後悔しない土地選び!お金をかけず地盤の強弱を確認する5つの方法

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地層

過去、幾度となくニュースになってきた欠陥住宅問題。地盤調査や地盤改良などを行っておらず、家が傾いたりマンションそのものが傾いたりというニュースは何度も報道されてきました。大金を払って購入した物件にもかかわらず業者の手抜きが発覚すれば、訴訟問題に発展するのは免れません。気が遠くなりそうな無駄な時間とお金を浪費することになるでしょう。

では、一般の人が土地の地盤について調べる方法や、ほかに何かできることはあるのでしょうか。今回は持ち家や投資用アパートなどを購入する際のリスクヘッジとして、「地盤の強弱」を自分自身で調べる方法を解説します。まずは費用のかからない方法からご紹介しますので、自分でできる範囲で今お住いの地域について地盤の強弱を調べてみてはいかがでしょうか。

旧住所の「字」に隠された事実

現在の住所はほとんどの地域で「○○県 ○○市 ○○町 〇丁目○〇番地 ○○号」と、場所や区画をハッキリと示すのが一般的です。ただ都心から少し離れると、以下のような住所を見かけることがあります。

「〇〇県 ○○群 ○○村 大字○○ 字○○123」

上記のような何番地の何号なのか分からない住所だったり、「字」に続いて「下」や「上」といった文字が付いたりする場合もあります。そもそも「大字」「字」とはどんな意味なのでしょうか。

「大字」とは?
「大字」は、昔の人が使っていた地域名であり、今で言うところの「町名」にあたる
「字」とは?
「字」は、その地域の中での土地柄や土壌、災害にちなんだ名前になっていることが多い

重要なのは「字」の次に付く名称です。例えば「字梅田」という名称があったとして、「梅」は「埋め」を意味することがあると言われています。事実、大阪の梅田は湿地帯だった場所を埋め立てて作られた街です。他にも「字」に続く文字には以下の意味が含まれていると言われています。

「市」が付く地名その地域で過去に市場が盛んだったなど
「蛇」が付く地名「蛇抜け」という言葉が由来している可能性があり、土砂崩れや土石流を指す
「緑」が付く地名元は湿地帯だったと言われることが多い
「袋」が付く地名土地が袋状になっており浸水しやすい
「谷」が付く地名文字の通り、周辺よりも低い立地のため水が溜まりやすいなど

※上記は一般論であり、地名には諸説あります。

例えば「蛇」という文字の付く地域ですが、大雨の日に川の流れが止まったかと思ったら、岩などで堰き止められていた上流の土砂が一気に流れ出す様子を表す言葉。以前その場所で土砂崩れなどが起こったことから、昔の人が「蛇が通る様子」をイメージして名付けた地域という可能性があります。

ちょっと気になる住所もそうでない住所も、登記簿で住所の遍歴を調べたり図書館などで過去の地図などを見たりすると、昔の住所から何かのヒントが得られるかもしれません。

過去の航空写真や古地図で地域性を見る

この記事をお読みいただいている方の中には、自分の小さい頃の写真に映る周辺の風景を見て「随分と街が変わったんだな」なんて思ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、そんな昔の写真にヒントが隠されている場合もあります。

■出典:国土地理院「空中写真」

国土地理院が提供している「空中写真」というページでは、昭和初期の頃からの航空写真を確認できます。古くなればなるほど確認できる地域は限られてきますが、少なくとも昭和50年頃を過ぎたあたりから幅広い地域の航空写真を確認可能です。過去の写真を見て昔その土地に何があったのか確認できれば、地盤の強弱を判断する一つの基準にもなるでしょう。

また、国立図書館等に行くと古地図を確認できますが、昭和よりもっと古い江戸時代の頃からの地図を確認できる地域もあります。特に東京は川や湿地帯、海などを埋立てた土地が多いため、自分の所有する土地の古地図を見てみてはいかがでしょうか。

