重の裏付けがあるのです。

【結論】引き続き東京の投資用ワンルームマンションは買ってはいけない!

さて、結論の前にもう一つ把握していただきたい事実があります。最初に「投資用ワンルームマンションは価格が高すぎる」とお伝えしました。実は投資用ワンルームマンションの価格は、一般の方では確認しづらくなっています。理由は多くの投資用ワンルームマンションの会社が、新築物件の価格をホームページなどで掲載しないからです。

実際、投資用ワンルームマンションを販売する会社の物件概要ページを見ても「資料請求」のリンクがあるだけ。つまり資料請求後、営業電話がかかってきて初めて物件価格が分かるのです。

一般的な不動産ポータルサイトで築1~3年のワンルーム物件を検索すれば、投資用ワンルームとして販売されたであろう2500~2900万円くらいの物件が見つかります。ただ既に中古価格ですから、プラス400~500万円上乗せしたのが新築価格と考えれば良いでしょう。

ではここまでのお話から、結論をいくつかのポイントでまとめてみましょう。

  • ローンで購入するなら毎月の家賃収入がプラスでない限り絶対に買ってはいけない
  • 家賃収入もマンションの資産価値も必ず下落する
  • 新築という時点で中間マージンが多く乗っているため購入者は損をする

3つ目はここまでに解説していない点です。投資用に限らず、新築マンション価格というのは販売会社や建築会社の利益、そして宣伝費用や人件費など非常に多くの費用が上乗せされています。概ね物件価格の3~4割が、そういった中間マージンです。

言ってしまえば、購入して得をするのは販売会社や建築会社だけ。物件を購入した人は、ただただ大きなリスクと儲かりもしない物件を掴まされるだけなのです。

不動産投資としてワンルームマンション投資がもてはやされるようになったのは、ここ10年くらいの間。相場とはかけ離れた価格で売りつける悪質な業者、そして「東京のワンルームマンション投資は儲かる」と錯誤させる業者が横行しました。故に「ワンルームマンション投資だけはやるな!」と言われ続けてきましたが、それにも関わらず未だ高値掴みをさせられる人が後を絶ちません。

不動産投資が儲かるか儲からないかは、お金の計算ができれば判断できます。ただそれができないのであれば、「不動産投資は儲からないどころか、大きな借金を背負うだけ」と端的に考えて手を出さないのが得策と言えるでしょう。

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