過去のマンション供給結果からみる2018-2019年マンション市場動向予測 | 不動産投資を考えるメディア

過去のマンション供給結果からみる2018-2019年マンション市場動向予測

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毎年、不動産関連の話題で盛り上がるものといえば公示地価や基準地価などがあります。他にも独自の調査とレポートの公開を行っている企業もありますが、注目しておきたい情報の一つに不動産経済研究所が発表する「マンション市場動向」があります。先日、不動産経済研究所では2019年のマンション市場予測も発表しましたが、消費税増税を控えつつもマンション供給数が0.8%増とまずまずの内容となっています。今回は過去の発表内容も併せ、2018年・2019年のマンション市場動向がどんな結果となりそうか考えてみたいと思います。

不動産経済研究所が公開したプレスリリース内容

まず、不動産経済研究所が先日発表した「2019年マンション市場予測」をご覧ください。

2019年のマンション市場予測
エリア 供給予測
東京都区部 増減なし(16000戸)
東京都下 14.3%(4000戸)
神奈川県 9.0%(8500戸)
埼玉県 4.7%(4500戸)
千葉県 ▲21.6%(4000戸)
首都圏全体 0.8%(37000戸)
大阪市 6.4%(9800戸)
大阪府下 ▲8.7%(4000戸)
神戸市 ▲18.0%(2000戸)
兵庫県下 16.1%(1800戸)
京都市 12.1%(1200戸)
近畿圏全体 0.5%(20000戸)

■不道産経済研究所「2019年の供給予測」
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/354/y2019.pdf

首都圏、近畿圏共にマンション供給戸数は0.8%、0.5%増と悪くない数字です。消費税増税の駆け込み需要とその後の落ち込みが予想されますが、住宅ローン減税延長もあることから、さほど大きな影響はなさそうだと言えます。ただ、やはりここ数年の予測値と比べると若干ながら弱気に見えるのも事実。そこで過去3年の予測と結果を確認し、予測と結果でどのくらいの乖離があるのか考えてみたいと思います。

過去3年のマンション市場予測と結果

まず、2015~2017年のマンション市場予測と結果をまとめてみました。

2017年のマンション市場予測と結果
エリア 供給予測 供給結果
東京都区部 5.1%(16500戸) 8.5%(16017戸)
東京都下 増減なし(4000戸) ▲1.3%(4016戸)
神奈川県 5.9%(9000戸) ▲2.7%(8540戸)
埼玉県 12.5%(4500戸) 1.5%(3956戸)
千葉県 14.3%(4000戸) ▲21.1%(3369戸)
首都圏全体 6.4%(38000戸) 0.4%(35898戸)
大阪市 ▲6.8%(8000戸) 15.4%(9482戸)
大阪府下 18.8%(3800戸) 6.2%(3615戸)
神戸市 22.2%(2200戸) ▲11.5%(1747戸)
兵庫県下 ▲9.5%(1900戸) ▲11.5%(1917戸)
京都市 ▲12.4%(1200戸) ▲11.8%(1220戸)
近畿圏全体 2.2%(19000戸) 4.7%(19560戸)
2016年のマンション市場予測と結果
エリア 供給予測 供給結果
東京都区部 増減なし(19000戸) ▲20.1%(14764戸)
東京都下 ▲2.0%(5000戸) ▲25.0%(4069戸)
神奈川県 16.3%(10000戸) 10.2%(8774戸)
埼玉県 増減なし(4500戸) ▲11.7%(3897戸)
千葉県 12.5%(4500戸) 2.3%(4268戸)
首都圏全体 4.4%(43000戸) ▲11.6%(35772戸)
大阪市 7.7%(7700戸) 15.1%(8217戸)
大阪府下 12.3%(4100戸) ▲8.0%(3404戸)
神戸市 77%(2800戸) ▲30.3%(1973戸)
兵庫県下 増減なし(2400戸) ▲8.4%(2167戸)
京都市 2.7%(1500戸) ▲12.1%(1384戸)
近畿圏全体 7.5%(20000戸) ▲1.3%(18676戸)
2015年のマンション市場予測と結果
エリア 供給予測 供給結果
東京都区部 12.7%(23000戸) ▲11.1%(18472戸)
東京都下 増減なし(4000戸) 22.6%(5427戸)
神奈川県 ▲4.3%(9000戸) ▲21.3%(7964戸)
埼玉県 ▲7.0%(4000戸) ▲1.3%(4415戸)
千葉県 13.6%(5000戸) ▲18.5%(4171戸)
首都圏全体 5.9%(45000戸) ▲9.9%(40449戸)
大阪市 13.6%(7200戸) 14.3%(7137戸)
大阪府下 42.9%(5400戸) ▲1.6%(3698戸)
神戸市 ▲31.3%(2200戸) ▲13.7%(2829戸)
兵庫県下 61.8%(2800戸) 36.1%(2366戸)
京都市 ▲8.7%(1900戸) ▲19.6%(1574戸)
近畿圏全体 10.5%(21000戸) 0.6%(18930戸)

