新しい土地活用法!ドコモも参入したシェアサイクル事業とは?

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ここ最近、お店の片隅にシェアサイクル自転車が停めてあるのを多く見かけるようになりました。シェアサイクルとはレンタル自転車のこと。専用のポートがあれば、誰でもどこでも利用できる非常に便利なサービスです。シェアサイクルはモータースポーツ関連の企業が行っているイメージがあるかもしれませんが、実は現在、ドコモが積極的に推進しているサービス。なぜドコモがシェアサイクル事業に参入したのでしょうか。

今回は新しい土地活用方法としても参考になる、シェアサイクル事業について解説。ドコモのシェアサイクルと他企業のシェアサイクル事業がどう違うのかも合わせてご説明いたします。

ドコモが始めたシェアサイクルの概要


【出典】ドコモ・バイクシェア

ドコモが始めたシェアサイクルは、ドコモの子会社「株式会社ドコモ・バイクシェア」が行っている自転車のシェアリングサービス。利用料金は地域により異なりますが、東京都なら30分で150円、その後30分延長ごとに150円です。また1日乗り放題のコースだと1,500円、1ヵ月契約で2,000円となり、契約方法が3種類から選べます。料金の支払い方法は、クレジットカードとドコモ払い(ケータイ料金と一緒に支払い)を基本として、1日利用なら現金か交通系ICカードが利用可能です。

ドコモのバイクシェアは、今のところ東京都内の11の区と神奈川県の一部、その他仙台や広島、神戸などに展開されています。2019年6月時点で東京都だけでも690か所に専用ポートが設置されており、積極的にエリアを拡大する予定です。今後さらに多くの都市で利用できるようになるでしょう。

ドコモ・バイクシェアの仕組み

不動産投資とは一見無関係なシェアサイクル経営ですが、今回ドコモ・バイクシェアが開始したサービスの内容を見ていくと土地活用のヒントが得られます。従来のシェアサイクルの仕組みは、自転車を管理する施設や管理者の設置、それらに必要な機器や電源が必要でした。シェアサイクルのサービスを提供する事業者は、自転車の利用者や利用状況、返却の有無などを管理しなければいけなかったのです。

そんなシェアサイクルの仕組みに対し、NTTドコモは「次世代コミュニティサイクルシステム」を開発しました。自転車自体にGPSやカードリーダー、その他情報をサーバーと共有する機能を搭載。利用者ではなく自転車そのものの状況を把握しようという仕組みです。次世代コミュニティサイクルシステムでは、各拠点に設置されたポートと自転車に搭載されたセンサーが連携。センサーが感知すれば、自転車の利用開始と終わりを認識します。ポート以外のところに停めてあったり、決められたスペース以外に停めてあったりするとセンサーが感知せず、課金され続ける仕組みなのです。

従来のシェアサイクルとドコモの次世代コミュニティサイクルシステムの違いは、自転車を貸し出したり返却したりする拠点の規模。ドコモの次世代コミュニティサイクルシステムなら、様々な機能を備えた施設をわざわざ設置する必要はありません。小スペースのポートと電波さえあれば、どこでもシェアアサイクルの貸し出しや返却ができるのが次世代コミュニティサイクルシステムなのです。

ドコモ・バイクシェアに見る新しい土地活用方法とは

ドコモ・バイクシェアの仕組みで注目すべきは、「どこでもサイクルポートになり得る」という点。シェアサイクルビジネスの課題は、ステーションあるいはポートと呼ばれる自転車を置く土地をどう取得するかです。事実、SONYが運営する「WEEKLY MAGAZINE」というメディアのインタビューでは、NTTドコモ関係者による以下のような発言があります。

駐輪スペースにちょうどよい道路や施設は自治体の管轄になっているケースが多く、規制が厳しく設置がむずかしいんです。でもそうした場所は利用者の利便性が高いので、使用許可をとるためには行政としっかり連携していく必要性を感じています。

【引用】SONY My VAIO WEEKLY MAGAZINE

ドコモ・バイクシェアでは主な土地の取得を公共自治体と行っています。安全性や公共性を考慮した上で、公共自治体と組むことが最善の道だと判断したのです。ただし自治体と協業となれば、連携に時間や手間がかかる上、事業自体が入札方式になれば落札できない可能性もあります。自治体との連携とは、何かと時間と手間がかかるのです。

それに対し、もし立ち上げ直後のベンチャー企業がシェアサイクル事業を始めたら、成長スピードを加速させるために効率的な手段を選ぶでしょう。つまり時間のかかる土地取得より、空きスペースなどを活用したポート設置によりシェアを拡大しようとするはず。つまりドコモであろうがベンチャーであろうが、シェアサイクル市場が拡大するにつれて、ポートになる土地の獲得競争が予想されるのです。

小スペースの活用と言えば、やはり軒先ビジネス。自転車を出し入れするくらいなら、住宅街でも十分可能です。そんなビジネスがあれば個人投資家でも是非参入したいところですが、実際にそんなビジネスはあるのでしょうか。

空きスペースをシェアサイクルポートに活用できる「PiPPA」

シェアサイクルビジネスは拡大を続けていますが、ドコモ以外の事業では「PiPPA」が有名です。仕組みはドコモの次世代コミュニティサイクルシステムとほぼ同じ。専用アプリと専用ポートがあれば簡単に利用できます。

PiPPAがドコモ・バイクシェアと違うのは、個人の敷地も駐輪ポートとして活用できる点です。実際、公式HPでは「PiPPA駐輪場」を設置するオーナーを募集しており、収益も「駐輪ポートの稼働状況に応じた分配型」と「固定賃料型」の2タイプに分かれています。


【出典】PiPPA オーナー募集

シェアサイクルの普及は国も推している計画の一つであり、2017年に事故の軽減や環境配慮などを目的として制定された「自転車活用推進法」においても、シェアサイクルポートの倍増計画が示されています。湾岸エリアなどでは、観光客がシェアサイクルを利用している姿を見かけることがあります。最寄り駅から離れている観光地も少なくありませんので、別のショッピングモールへ移動したり、近隣の観光スポットへ移動したりする際にシェアサイクルは需要が見込めるでしょう。

もちろん用途は観光に限られているわけではありません。中央区や港区などの企業が多いエリアにも駐輪ポートは多くありますので、支店間の移動や商談でのちょっとした移動といった利用も見込めるでしょう。その他にも使い方のアイデアは尽きませんが、今後、駐輪ポートやサービスが拡大するほど便利なサービスとして受け入れられていくのではないでしょうか。

まとめ

ドコモ・バイクシェア社が行う事業は、民間企業が国と協力して余った土地を有効活用しているという点で新しい土地活用法だと言えるでしょう。公共事業における土地をどう活用するかは、再開発事業などとして民間企業が入札して初めて決定されます。シェアサイクルポートという新しい選択肢は、日本各地の公共事業で受け入れられていくのではないでしょうか。

それに対し、PiPPAのような個人所有の空きスペースを活用する事例もあります。軒先ビジネスの一環と言えますが、個人所有の土地についてビジネスの選択肢が増えることは決して悪いことではありません。今後もシェアサイクル事業の普及には注目していきたいと思います。

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