朗報?悲報?オリックス銀行 不動産投資45年ローンはどこで申し込める?

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不動産投資で利用するローンの借入期間は、長くて30年や35年が一般的。この借入期間を長くできればキャッシュフローが良くなるのにと考えたことはないでしょうか。

実は借入期間を「45年」と超長期で利用できるローンが提供されています。提供しているのはオリックス銀行。先日、日経新聞社がそれを報じたことにより不動産投資家や不動産投資に興味のある方の間でちょっとした騒ぎになっています。

今回はオリックス銀行が開始した投資マンション向けの45年ローンの詳細を調べてみましたのでご紹介したいと思います。

オリックス銀行 不動産投資45年ローンの概要

オリックス銀行が提供する不動産投資用の45年ローンは、正式名称で「投資用マンションローン」です。さっそく商品概要をご覧ください。

【オリックス銀行 投資用マンションローン概要】
借入要件借入時年齢20歳以上60歳未満(最終返済時85歳未満)
収入前年度の税込年収400万円以上で安定収入があること
職業同一勤務先に3年以上勤務していること
その他
  • 団体信用生命保険への加入
  • 保証会社の保証が受けられる
  • 現在の借入について直近1年以内に延滞がないこと
物件の条件対象物件投資用マンション(購入・借換・諸費用)
面積18㎡~40㎡未満
間取り1R・1K・1DKなど
エリア一都三県、近畿エリア(大阪・兵庫・京都)、名古屋市、福岡市
融資条件借入期間1~45年
金利所定の短期・長期プライムレートを基準とする変動金利型
※2019/6/8時点で短プラ1.675%
返済方式元利均等返済
手数料取扱事務手数料108,000円(税込み)
出張費32,400~86,400円 ※出張が必要なケースのみ
繰上返済繰上返済金額に対し0.5~2%の解約金

■出典:オリックス銀行 投資用マンションローン

上記に加えて、2018年11月に日経新聞が報じたニュース内容もご紹介します。

  • 45年ローンの開始は2018年5月以降
  • スルガ問題で投資用不動産への融資が鈍化したため貸し出しを強化する
  • 団体信用生命保険の期間も延長
  • 適用金利は長プラ連動1.8~2.9%、短プラ変動1.875~2.975%
  • 自社データより45年でも貸し倒れリスクは低いと判断した可能性

■出典:オリックス銀、45年不動産投資ローン 若年層取り込み

オリックス銀行の投資用ローンの商品概要にある通り、完済年齢85歳から逆算して45年だと40歳までなら融資を受けられるということになります。返済が長期になれば毎月の返済額を抑えられるため、不動産投資初心者にとってかなり魅力的な商品に映ることでしょう。

45年ローンと35年ローンでどの位の違いが出る?

それでは、実際に45年ローンを組んだ時に35年ローンと比較してローン返済額などにどのような違いが出るかを比較してみましょう。なお、借入額は2000万円、金利2%とし、完済まで借入条件は変わらないと仮定します。

45年ローン(540回払い)
毎月返済額:約5万9000円
年間返済額:約71万4000円
返済総額:約3212万円
35年ローン(420回払い)
毎月返済額:約6万9000円
年間返済額:約83万2000円
返済総額:約2915万円

仮に家賃が6万9000円だとしたら35年ローンはトントンですが、45年ローンは1万円のプラス。毎月の返済額が1万円低くなるため確かにキャッシュフローは良くなります。

しかし、ローンを組んだ45年後には優位性は完全に逆転します。先ほどの条件に加えて10年目に家賃が1割ダウン、20年目から2割ダウンと仮定すると以下のようになります。

45年ローン(540回払い)
1~10年目の収入:120万円
11~20年目の収入(1割ダウン):37万円
21~45年目の収入(2割ダウン):▲114万円
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45年後収入:43万円
35年ローン(420回払い)
1~10年目の収入:0円
11~20年目の収入(1割ダウン):▲83万円
21~35年目の収入(2割ダウン):▲248万円
——————————-
35年後収入:▲331万円
36~45年目の収入(2割ダウンから変わらず):約662万円
——————————-
45年後の収入:331万円

