アパートローンが払えない!物件を売却せずに済む2つの対処方法

不動産投資で失敗して多額の借金を抱えるという話は、最近ではあまり珍しくなくなりました。不動産投資で失敗してしまった人たちが、その後どのように過ごしているかご存知でしょうか。

銀行から厳しい取り立てにあっているとか、銀行と話し合いをしているといったイメージがあるかも知れません。どのケースも考えられますが、実はアパートローンを借り入れた本人の状況や将来的にどうしたいかによって対処方法は異なります。

この記事では、アパートローンが返済できなくなった場合にどういった対処方法があるか、その種類や手続きについて解説いたします。

アパートローンが払えない時の対処は全部で6つ

「借金が返せなくなるとどうなるか」

この疑問に対していくつかの回答がありますが、消費者ローンなどと違い、不動産投資の融資については以下6つの方法が考えられます。

1. リスケ
2. 任意整理
3. 任意売却
4. 民事再生
5. 競売
6. 自己破産

最も不動産オーナーへのダメージが少ない方法は個人の事情により違いますので一概にお答えできませんが、少なくとも民事再生、自己破産、競売の3つは強制的に所有する不動産が処分されるため、できれば避けたい方法です。

特に競売は相場よりかなり安く不動産が売却されることになり、手続き完了後も引き続き返済が求められます。

これらの事情から不動産投資で失敗した際に取るべき対処は、一般的に「リスケ」「任意整理」「任意売却」が望ましいと言われています。

状況により対処が違う!?物件を売却せずに済む2つの方法

では、これらの3つの対処方法は一般的な解釈でどのように違うのでしょうか。

【リスケ】
「リスケジュール」の略。所有するアパートローンの返済期間を延ばしてもらい、確実に返済する旨を金融機関と協議する方法。
【任意整理】
アパートローンの返済金額の一部免除やそれに合わせて確実に返済できるように返済期間や返済額を金融機関と話し合う方法。
【任意売却】
金融機関に了承を得て、自ら所有する不動産の売却を行う方法。競売により安価な評価額で不動産を売却されるのに比べ、市場価格に沿った適正な評価額で売却できる可能性がある。

さて、せっかく始めた不動産投資も目的を果たせないまま物件を手放す結果になれば間違いなく失敗です。「老後の副収入として保有し続けておきたいのに……」と考える人ももちろんいるでしょう。

そこで、不動産を売却せずに解決する方法として、「リスケ」と「任意整理」の2つに絞ることができます。

返済を続けていくことを示すため、金融機関と真摯に向き合って返済額や返済期間を話し合います。確実に返済を進めながら不動産投資を続けられますので、最初に取るべき対処は「リスケと任意整理」と言えます。

ただ、リスケや任意整理の話が上がれば、金融機関は「もうこの案件は危ない」という限りなく赤信号に近い判断をします。

そのため、金融機関によってはリスケも任意整理も認めず、競売前の差し押さえ手続きを一方的に進めるケースもあります。

こちらは真摯に話し合いたくても金融機関側が話し合いにも応じないのではどうにもなりません。何とか売却せずに返済を続けていく方法はないのでしょうか。

特定調停とは?正しい方法と詳しい手順

そんな八方ふさがりの状況を打開するのが「特定調停」です。

特定調停とは、「債務者と債権者の間に裁判官が入って返済方法について話し合う手続き」のことで、特定調停による話し合いはいわゆる裁判と同じであるため、金融機関も無茶な要求はしづらくなります。

リスケと特定調停は債務を整理する点で同一のため、任意整理としてまとめて解説されることが多いですが、仲介役がいるかどうかという点では異なります。

つまり、特定調停とは不動産をどうしても手元に残したいが、金融機関が話し合いに応じない場合に有効な手段なのです。

では、特定調停を勧めるための手続きの流れを見てみましょう。

1. 簡易裁判所にて申立書を入手する
2. 特定調停の申し立てをする
3. 調停期日の通知が送られてくる
4. 1回目の調査期日に調停委員との話し合い
5. 2回目の調査期日で債権者との話し合い
6. 話し合いの成立

このようにさほど難しい手続きを踏む必要はなく、基本的に弁護士を通さなくても特定調停は可能です。費用も安価で申し立て先の相手1人(1社)につき印紙代と手数料で計1000円もかかりません。

弁護士に相談して破産を防ごう

特定調停には、平日しか手続きできないことや督促が直ぐに止まらないというデメリットもあります。

手続きに慣れていなければ、必要書類の準備や手続き方法の確認で時間がかかったり、話し合いまでに決める必要がある返済計画をどう決めたらよいか分からなかったりというケースも考えられます。

やはり、時間や精神的な余裕がない場合は弁護士に依頼した方が良いでしょう。

そこで問題になるのが弁護士費用です。特定調停の弁護士費用は「10~20万円」が相場になります。

「お金が無いから特定調停するのに弁護士に依頼するわけがない」と思われるかも知れませんが、分割払いに対応した弁護士事務所もありますし、法テラスの制度を利用すれば、一時的に弁護士費用を立て替えてくれます。

担保が設定されたアパートローンの特定調停は「不動産は手元に残したい」「債務額が大きすぎて任意整理でも返せるか分からない」など、消費者ローンなどの借金問題とは少し性質が違います。

スムーズかつ有利に話し合いを進めるには、無理に個人の努力だけで行動せず、弁護士などの専門家に依頼した方が良いでしょう。

まとめ

アパートローンが払えない事態に陥った場合、特定調停が有効と解説しましたが、それはあくまで「不動産を手放したくないが、銀行の姿勢が一方的すぎる」場合に検討すべき対処方法です。

ローンの返済ができなくなった場合、状況によっては別の対処方法が必要になることもあります。何が一番良いかは無理に自分の判断や知識で進めるのではなく、債務整理の分野を得意とする弁護士に相談するのが最良の手段と言えるのではないでしょうか。

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