収益物件を自主管理する場合の注意点 | 不動産投資を考えるメディア

収益物件を自主管理する場合の注意点

収益物件を「自主管理」する場合の注意点

不動産投資で成功するために収益物件の管理業務は大変重要なことです。物件を自ら管理する自主管理と、管理会社委託がありますが、自主管理の方が管理コストがかからない分、利回りが高くなるというメリットがあります。それでは、自主管理を行う際の注意点は何なのでしょうか。この記事で解説していきます。

物件管理業務とは?

収益物件の管理業務には大きく分けて「収納管理」「建物管理」「入居者管理」の3種類があります。

「収納管理」
収納管理とは、入居者からの家賃の入金確認や家賃が払われていなかった場合に催促などをする管理業務のことです。
「建物管理」
建物管理とは、玄関やロビーなどの共用部分の清掃や電灯の交換、壁や床などの小規模な修繕から、防水工事など大規模な修繕の対応など建物の設備や機器の管理業務のことです。
「入居者管理」
入居者管理とは、入居者の状況を確認して、空室が出そうだったら入居者の募集をかけるなど、入退去業務からクレーム対応までを行う管理業務のことです。

管理会社委託の場合、管理費はどれくらい?

収益物件の管理は煩雑になるため、本業を持っている不動産投資家は管理会社委託を行うケースが一般的です。委託する場合の管理費用は、全国宅地建物取引業協会連合会が調べた2010年の「賃貸不動産管理制度に関する調査研究」によると、平均で月額賃料の約5〜6%となっています。例えば、毎月300万円の家賃収入があれば、15万円〜18万円程度になります。この管理費用を安いと見るのか、それとも高いと見るのかはオーナーの管理に対する考え方次第でしょう。さらに大手企業の場合、約10%ほど管理費用がかかる場合もあるようです。

最近は自主管理を行うオーナーが増えている

最近では物件管理によるコストを減らしたいとか、自分で満室にしたいというオーナーが増えてきています。自分で収益物件を管理する方法を「自主管理」と言いますが、その方法を自ら選ぶ人も多くなってきました。この背景には物件の管理委託しても管理会社がきちんと対応してくれない場合がある為です。

例えば、大手管理会社に管理を委託したオーナーの話では、退去の知らせが遅れて1ヶ月も空室を放置されたことがあるそうです。家賃の収納を担当している部署に退去の知らせがあったのですが、退去情報を入居者管理の部署と共有していなかったのが原因らしいのです。部署が細分化されている大手だからこそありがちな問題ですが、オーナーからしてみれば収益を大きく下げる要因にもなりかねません。

大手だからと言って安心はできないのです。もちろん、小さな会社でも同様です。例えば、地方の不動産会社で従業員が1人しかいないというケースもあります。のんびり管理をやっている状態で、オーナーの中には空室が出ていても何ヶ月も放置されたケースもあったと言います。

入居者審査のポイント

オーナーの意図に沿わない管理体制が原因で管理会社を変える場合だけでなく、初めから自主管理を目指す方も多いようです。しかし、自主管理の場合、入居者に問題があると負担は増える一方です。負担が増えれば、サラリーマンを続けながら賃貸経営を継続することは難しくなってきます。入居者審査のポイントを3つ挙げます。

  1. 1.問題がありそうな人を入居させない
  2. 2.見た目も大事だが、人柄を重視すること
  3. 3.心の病を持っている人には特に要注意

まず、自主管理の最も重要なことは「入居者をよく選定すること」です。問題を起こしそうな人が入居してしまえば、収益物件の資産価値を大きく下げてしまうことにもつながりかねません。いい加減な人や不安定な職業に就いている人は家賃の滞納リスクを上げてしまうことになり、家賃の催促をする手間も増えることになります。

また、人柄に問題があると近隣トラブルの原因になってしまいます。そのクレーム対応で大きな負担を抱えてしまうことになります。このような問題を減らすためには、そもそも問題がありそうな人を入居させない=入居者をきちんと選定するというのが、トラブルを減らすための管理の第一のポイントとなります。

問題のある人を入居させないためには?

それでは、問題がありそうな人を入居させないためにはどうすればよいのでしょうか。
入居審査で入居希望者を見極めるポイントは大きく分けて2つになります。1つは、収入や職業、連帯保証人などの個人の属性、もう1つは、トラブルを引き起こしそうな人物かどうかという人柄・見た目です。

収入や職業は、実際に勤め先になどに電話をかけるなど客観的に調べられるため、基本的に嘘をつくのが難しくなります。職種については風俗や水商売など、収入は高いものの定着率が悪い職種については人柄で判断するようにした方がいいでしょう。いい加減な人では、入居後に仕事を辞めてしまい、家賃の支払いに問題が出てきてしまう場合もあるからです。

連帯保証人は家賃保証会社がなるケースも多いのですが、家賃保証会社の審査は意外といい加減だったりするので、本当にトラブルを起こす人かどうかを見抜くことはできません。そのため、必然的に人柄の審査を重視する必要が出てきます。

問題がある人=人柄に問題がある

第二のポイントは「人柄を重視する」ことですが、具体的に人柄を判断するためにはどうすればよいのでしょうか。
第一には「入居の理由」を聞くようにしてください。なぜこの時期に入居することになったのか。毎年入居需要がピークになるのが入学や就職が重なる2〜3月頃ですが、もしピークの時期から外れている場合はその理由をきちんと聞いておくべきでしょう。

