新築ワンルームでも成功する?不動産投資30年シミュレーション | 不動産投資を考えるメディア

新築ワンルームでも成功する?不動産投資30年シミュレーション

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都市開発シミュレーション
不動産投資初心者の方は「シミュレーションが大事!」という言葉を何度か耳にされたことがあるのではないでしょうか。しかし「シミュレーションって何をやればいいの?」という方も多いはず。

そこで今回は、一般の新築ワンルームマンションを例にして30年間における詳細なシミュレーションをご紹介します。リアルな条件設定と細かな収支で試算していますので、不動産投資のシミュレーションをどのように行うのか参考にしてみてください。

30年不動産投資のシミュレーション条件

まず、今回のシミュレーションにおける「物件詳細」「ローン条件」「賃貸条件」は以下のとおりと仮定します。

購入物件:新築ワンルームマンション(25㎡)
場所:都内近郊 駅歩10分
物件価格:2500 万円(建物と土地の価格は5:5とする)
購入時初期費用:200万円
自己資金:300万円
ローン融資額:2400万円
ローン借入期間:30年
ローン金利:2.3%(30年変動なし、ボーナス返済なしと仮定)
家賃:7万5000万円
共益費(借主負担):5000円
修繕積立金含む管理費(貸主負担):1万3000円

節税による効果は考慮せず、あくまでマンションの収支だけに着目します。家賃は新築プレミアムで少し高めの7.5万円と仮定し、三井トラスト基礎研究所のデータを基に10年の間に1.7%ずつ、11年目以降からは0.6%ずつ家賃が下落するものと想定。また、日本賃貸住宅管理協会のデータより入居期間は30年通して全て4年(2年に1回の更新)、空室期間は株式会社タスのデータを基に2ヶ月とします。

■株式会社三井トラスト基礎研究所
https://www.smtri.jp/
■公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
https://www.jpm.jp/marketdata/
■株式会社タス
https://corporate.tas-japan.com/

物件購入時の初期費用は一般に10%と言われていますが、今回はワンルームマンションということもあり8%としています。では、上記を基に4年毎のシミュレーションを見てみましょう。最後の29年目、30年目は6年で算出しています。

1年目から4年目までのシミュレーション

まず1年目から4年目の収支は以下のようになります。

【収入】
家賃収入:360万円
共益費:24万円
礼金(1ヶ月分):7万5000円
更新料(1回):11万2500円
計:402万7500円

【支出】
ローン返済額:443万2800円
管理費(修繕積立金含む):62万4000円
委託管理費(3%):10万8000円
広告費:7万5000円
計:523万9800円

月平均の収支:▲2万5300円
4年間の収支:▲121万2300円

早くもマイナスが発生しています。物件取得費と上記支出の数百万円が所得から控除することで節税が可能ですが、それは1年目だけ話。少々先行きが不安になりますが、この後2ヶ月の空室を経て新たに入居者が入ったとして、5年目から8年目の収支がどうなるか見てみましょう。

5年目から8年目までのシミュレーション

【収入】
家賃収入:322万円
共益費:23万円
更新料(1回):10万5000円
計:355万5000円

【支出】
ローン返済額:443万2800円
管理費(修繕積立金含む):62万4000円
委託管理費(3%):10万800円
広告費:7万円
計:522万7600円

月平均の収支:▲3万4800円
4年間の収支:▲167万2600円

やはりマイナスの状況は変わりませんが、家賃が5000円下がったことを想定して試算していますので、最初の4年よりもマイナスが増えています。これでは投資とは言えない状況ですが、ここで大事になってくるのが不動産投資で重要な「繰上返済」と「出口戦略」です。8年間ローンを返し続けて残債が約1900万円になっていますので、このタイミングで300万円を繰上げ返済した時に収支がどう変化するか試算してみたいと思います。

9年目から30年目の収支シミュレーション

ここからは、9年目以降の4年毎の収支を一気に30年目まで見ていきましょう。

<9~12年目:家賃6万5000円、共益費5000円>

【4年間の収入】
家賃:299万円
共益費:23万円
更新料(1回):9万7500円
計:331万7500円

【4年間の支出】
ローン返済額:370万9600円
管理費(修繕積立金含む):62万4000円
委託管理費(3%):8万9700円
広告費:6万5000円
火災保険:2万円
計:450万8300円

