変動金利でギリギリなら黄色信号!マイナス金利終了後の金利変動リスク | 不動産投資を考えるメディア

変動金利でギリギリなら黄色信号!マイナス金利終了後の金利変動リスク

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黄色信号

「毎月の家賃並みで家が持てます!」
ここ最近で、こんな謳い文句につられて不動産を購入した人は要注意。今の超低金利状態に両手を挙げて喜んでいる場合ではないかもしれません。現在は日銀によるマイナス金利政策により空前の低金利時代と言われており、今後もしばらくマイナス金利は続くだろうと予測されています。ただそれよりも「変動金利」の最低限のリスクを理解できているかどうか。最近の記事を見ているとマイナス金利が終了した時のリスクまで考えていない方が多いのではないかと思われるのです。そこで今回はローンで不動産を購入した方に向けて、そもそもマイナス金利政策とは何か、そして金利が上昇した時に返済額がどのように変化するか、シミュレーションを交えながら解説させていただきます。

マイナス金利の経緯と銀行の収益源の変化

マイナス金利政策という言葉を当然のように使っていますが、マイナス金利政策について単に「日銀が政策金利を下げてお金を流れるようにする」とだけ理解されている方が多いようです。それ自体は間違いではありませんが、もう少しだけ詳しく考えてみましょう。

銀行の主な収益は、預け入れられた資金を運用(貸出や債券購入など)したり、各サービスの提供による手数料収入があります。銀行はそういった経済活動をしていく中で日銀に準備金を預けていますが、以前は預けられたお金に0.1%前後の利息が付く仕組みだったため、銀行はわざわざリスクを負ってまで企業や個人にお金を貸し出さなくても、日銀に預けていれば利益を得られていました。つまり、市場に流れるお金が少なくなかったということです。しかし、長引く不況から脱却すべく「アベノミクス」が発動。同時に「黒田バズーカ」と呼ばれた金融緩和策を次々と繰り出します。その政策の一つが「マイナス金利政策」です。

マイナス金利の効果は不動産バブルへ

日銀の当座預金に預け入れているお金に対してマイナスの金利を設定するということは、銀行は利益どころか金利分を日銀に払わなければいけないということになります。すると当然、民間の銀行は「払う」よりも「利益を得られる」市場への貸し出しを積極的に行うようになります。事実、現在の一般的な住宅ローンは顧客の取り込みのために0.4%という超低金利が適用されており、不動産市場も活況にも繋がっています。政府の思惑どおりと言うべきかもしれませんが、少なくとも現在の不動産バブルの要因の一つに、この超低金利政策が影響していることは間違いありません。不動産バブルは都心部でのみ起こっているという向きもありますが、徐々にその影響が地方都市に波及しているのも事実で、デフレ脱却はまだ遠いかもしれませんが、アベノミクスの効果が全くなかったとは言いきれない状況です。

金利上昇したらどうなる?簡易シミュレーション

さて、上記で解説した0.4%という超低金利。これから不動産を買おうと思っている方にとって非常に魅力的なものであるのは間違いありません。しかし、これは今回のテーマである「変動金利」で適用されているもの。

不動産や金融業界に詳しい方にしてみれば今更レベルの話かもしれませんが、先日インターネットでも流れていた、現代ビジネスの「変動金利で住宅ローンを組む人は、実は破産予備軍かもしれない」という記事も現在の低金利状態に浮足立った人々に警鐘を鳴らす内容となっておりました。

■現代ビジネス「変動金利で住宅ローンを組む人は、実は破産予備軍かもしれない」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56583

その内容を簡単にまとめると以下のようなポイントに絞られます。

  • 変動金利を選ぶ人が多くなっている
  • 銀行は既に金利上昇を予想している
  • 債券価格と金利が過去のバブルを連想させる危険水準

その記事は、すぐに金利が上昇するとは言っていないものの、そう遠くない将来、それが現実となるかもしれないことを示唆する内容となっています。では、金利が上昇したら現在の金利で借り入れを行っている人にどう影響するのか、具体的な返済シミュレーションを見てみましょう。