次に「以前、住んでいた場所の退去理由」を中心に調べることです。だいたいトラブルを起こしてしまう人は、前の住居で問題を起こしているケースが多いものです。理由が明らかになれば、対処方法も見つかるかも知れません。人柄を見る時には、第一印象も大切にしましょう。優秀な管理会社の入居審査担当の方も一番重要視しているのは、何よりも「その人に会った時の第一印象」だと言います。その人の第一印象は「入居した時の雰囲気を端的に表している」と言います。

では、第一印象で何を見るのかというと、会った時の雰囲気やコミュニケーション能力などです。入居審査の時にきちんとしたコミュニケーションが取れなければ、入居してからも近隣トラブルを起こす可能性が高くなります。入居審査の時間に何も連絡せずに遅れてくる人も問題があります。何の連絡もせずに時間に遅れてもいいと思っている人は、家賃が遅れても問題がないと思っている人も少なくないからです。

不動産投資の成功率を高めるためには、入居審査では人柄を見ることがとても重要です。仮に管理会社に入居審査を任せる場合でも、第一印象を重要視する管理会社を選ぶというのもポイントになります。

生活保護利用者を入居者として入れるべき?

生活保護を受けている世帯数(出典:厚生労働省)
自主管理_生活保護

入居希望者の中には生活保護受給者もいます。不動産投資家の中には、生活保護を受けている人を積極的に受け入れているオーナーもいます。生活保護を受けざるを得なくなった理由は様々ですが、一般的には高齢者世帯で社会保障や貯金などの減少や喪失、母子世帯では配偶者と離別したことで急激に所得が落ち込んだなどの理由も存在します。

生活保護を受けている人は属性が悪いように思われますが、実は逆で属性はとてもいいのです。その理由は、住居扶助というお金にあります。生活保護を受けている人は、生活費として使用する生活扶助と家賃として支払う住宅扶助が国から支給されることになっています。

システム上は、家賃は必ず支払えるのです。例えば、東京23区内の単身世帯では5万3700円が支給されます。生活保護を受けている人を入居させるのは、実はむしろ収入が不安定な人を入居させるよりも確実に家賃収入が得られるのです。

しかも住宅扶助は、生活費に流用してはならないということが生活保護法によって決められています。必ず家賃として支払うことが義務づけられているので、確実に家賃収入が得られるということになります。収益不動産のキャッシュフローを健全化させるために重要な入居者とも言えるのです。

アルコール依存症やパチンコ依存症には要注意

生活保護受給者の属性に関しては国が面倒を見てくれるので問題がないと言えるかもしれません。しかし、生活保護を受けている人の中には、そもそも人柄に問題がある人も少なくありません。例えば、仕事を辞めて収入が減った理由や貯蓄が減った理由、離婚した理由などがアルコール依存症やパチンコ依存症などのさまざまな依存症や深刻な精神疾患である場合もよくあります。

アルコール依存症やパチンコ依存症を一人だけで治癒することは、ほぼ不可能に近いといわれています。生活保護の家賃扶助は本人に支給されるのですが、そのお金をお酒やギャンブルに使ってしまうのです。こうなると家賃の滞納リスクが非常に高まります。

さらにアルコール依存症の場合、お酒を飲んでいる時と飲んでない時の性格が大きく変わることもあるので、近隣トラブルの原因にもなりかねません。この場合、周囲にも迷惑がかかるため依存症治療の専門病院に入院してもらうなどしか打つ手がありません。

入居審査時に病気の既往歴を調べると重い精神疾患を患っているケースが判明したり、退居理由を調べると色々なアパートで更新を断られているなどの問題が発覚することがあります。このように、ちょっとした手間をかければ大きな問題を避けることができます。

入居者トラブルを相談できる窓口もある

生活保護受給者である入居者が近隣住民に迷惑を掛けている場合、相談できる公的な窓口がいくつかあります。まずは市町村区の生活保護担当のケースワーカーに相談してみましょう。生活保護を受けている人には必ず担当がつきますので、相談もしやすいはずです。

また、それぞれの地域の保健福祉センターに相談をする方法があります。大家さんである自分と生活保護受給者の信頼関係が破たんしていると認められた場合には、立ち退き費用を役所が出してくれるケースもあります。

公的機関に問題を報告し、相談をするとともにトラブルを起こしている入居者に対しても手紙や訪問等で注意を促しておくことも重要です。トラブルが原因で退居者が出た場合、損害賠償を起こして請求すると伝えるのも有効です。

過去に問題を起こした生活保護受給者では、ケースワーカーを通じて相談をした事例があります。最終的にアルコール依存症の専門医療機関に入院することが決まりました。入院中の住宅扶助は、公的機関から振り込まれることになり家賃の滞納は回避できました。

まとめ

自主管理する際には、クレーム対応やトラブル対応までを全て自分でしなければならないという問題があります。そのため、そのようなトラブルを起こす人物の入居を未然に防ぐのも重要です。
きちんとした人であれば、決められた日に正しく入金し、家賃の滞納トラブルもないはずです。近隣トラブルを起こす人物はコミュニケーション能力に問題があることが多いです。
自ら収益物件を管理するためには、いかに優良な入居者に入ってもらうのがポイントです。入居審査に力を入れることで自分の収益物件の価値を大きく向上させることにもつながりますし、自主管理の秘訣にもなるのではないでしょうか。

各種お問い合わせやご相談はこちら