月間収支:▲ 2万4800円
年間収支:▲ 29万7700円
4年間の収支:▲ 119万800円

<13~16年目:家賃6万2000円、共益費5000円>

【4年間の収入】
家賃:285万2000円
共益費:23万円
更新料(1回):9万3000円
計:317万5000円

【4年間の支出】
ローン返済額:370万9600円
管理費(修繕積立金含む):62万4000円
委託管理費(3%):8万5600円
広告費:6万2000円
計:448万1100円

月間収支:▲2万7200円
年間収支:▲32万6500円
4年間の収支:▲130万6100円

<17~20年目:家賃6万円、共益費5000円>

【4年間の収入】
家賃:276万円
共益費:23万円
更新料(1回):9万円
計:308万円

【4年間の支出】
ローン返済額:370万9600円
管理費(修繕積立金含む):62万4000円
委託管理費(3%):8万2800円
広告費:6万円
計:447万6400円

月間収支:▲2万9100円
年間収支:▲34万9100円
4年間の収支:▲139万6400円

<21~24年目:家賃5万9000円、共益費5000円>

【4年間の収入】
家賃:271万4000円
共益費:23万円
更新料(1回):8万8500円
計:303万2500円

【4年間の支出】
ローン返済額:370万9600円
管理費(修繕積立金含む):62万4000円
委託管理費(3%):8万円
広告費:5万9000円
火災保険:2万円
計:449万4000円

月間収支:▲3万400円
年間収支:▲36万5400円
4年間の収支:▲146万1500円

<25~28年目:家賃5万8000円、共益費5000円/29~30年目:家賃5万7000円、共益費5000円>

【6年間の収入】
家賃:392万2000円
共益費:34万円
更新料(1回):17万2500円
計:443万4500円

【6年間の支出】
ローン返済額:556万4400円
管理費(修繕積立金含む):93万6000円
委託管理費(3%):15万8700円
広告費:11万5000円
計:677万4100円

月間収支:▲4万8700円
年間収支:▲58万4900円
6年間の収支:▲233万9600円

シミュレーション結果と改善点等

新築マンションを購入して4年毎に家賃の見直しや入退去があるという前提で詳細なシミュレーションを行いました。結果をまとめてみましょう。

30年間の収入:2462万2000円
30年間の支出:3520万1200円
30年間の収支:▲1057万9200円

お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、評価額や土地相場などの影響を受けて変動するため「固定資産税」はシミュレーションに含めていません。とはいえ、東京都のワンルームマンションでは固定資産税が3~6万円くらいと言われていますので、仮に毎年平均4.5万円だったとすると30年間で更に135万円の固定資産税分がマイナスになるということです。

築30年のワンルームマンションでは売却額も1000万円にはなりませんので、もはや不動産投資はやるべきではないと思われるでしょう。しかし、上記のシミュレーションは一般の投資マンション会社が勧める物件を基にしており、以下のたった3つだけ注意すれば収支は大きく改善します。

  • 価格の高い新築ではなく、中古マンションにする
  • 自己資金を多めに投入してローンの借入額を抑える
  • 30年間ローンを払い続けるのではなく繰上返済を必ず行う

もし中古で1800万円ほどの物件だったと仮定すると、自己資金300万円で1500万円の借入、年間のローン返済額は70万円ほどになります。自己資金を500万円なら、年間のローン返済額は60万円にまで抑えられます。

今回のシミュレーションでは毎年30~40万円のマイナスが発生していましたので、途中で繰り上げ返済も行えばかなり収支は良くなります。

収支シミュレーションを行うことは物件選びや出口戦略における大変重要な基礎となります。他にもここでは触れていない修繕費や大規模修繕などの一時的な出費も考慮した上で、1年目からマイナスが発生するような物件は絶対に避けるようにしましょう。

まとめ

今回の記事は、不動産投資に夢を持たれている方にとってはかなりシビアに感じられたかと思います。しかし現実に近いシミュレートをすることで、新築ワンルームを一般価格のまま購入して不動産投資をすることがいかに危険かであるかお分かりいただけたかと思います。

マンション投資というのは減価償却費も長期間に渡って経費にできますし、木造アパートに比べれば負動作何としての評価も高くなります。賃貸需要のある安い価格のマンションを探しつつ、上記のようなシミュレーションを行いながら高い利回りを確保できる不動産投資を目指しましょう。

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