不動産担保ローンとリバースモーゲージは何が違う?特徴・条件等を比較

融資・ローン・金利
20190717

昨今の不動産業界では、実に様々なローンの種類を耳にするようになりました。その中でもよく話題になるのが「リバースモーゲージ」です。リバースモーゲージと聞くと、何となく中高年のイメージをお持ちの方も多いかと思います。ただ「どんな仕組みか」と聞かれても、上手く答えられない方も多いのではないでしょうか。

今回は不動産担保ローンとリバースモーゲージについて特徴や何が違うのかといった視点で解説します。実はそれほど難しくない仕組みであることが、この記事を読めば分かるはずです。

不動産担保ローンとは?

不動産担保ローンとは、所有している不動産に抵当権を設定する代わりにお金を借りられる仕組みのローンです。「ホームエクイティローン」という商品名で融資する銀行も多くなっています。基本的な仕組みは普通の住宅ローンと同じですが、不動産担保ローンは住宅ローンと比べて以下の点で異なります。

  • 金利が住宅ローンより高い
  • 借入金の使用目的の制限がない
  • 今後所有する不動産か既に所有している不動産かの違い

住宅ローンはこれから買う不動産に抵当権を付けてお金を借ります。不動産担保ローンは、お金を借りるために既に持っている物件に抵当権を付けるという違いです。

もちろん不動産に抵当権を付けるだけなので、その不動産が自宅でも今まで通り住み続けられます。通常は、いずれ老朽化する建物の担保価値を低く見て、土地の評価額を借入限度にするのが一般的です。そのため借入額が少ない点も住宅ローンとの違いと言えるでしょう。

また、マンションは土地の持ち分があるものの基本的には建物がメインの不動産です。そのため築年数が古いと担保価値がかなり低く見積もられるため、不動産担保ローンの融資対象にならないケースもあります。

不動産担保ローンの借入条件と金利

不動産を担保にするということは「住宅ローンの残債があると不動産担保ローンを利用できない」と思うでしょう。しかし、残債の額によっては不動産担保ローンを利用できます。

不動産担保ローンが利用できる残債額に決まりはありませんが、多くの金融機関は「借入額の4割」を返済していれば利用可能としていたり、住宅ローンと他ローンをまとめる「おまとめローン」として融資する商品が多いです。

例えば、楽天銀行の不動産担保ローンの商品説明にも以下のようなメリットが謳われています。

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■出典:楽天銀行「不動産担保ローン」

不動産担保ローンの具体的な商品内容は金融機関により違います。そこで有名3行の不動産担保ローンを比較してみましょう。

不動産担保ローンの比較
 楽天銀行オリックス銀行東京スター銀行
対象者・20歳以上70歳未満で完済時年齢が80歳未満
・日本国籍または外国籍で永住権がある
・継続収入がある
・保証会社の保証を受けられる
・首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市に居住用不動産を所有し担保提供できる
・住宅ローンプラザへ来店可能
・30歳以上60歳未満で完済時年齢80歳未満
・同一勤務先に3年以上勤務している
・税込年収700万円以上で安定収入がある
・保証会社の保証が受けられる
・団体信用生命保険に加入できる
・日本国籍または外国籍で永住権がある
・年収200万円以上
・20歳以上69歳以下で完済時年齢が84歳以下
使用用途自由・不動産の購入・建築費用
・上記の借り換え資金
・相続や事業承継に関連する資金
・その他オリックス銀行が認める資金
自由
借入限度額100万円~1億円1000万円~2億円100万円~1億円
借入期間最長25年最長35年最長20年
金利2.83~9.43%変動金利:3.675%
固定金利:3年固定3.300% / 5年固定3.500%
0.85~8.35%

リバースモーゲージとは?

昨今では不動産担保ローンによく似た「リバースモーゲージローン」が注目を集めています。不動産を担保にお金を借りる点では不動産担保ローンと同じです。不動産担保ローンはお金を借りたら毎月返済しますが、リバースモーゲージは毎月返済ではなく最後に一括返済するローン。つまり、先にお金を借りて、契約者の死亡時などに不動産を売却することで返済するのです。

リバースは「反対」、モーゲージは「抵当権」ですので、その名の通り、「金利や元金が積みあがることで融資額が増えていくローン」と考えると良いでしょう。リバースモーゲージは借入期間中の返済が必要ない分、一時的なキャッシュや毎月の生活資金が必要な時に役立つローン。返済は不動産を売却しても良いですし、借入額の返済でも問題ありません。