過去の結果から最初に見えてくることが2つあります。まず、2019年の予測値は1%にも満たないため、過去の予測と比べて来年はやはり弱気だということ。数字だけを見ると2019年は何らかの節目になりそうだとすら感じさせます。そして、明らかに分かるもう一つの事実が、予測と結果の乖離が大きいということです。一見して精度がかなり悪い予測に思えますが、実はそうとも言えません。パーセンテージで見ると確かに大きなズレがありますが、供給戸数で見ると都市近郊エリアで数百件、都市部で数千件の乖離となっています。

確認したところ、乖離の平均は14%、中間値にしても13%ほどしかありません。つまり、かなり精度が高い予測だということです。予測と結果のパーセンテージでズレが発生するのは、その年の供給戸数の結果を12月時点で予定として出し、それに対して翌年の予測をするためです。つまり、見方としては「来年は○%多く(少なく)なるだろう」ではなく、「来年は○戸になるだろう」と見れば精度の高い予測として捉えることができると言えます。では、こういったデータを踏まえ、今年2018年の結果がどうなりそうか考えてみましょう。

過去のデータから考える2018年の結果

まず、不動産経済研究所が現在公表している2018年の結果予測は以下のようになります。

2018年のマンション供給数予測
エリア 供給予測
東京都区部 16000戸
東京都下 3500戸
神奈川県 7800戸
埼玉県 4300戸
千葉県 5100戸
首都圏全体 36700戸
大阪市 9210戸
大阪府下 4380戸
神戸市 2440戸
兵庫県下 1550戸
京都市 1070戸
近畿圏全体 19900戸

これに対して過去のデータを検証したところ、おおよそ3~4%ほどズレが発生することが分かりましたので、それを踏まえた2018年予測が以下となります。

2018年のマンション供給数の予測レンジ
エリア 供給予測レンジ
東京都区部 14400~18080戸
東京都下 3150~3955戸
神奈川県 7020~8814戸
埼玉県 3870~4859戸
千葉県 4590~5763戸
首都圏全体 33030~41471戸
大阪市 8289~10407戸
大阪府下 3942~4949戸
神戸市 2196~2757戸
兵庫県下 1395~1751戸
京都市 963~1209戸
近畿圏全体 17910~22487戸

※上記はあくまで筆者独自に過去データのズレを勘案して算出したもので、不動産経済研究所の算出している詳細データは以下から調べることができます。

■不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/

2019年のマンション市場予測をシミュレーション

では最後に、今回発表された2019年予測に対して先ほどのようなズレを考慮し、2019年のマンション市場が強気なのか弱気なのか、または横ばいなのかを考えてみたいと思います。

2019年のマンション供給数の予測レンジ
エリア 供給予測レンジ
東京都区部 ▲3%~4%(▲480戸~640戸)
東京都下 ▲9%~▲15%(▲360戸~▲605戸)
神奈川県 ▲5%~▲11%(▲388戸~▲934戸)
埼玉県 ▲0.6%~▲7%(▲28戸~▲329戸)
千葉県 23.6%~32.6%(947戸~1304戸)
首都圏全体 ▲4%~3%(▲1401戸~1168戸)
大阪市 ▲2%~▲9%(▲221戸~▲866戸)
大阪府下 6%~13%(248戸~555戸)
神戸市 18%~27%(366戸~537戸)
兵庫県下 ▲10%~▲16%(▲188戸~▲296戸)
京都市 ▲7%~▲14%(▲87戸~▲162戸)
近畿圏全体 ▲3%~3%(▲697戸~696戸)

このように、予測と結果のズレを考慮すると2019年のマンション市場は落ち込む可能性が高いことがわかります。あくまで数字上の話ですので、不動産市場にポジティブな事象でも発生すれば変わってくることは考えられます。しかし、ここしばらく言われている不動産バブルの崩壊懸念などがあるのも事実。オリンピック需要の終焉もあれば、逆に大阪万博に向けた需要が高まるという予測もあり、もしかすると来年こそ予測に対する結果が大きく乖離するかもしれません。来年12月にならないと分かりませんので随分と先の話ではありますが、参考データとして見ていただければ幸いです。

まとめ

不動産市場の動向を確認するには、今回ご紹介した不動産経済研究所のデータ以外にもレインズや国交省など、様々な機関が公表するものも見ていく必要があります。今回はあくまでも1社のデータを基にした来年の市場予測ですので、他のデータも見ていくと新しい発見があるかもしれません。消費税増税に対して住宅ローン減税の延長があったり、大阪万博の決定など、市場に混乱をもたらす要因は今の所なさそうですが、気になるのはローン金利です。別の機会にまたご紹介したいと思いますが、今後の日銀の動きも気になるところです。ローン金利が急上昇することは考えづらいですが、不動産市場にとって大事な来年のローン金利にも注目しておくべきと言えるでしょう。

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