最終的には35年ローンの方が約290万円も多く手元に残すことができます。実は上記の計算式、ここまで分解して計算する必要はなく、単に返済総額の違いとも言えます。

言い換えると「45年ローンは36年目以降の利益を先取りしているだけ」ということでもあるのです。そもそも45年ローンにしたからといって表面利回りは1%も改善しません。

それでは、「45年ローンは何のメリットも無いのか?」と言うと、必ずしもそうとは言い切れず、毎月確実にキャッシュを残しつつ、繰上げ返済を組み込んだ投資をするのであれば45年ローンという選択肢もあるでしょう。

単に「毎月の収支が改善する」と考えるだけではなく、老後の資産という目的があるならば、手元に残るお金は35年ローンの方が多いという事実は忘れてはいけません。

オリックス銀行 不動産投資45年ローンの申込方法

45年ローンと35年ローンは単に利益の先取りをするかどうかの違いだとお伝えしましたが、どちらが良いかは個々人の考え方や戦略によって違います。最低限、申し込む前に緻密なシミュレーションと投資を行う目的はハッキリしておきましょう。では、オリックス銀行の投資用ローンを利用するにはどのように申し込めばよいのでしょうか。

実のところ、オリックス銀行の45年投資用マンションローンはまだ大々的に募集していません。提携している不動産会社から打診された案件に対して個別提案を行う形式となっています。事実、以下の商品一覧を確認しても投資用マンションローンの名はありません。

■参考:オリックス銀行「商品・サービス一覧」

今回ちょっとした騒ぎになっているのは、45年ローンが組めたという話がSNSで拡散されたことで話題になったとのこと。念のためオリックス銀行の公式サイトを確認してみると、やはり商品一覧など見ても該当の商品はありませんでした。

もし申し込みを検討するのであれば、オリックス銀行と提携している不動産会社とコンタクトを取るか、もしくは抜き行為にならないように気を付けつつ、購入予定の物件を提携不動産会社に仲介してもらうという方法になると思います。

考えられる懸念と45年ローンに対する世間の反応

45年ローンというのは実はあまり珍しいものではないとする人もいます。例えば下記のブログにもあるように、バブル期には100年ローンなんていうものも存在していました。

■参考:オリックス銀行の「45年ローン」は劇薬注意

ここ数年でバブル状態となってきた不動産価格は、既に手を出しにくい水準まで高騰しています。これでは銀行も貸出先が減る一方です。

ただ、不動産市場とローンの関係性を考えると「家賃でローンが支払えれば良い」という方向に考えが向くのは当然のことで、リスクが低いと分かれば他の金融機関でも45年という超長期ローンを導入する可能性は出てきます。

そこで懸念されるのは「不動産価格の高止まり」です。高止まりで済めばいいですが、これで投資家による不動産需要が高まれば、更に不動産価格が上がる可能性もあり、もはや一般個人にとって不動産は買いづらいどころか手の届かない価格になることも考えられます。

つまり、購入者が減らないと踏んだ不動産会社が価格を吊り上げる可能性があるということです。これはあくまで想像の域を超えませんが、可能性はゼロではありません。

では、最後に45年ローンに対して世間がどのように見ているのか、Twitter上の反応も見てみましょう。

まとめ

そもそも、45年ローンというのは返済を延長しただけであり、総返済額がアップすることを考えると効率的な投資とは言えません。

確かに毎月のキャッシュフローが良くなるというメリットはありますが、それは同時に資産価値の減少や家賃下落、金利上昇、抵当権により売るに売れないなどのリスクを延長して抱え込むという事でもあります。

やはり、不動産投資の鉄則である「長期的なシミュレーションを行う」ということは忘れることなく、目先のキャッシュフローに踊らされて高値掴みをしないようにだけ気を付けなければいけません。

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