たった9㎡!?超コンパクトマンションに人気が集まる理由

何もない部屋
「今どき、ワンルームの物件に需要なんてない」このように思われる不動産投資家も少なくないでしょう。ただ最近、超コンパクトマンションに一定の需要や人気が見込まれています。ネット上で「コンパクトマンション」と調べてみると、ファミリー層向けの1LDKや2LDKのマンションについて語られています。

しかし、今回解説させていただく「超コンパクトマンション」は、20㎡以下のまさに一昔前のワンルーム。中には15㎡以下のものまであり、広さと設備の新しさが不動産投資の主流だと思われていた方にとって眉唾な話に思えるでしょう。人気があるとはにわかに信じがたい超コンパクトマンション。本当に狭小住宅に需要があるのか。今回は狭くても入居希望者が殺到する超コンパクトマンションについて解説いたします。

日本の住宅における1部屋あたりの平均的な広さ

まず日本の住宅について、広さがどう変化してきたか見てみましょう。以下は総務省統計局が調査している「住宅・土地統計調査」から、1人当たりの部屋の広さをグラフ化したものです。


【参考】平成25年住宅・土地統計調査結果

1973年というと日本でコンビニが初めて開店した時期です。まさに生活の利便が飛躍的に向上していこうかという頃、1人当たりの部屋はまだ4畳半でした。グラフの通り、1人当たりの部屋の広さは徐々に広くなっていき、現在は統計が始まった当時の倍以上の広さになったのが分かります。このように明らかに住宅は広さが求められてきたのが分かりますが、本当に超コンパクトマンションに需要があるのでしょうか。

賃貸ユーザーが選ぶ物件の優先順位とは?

では、不動産投資を行うにあたって、広さの優先順位をどう考えるべきでしょうか。物件選びで重要なのが賃貸ユーザーのニーズに合っているかどうかですが、優先順位といっても「間取り」「駅からの距離」「家賃」、「築年数」「設備」「耐震性」「治安」「近隣の店舗や施設」…と、考え始めたらキリがありません。そこで、2017年に不動産住宅サイトSUUMOに掲載された、一人暮らしの賃貸ユーザーが賃貸物件に求める優先順位のランキングを見てみましょう。

1人暮らしの賃貸物件で重視すべきこと
1位家賃78.0%
2位駅からの距離48.5%
3位間取り43.5%
4位通勤時間32.0%
5位部屋の広さ27.5%

【参考】SUUMOジャーナル「後悔しないために!賃貸お部屋探しで重視すべきこと~一人暮らしシングル編~」

優先順位がダントツで高いのは家賃。広さに関わる間取りや部屋の広さは、意外にも優先順位が低くなっています。どうやら不動産投資家が考えるニーズと賃貸ユーザーのニーズには少しギャップがありそうですが、一言で言ってしまえば「お金」が最優先だと言えるのではないでしょうか。

ミニマリストの増加も人気を後押ししている⁈

ここ最近メディアでも取り上げられるようになった超コンパクトマンションですが、中には入居募集をかけた瞬間に次の入居者が決まることもあるとのこと。ただ狭小住戸では物も置けず、くつろぐスペースも確保できなさそうですが、本当にニーズが見込めるのでしょうか。

昨今の世の中の動きを見ると、超コンパクトマンションにも需要があると頷ける理由が見えてきます。2016年にマイナビニュースが行った年収1000万円以上の高所得者に行ったアンケート。自身がミニマリストかマキシマリストかを選んでもらった時に、62.6%がミニマリストだと答えています。

【出典】年収1,000万円超の人は「ミニマリスト」 or 「マキシマリスト」?

上記の理由として「家の中はスッキリさせていたい」「最小限のもので十分暮らせる」「片付けという余計な仕事が増える」というものが挙げられています。また、不動産住宅サイトSUUMOでは以下のようなアンケートも行っています。

「みんなの家賃は?年収は?住んでいるのはどんな部屋?」

【出典】SUUMO

ここまでのアンケート結果から分かることとして、一人暮らしの人は「物を多く持たず」「20㎡までで家賃が5万円まで部屋」に住む傾向があると言えます。物を多く持たなければ、18~20㎡がで十分だということでしょう。

そもそも昨今、お風呂に浸からずシャワーのみで済ます人やスマホやPCが普及してテレビを不要とする人も増えています。仕事が多忙な人であれば駅に近ければ良いと考える人も多いですから、上記までの結果も当然の結果と言えるのではないでしょうか。

超コンパクトマンション7つのメリット

さて、超コンパクトマンションに人気が集まる理由について解説してきましたが、不動産投資家にとってのメリットはあるのでしょうか。参考事例として、恵比寿、中目黒、新宿を中心に「QUQURI」というブランドで狭小アパートを建築している株式会社SPILYTUSがあります。


【出典】株式会社SPILYTUS

空間を立体的に捉えて間取りを工夫することで十分な広さだと思わせる、まさに狭さを逆手にとった物件を多く提供しています。具体的に紹介されている部屋も9㎡という狭さで、利回り5%出れば良い都心部でなんと利回り7%以上を実現しています。

10㎡前後しかないにも関わらず、バストイレ別、IHコンロ付きキッチンという今のニーズを完全に捉えた魅力的な物件。メディアでも多く取り上げられるほどの盛況ぶりです。こういった実例を見る限り、不動産投資家にとって超コンパクトマンションを「狭い」と一括りに嫌厭する必要はないかもしれません。そもそも超コンパクトマンションには、以下のようなメリットもあります。

  • 初期投資額が低く抑えられる
  • 単身者の増加により一定の需要が見込める
  • 東京都のワンルーム規制により資産価値が期待できる
  • 狭いことで管理の手間が減り、リフォームや修繕費用も安くできる
  • 狭いのを理由に入居者が友達を呼んで騒ぐことが少ない
  • リノベーションでお洒落な内装を実現しやすい
  • 維持コストが低いため所有戸数を増やすことが容易

このようにたくさんのメリットがある超コンパクトマンション。不動産投資家にとって、そのコンパクトさこそ目から鱗が落ちるメリットが詰まった新たな投資手法と言えるかもしれません。

まとめ

今回ご紹介した超コンパクトマンションですが、注意しなければいけないのは「場所はどこでも良い」わけではないという点。本記事でも解説したように、狭小住戸でも入居者が入る理由として利便性や家賃の安さが挙げられます。都内に出やすい場所や駅近であるからこそのニーズと言えるでしょう。

ただ建物の構造上、問題が無い範囲でイノベーションすれば部屋をお洒落にもできますし、女性をターゲットとした可愛い部屋にすることも可能です。狭さに悲観することなく、考え方を変えて間取りの工夫や最新設備への交換などを行えば、新たな可能性がひらけてくるのではないでしょうか。

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