変動金利0.4%で返済ギリギリは危険

まず、3000万円の物件を30年ローンで購入した場合のシミュレーションを例にしてみましょう。

金利0.4%の場合
毎月の返済額「約8万9千円」
金利1%になった場合
毎月の返済額「約9万5千円(+6000円増加)」
金利1.5%になった場合
毎月の返済額「約10万1千円(+12000円増加)」

このように、1%ほど金利が上昇しただけで毎月の返済額が1万円以上も増加するということです。この結果に「なんだ、大したことないじゃないか」と思われる方もいると思いますが、それは健全なローンの組み方をされている証拠と言えるかもしれません。しかし問題は、冒頭で申し上げた「家賃並みの返済で家が持てます!」といったような謳い文句につられて、ギリギリの返済で不動産を購入されている方が今後の金利の変化をどう考えているかです。

変動金利という超低金利ローンの盲点

既に住宅ローンを借り入れている人にとっては当たり前の話になるかもしれませんが、上記に挙げた0.4%という金利は変動金利という元々金利の低い商品であることに加え、「優遇金利」を適用した場合の話です。本来、住宅ローンというのは、優遇金利が適用されていない2.5%や2.7%などが基準金利となります。

つまり、0.4%という低い金利は、本当の金利である2.5%前後の基準金利に対して各金融機関が顧客獲得のための優遇金利というキャンペーンを行った結果であるため、この恩恵を受けていることを忘れていると、後の経済情勢の変化に耐えられずに破綻する可能性が出てくるということになるのです。

通常はこういった優遇金利の適用期間が終了しても、大幅に金利が上がることのないように1%ほどの金利優遇が継続されることがほとんどですが、それはあくまで銀行次第。仮にマイナス金利政策が終わった、経済情勢の変化で金利優遇できる幅もなくなったということでも起これば、住宅ローン金利3%、毎月の返済額約12万円なんて日がきても不思議ではないのです。

今後、不動産ローンの金利は上がる?下がる?

低金利に浮かれることの危険性を理解していただくため、少しネガティヴな話に傾倒しましたが、これは「もうすぐ金利が上がるから気を付けろ!」というようなものではありません。変動金利とは言っても、金利の見直しは通常は半年ごとであり、仮に日銀がマイナス金利をやめたところで直ちに不動産関連のローンに影響が及ぶわけでもありません。

また、銀行側も適用金利を急に上げてしまえば不良債権を大量生産するリスクを負うことになります。つまり、破綻者が多くなることを望んでいるわけがないのです。2019年10月には消費税の増税(8%→10%)という国民の財布に直撃する税制改正が控えている上、デフレ脱却への道のりはまだ遠いとする専門家の見解もあり、マイナス金利政策の終了はまだまだ先になるだろうという見方が有力です。

しかし、変動金利に影響が及ぶ予測不可能な事態が起こったとするなら、既に変動金利でギリギリの返済となっている人は、常に破綻リスクと隣り合わせであることを今一度認識された方がいいかもしれません。なぜなら、上記でご紹介した現代ビジネスの記事にもある通り、現在の債券価格はバブルを想像させるものであり、今の不動産バブルが崩壊に向かった時、何が起こるのかを正確に予測することは難しいためです。少しの変化で返済が困難になる状況なのであれば、早急に今後の返済計画の見直しをされたほうが良いでしょう。

まとめ

今回は、不動産投資とは少し離れた視点からローン金利について考察してみました。住宅ローン金利が今回の主題ですが、不動産投資ローンを利用される方にとってローン金利の変動リスクという点では同じことが言えます。現在所有の物件の空室リスクやキャッシュフローについて考察していくことも重要ですが、日々の経済ニュースなどから今後の金利政策がどのようになっていきそうなのか考え、それが現実化した時の想像してみることも、後のリスクヘッジに繋がる大事なことになるのではないでしょうか。

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