以下のように、リバースモーゲージの借り入れ方法は大まかに3タイプに分かれます。

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※あくまでイメージ図であり、元金と利息が増加する目安ではありません。

①一括借入型
不動産を担保に入れた後、不動産の評価額に合わせて一括借り入れを行います。元金に対して徐々に利息が積みあがっていく方式で、返済は不動産を売却すれば完了です。但し、金利上昇時には不動産を売却しても債務が残る可能性があります。
②年金型
毎月一定額を借り入れる方式です。年金にプラスの生活資金などに出来るメリットがある反面、借入限度額に達すれば新たな借り入れができないため、長生きするほどリスクが高まります。
③任意借入型
任意のタイミングで借り入れる方式です。いざという時のために不動産を担保に入れておくことで、病気やケガによる入院、冠婚葬祭、高齢者施設への入居費用などの急な出費に備えられます。但し、限度額に達すると、それ以上は借り入れができないため計画性が必要です。

リバースモーゲージの借入条件と金利

少子高齢化社会となった今の日本では、リバースモーゲージは高齢者の年金以外の資金調達方法としても注目を集めるようになりました。有名3行のリバースモーゲージの特徴を比較してみましょう。

リバースモーゲージの借入条件と金利比較
 東京スター銀行
(充実人生)
りそな銀行
(あんしん革命)
三菱UFJ銀行
(リバース・モーゲージ型 住宅関連ローン)
対象者・日本国籍または外国籍で永住権がある
・55歳以上(配偶者がいる場合、配偶者年齢50歳以上)
・年収120万円以上
・自分か配偶者名義の戸建やマンションに住んでいる
・日本国籍または外国籍で永住権がある
・50歳以上
・年金や給与所得など安定収入がある
・住宅金融支援機構の住宅融資保険の付保承認が受けられる
・日本国籍または外国籍で永住権がある
・60歳以上で80歳までに借り入れられる
・自分の自宅が一都三県にあり夫婦か単身で住んでいる
・年金や給与所得など安定収入がある
・住宅金融支援機構の住宅融資保険の付保承認が受けられる
使用用途自由・本人居住する住宅の建設、購入資金
・3年以内の定期借家契約により第三者に賃貸する住宅のリフォーム資金
・サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
・住宅ローンの借り換え資金
・子世帯等が居住する住宅の建設・購入資金
など
・本人居住する住宅の建設・購入・付随費用
・本人居住する住宅のリフォーム資金
・サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
借入限度額500万円~1億円建設・購入資金:100万円~5000万円
リフォーム工事費または入居一時金:100万円~1500万円
建設・購入資金:100万円~5000万円
リフォーム工事費または入居一時金:100万円~1500万円
借入方式目的タイプ:100万円以上の一括借入
カードタイプ:ATMなどによる任意借入
一括借入一括借入
借入期間終身まで終身まで終身まで
金利2.950%(執筆時点)2.475%(執筆時点)要確認
返済元金:期日一括返済
利息:毎月返済
元金:期日一括返済
利息:毎月返済
元金:期日一括返済
利息:毎月返済

この3行の違いは、東京スター銀行が独自の商品であるのに対し、他2行が住宅金融支援機構の「リ・バース60」を基にした商品であることです。独自のリバースモーゲージを商品化している銀行は少なく、東京スター銀行のリバースモーゲージは使途が自由というメリットが特徴的です。

ただ、今の日本の金融機関は一般の住宅ローン以外の融資にはかなり消極的。事実、国土交通省の調べによると、リバースモーゲージを商品化する予定がない金融機関は8割以上を占めます。

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■出典:国土交通省「平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」

長生きするほどリスクが高まる点や、そもそも高齢になってからの借金は危険過ぎると考える人が多いのは当然の事。金融機関もそういった点を踏まえるとあまりリスクを取りたくないのが本音なのでしょう。しかしながら、自分の不動産を活用できる点において計画性のある借り入れであれば、リバースモーゲージも資金調達の選択肢として検討しても良いのではないでしょうか。

まとめ

リバースモーゲージは老後資金や自宅建て替え資金の調達に非常に便利な反面、昨今の低金利政策が終了した後の金利上昇リスクをはらんでいます。当然、金利が上昇して借入限度額に達すると借り入れができなくなり、毎月の返済利息も多くなります。少なくとも、リバースモーゲージは「返済」と「相続」という2つのポイントを念頭に置いて利用すべきという事は覚えておいた方が良いでしょう。

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