周辺の土地との高低差やデコボコを確認する

道を歩いている時に「この道路、何だかデコボコしてる」と感じたことはありませんでしょうか。実はその道、地盤があまり強くない可能性があります。特に大型車両が通るわけでもないのに道路がデコボコしたり、家を建てて間もないのに道と家に高低差ができたりする土地は注意が必要です。

そもそもコンクリートの下には土がありますので、多少のデコボコは仕方ない範囲です。ただ傾いた家が多かったり電柱が傾いていたり、また家の基礎にひび割れが目立つ地域は地盤の緩さが原因の可能性を考えたほうが良いかもしれません。

また、土地の高低差は道と家に限った話ではなく、もっと広い範囲で見てみる必要があります。基本的に周囲の土地よりも低い場所は水が流れ込みやすいのは言うまでもありません。ただ山や丘を削った地域ではなく、明らかに昔からの標高が周りより低い土地柄としては水が溜まりやすい上に水はけが悪いです。そのため地盤の弱い地域である可能性が高いと言えます。

マップツールを使って調べる

Googleマップを始めとしたインターネットの地図が当然のように利用できる現在、地盤や活断層、災害危険地域などを示してくれる便利な地図ツールがあります。例えば、ジャパンホームシールド株式会社が提供する「地盤サポートマップ」。「強い地盤」「やや強い地盤」「普通の地盤」「弱い地盤」の4段階で、全国の地盤の強弱を確認できます。

■出典:ジャパンホームシールド株式会社「地盤サポートマップ」

住所検索はもちろん、地図上から気になる地域を拡大していくと地盤の強弱を表す4色のマークが現れますので、非常に分かりやすくなっています。また、国土交通省のホームページから確認できる「ハザードマップ」も念のため確認しておきたいところです。

国土交通省のハザードマップは、「洪水ハザードマップ」や「内水ハザードマップ」を始めとして、高潮、津波、土砂災害、火山、地震防災危険度といった種類のハザードマップを確認できます。地図から気になる地域を選択していくと各自治体で公表している公式ページに遷移しますので、詳細な情報は各地域のページで確認しましょう。

■出典:国土交通省「国土交通省ハザードマップポータルサイト」

地盤強弱についての情報はないものの、その地域の災害情報を見れば地盤の強弱に関するヒントが得られるはずです。地盤だけでなく命を守る大事な情報ですので、ハザードマップの存在は非常に重要です。

地盤調査を依頼する

ここまで自分でできる地盤の強弱の確認方法をご紹介させていただきました。最も確実なのは、費用をかけて地盤調査会社などの専門家に依頼することです。一般的には「スウェーデン式サウンディング試験」と「標準貫入試験」のどちらかで地盤調査を行います。

スウェーデン式サウンディング試験
ロッドと呼ばれる金属の棒を土にねじ込み、一定の距離を貫通していくのにロッドがどのくらい回転するかを測定する手法
標準貫入試験
ボーリング調査とも言われ、土の硬さや締まり具合を調べる。ハンマーでサンプラーと呼ばれる筒状の棒を上から叩いて、30cm貫入させるのにハンマーで何回の打撃が必要か測定する。地盤の強弱だけでなく地質の調査も可能となり、世界中で最も多く使われる手法

スウェーデン式サウンディング試験の場合は数万円から10万円代、標準貫入試験の場合は15~20万円前後が相場だと言われています。地盤の強弱を気にされる方は、地盤調査の専門家に依頼するのも検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

区分所有の不動産をお持ちの方であれば、あまり興味のないかもしれない地盤の強弱に関するお話。ただ過去には地層にある岩盤にまで杭を打っていなかったためマンションが傾いた事件もありました。そもそも過去の事件を探ると、建物に関する不正問題は多く報道されてきたのは事実です。

とはいえ、施行会社から一般の方が竣工に関する書類を開示してもらうのは難しいと言われています。その場合は結局のところ調査会社等に依頼するほかありません。特に土地から購入してアパートを建てる場合は大きな資金が動きますので、今後の物件価値を高める一つの証拠として地盤調査をしてみてはいかがでしょうか。

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