実際にあった!不動産投資詐欺の手口と対処法 | 不動産投資を考えるメディア

実際にあった!不動産投資詐欺の手口と対処法

投資詐欺という言葉がありますが、不動産投資においても詐欺事件が起こっています。不動産投資詐欺では物件自体の金額が高額なため、当然被害金額も大きくなる傾向があります。今回は、悪質な不動産投資詐欺を未然に防ぐため詐欺師の手口や対処法などを実際に騙されてしまった事例を挙げながら解説していきます。

投資コンサルタントを名乗る詐欺師

投資コンサルタントを名乗る詐欺師

世論調査の結果に見られるように将来の収入が不安だという人は少なくありません。不安を解消するための方法を知りたいとか、お金のことを学びたいというニーズが高まっています。そんなニーズを逆手に取った詐欺もあります。まずは、国民生活センターに寄せられた不動産投資の詐欺事例を見てみることにしましょう。

Aさん(30代女性)は、婚活サイトで投資コンサルタントの男性に出会いました。
数回食事に行った時、男性は投資の話をしてきました。この手の話には警戒心があったAさんは、「資産運用の勧誘ですか?」と男性に伝えました。すると、男性は急に怒り出して口論になってしまいました。喧嘩になってしまいましたが、Aさんには本音を言いあえたように感じ、いつの間にかその男性を信じるようになりました。

ある時その男性は「君にはマンション投資が向いている」と言いました。その頃にはAさんはすっかり男性のことを信用していましたので、日を改めて男性の職場に行くことにしました。職場に行く際に男性から「サラリーマンの年収がわかる源泉徴収票を持っていくように」と言われました。さらに男性から「節税対策や年金の足しになるだけでなく、借り手がいなくても家賃保証があるから毎月家賃収入が入る」と説得されました。

不安はあったのですが、男性を信じたいという気持ちが強く、いくつかの書類にサインしてしまいました。数日後、男性とマンション販売業者の事務所に本契約のために出向きました。売買契約書にサインして融資の手続きをすると、その後男性とはぱったり連絡が取れなくなってしまったということです。

この詐欺の手口は、まず相手が納得できるような話をして信頼関係を築くというところが、第一のポイントです。資産管理やお金の専門家のように振舞って、デートやお付き合いの中で相手の年収や勤務先を聞き出したりしています。そこで、相手の将来に対する不安を煽り、その不安を解消するための方法として、お金が手元に残りにくい新築ワンルームマンション投資を勧めたりするのです。

営業トークでよくあるのが「家賃収入が公的年金の代わりになる」ということです。もちろん、確かにこのことは全て嘘ではありません。真面目に賃貸経営をすれば、着実に家賃収入が入ってきます。しかし、その収益物件が最初からコスト高であったら単なる赤字を生み出し続ける物件になってしまいます。

また、家賃収入が継続的に入ってくるためには、当然経営努力も必要です。入居者が退去することもありますし、物件には原状回復が必要になります。物件が古くなれば、リフォームも必要になるでしょう。賃貸経営の能力が問われますし、必ずしも順風満帆にいくとは限りません。

家賃保証(サブリース)システムも、物件が古くなれば家賃保証の手数料も上がっていくのが一般的です。また、家賃保証をするために指定業者の非常に高いリフォームを実施しなければならないケースもあります。公的年金の代わりになるのかどうかは、その物件を総合的に調べてみないとわからないものです。相手に勧められたからといって、不動産投資の知識を何も持たずにビジネスを始めてはいけないのです。

家賃保証、サブリースについては以下の記事で解説しています。
家賃保証システムの仕組みと利用するメリット
アパート経営の落し穴「一括借り上げ(サブリース)」のリスクとは?!

ファイナンシャルプランナーを名乗る詐欺師

ファイナンシャルプランナーを名乗る詐欺師

同じように婚活サイトで知り合った男性に騙されたBさんという女性の事例です。

Bさんは、ファイナンシャルプランナーを名乗る男性と婚活サイトで出会いました。
一流企業に勤めているBさんは、その男性から「節税対策をしてあげる」と言われ、役職や収入などを聞かれました。ファイナンシャルプランナーを名乗っていたため、特に違和感もなく自分の収入や貯金、資産の保有状況などを話してしまいました。

次のデートで、男性に会うと「節税対策や年金、生命保険の代わりになるのはマンション投資がいい」と強くマンションの購入を勧められました。Bさんが購入金額が高額過ぎると躊躇していると、男性から「個人的に面倒をみる」と言われました。そこでBさんは購入を決断しました。

金融機関の融資の審査、売買契約まで計7回ほどホテルに呼び出されました。契約後は全て面倒を見ると言われていたのですが、Bさんが確定申告の相談をすると、突如その男性と連絡が取れなくなってしまったのです。Bさんは契約するまで購入したマンションを一切見ていなかったということです。

このBさんが引っかかってしまった詐欺の手口は、不動産投資で節税ができるという節税トークでした。他の記事でも紹介しているように、マンション投資で節税と表現しているのは、所得税の還付金のことです。家賃収入である不動産所得が赤字の場合は他の所得の黒字と損益通算ができます。給与所得が赤字になることはないので所得税が還付される可能性が高くなるのです。高い給与所得を得ている人は、所得税や住民税を支払うことに抵抗がある人も多いと思います。そうした利己心を煽るのも詐欺師の手口の1つです。

不動産投資の節税については以下の記事で解説しています。
不動産投資で節税できる税金の種類と仕組み、節税効果を得るための注意点

実は以前から付き合っていた知り合いが、マンション投資を勧めてくるというケースもあります。知り合いの人は副業で不動産会社から話を持ちかけられているのでしょう。友人や知り合いを不動産会社位に紹介し、契約が成立したらその不動産会社からマージンをもらうという仕組みのようです。知り合いだから断りにくいということもあって、物件を見ないまま購入する人も少なくはありません。しかし、知り合いが勧めてくる場合であっても、物件を一度も見ないで購入するとは不動産投資においてはリスクが高すぎます。

Bさんのケースも相手を信頼し過ぎてしまった結果、騙されてしまったというものです。冷静に考えてみると、何でそんな手口に引っかかるのだろうかと思われるかもしれません。しかし、自分に好意をもたせ親しくなった上で全て面倒を見ると言って相手を信用させるという人の心理に漬け込むのが詐欺師の巧妙な手口なのです。

婚活パーティーで出会った女性の詐欺師

収益物件は全く同じものは一つとしてありません。だからこそ、物件の適正価格はなかなか把握しにくいものですが、そうした不動産業界の事情をいいことに詐欺に遭ってしまう人もいます。

ある男性被害者Cさんの事例です。

Cさんが不動産投資をスタートしたのは婚活パーティーで知り合った女性から勧められたことがきっかけでした。Cさんは不動産投資を勧められるがままに2700万円の賃貸用中古区分マンションを購入しました。しかし、その女性との付き合いはそれだけに留まりませんでした。

Cさんはさらに女性の知り合いの販売業者の紹介で融資を受け、入居者も紹介されました。投資がスタートしてからすぐに家賃収入がありました。金額は微々たるものでしたが、Cさんは満足していました。

しかし、Cさんはふと気になって近くの不動産業者で自分の物件の購入価格を確認したところ、相場よりも約1000万円も高く購入していることが判明したのです。そのことを女性に話すと、それ以後ぱったりと女性との連絡は途絶えてしまいました。

不動産投資が成功するか、それとも失敗するかは、初期費用が大きく関わってくると言ってもいいでしょう。相場よりも安い金額で購入することができれば、利回りも高くなりますし、早い段階で大きな収益を上げることも可能です。ですので、なるべく安く購入するというのが重要ですが、Cさんのケースでも相手のことを信用し過ぎてしまったことで、高値づかみをしてしまったと考えられます。物件の価格は調べようと思えば調べられたはずです。物件相場を検索できるサイトもありますし、セミナーで聞くという方法もあるでしょう。不動産投資をする際には、一つの意見、一つの情報だけを信じて投資を決断するのではなく、情報のアンテナを常に張って、何か疑問があればその都度、疑問を解消するということが大切になるのです。

自己資金ゼロで不動産投資をスタートする危険性

必ずしも詐欺とは限りませんが、「少ない自己資金もしくは頭金ゼロで不動産投資ができる」という謳い文句で営業をしてくる不動産会社もあります。マイナス金利の時代ですから、フルローンはもとより物件を購入するときの諸経費も全てローンで賄うオーバーローンで購入する人も増えています。しかし自己資金がゼロからスタートできるので気軽に始められると思うのは早計ではないでしょうか。

賃貸経営では、ビジネスとして運営していくための運転資金が必要です。退去者が出れば原状回復のための費用が必要ですし、中古の物件であれば、水まわりや突発的な修繕が発生することもあります。その時に運転資金がゼロだったら、自分の貯金から持ち出しになるか、最悪の場合は不動産投資を止めざるを得なくなることもあります。自己資金ゼロで不動産投資をスタートするのはいいのですが、くれぐれも経営であるということを忘れないようにしたいものです。

悪質で強引な勧誘に要注意!

悪質で強引な勧誘に要注意!

多発する不動産投資詐欺事件では、悪質かつ強引な勧誘によって被害に合うケースがよく見られます。典型的なケースとしては、何度もしつこく勧誘してくるというシンプルな手口による被害が後を絶ちません。

不動産投資を勧誘してくる電話セールスというのは珍しいものではありませんが、中には詐欺目的の勧誘電話もあります。そのような業者は一度断ってもしつこく電話をかけ続けてきます。意思の強い人ならピシャリと断れるのですが、高齢者や気が弱く電話相手に強く出られない人だとしつこくかけられる勧誘電話に精神的に参ってしまい、一度聞いてみるだけならと不動産投資の話に乗ってしまうのです。

怪しげな電話の勧誘に応じてしまうなど本来あってはならない事ですが、人の心の弱さに漬け込む詐欺犯に目をつけられてしまっては簡単に逃れる事などできません。もし自分に胡散臭い不動産投資の勧誘電話がかかってきたらきっぱり断ればいいのですが、問題なのは高齢の親に勧誘電話がかかってきてしまった場合です。早期に手を打たないと詐欺被害に合う可能性がありますので、日頃から怪しげな電話やしつこい勧誘がある場合は直ぐに自分に連絡するよう伝えておきましょう。

不動産投資の勧誘電話の断り方については以下の記事で解説しています。
不動産投資のしつこい勧誘電話の断り方

また、不動産投資詐欺の手口の中にはデート商法まがいの勧誘も報告されています。
ルックスのいい若い女性もしくは男性に食事に誘われノコノコついていったら不動産投資の話を持ちかけられた、という手口は主に若者の間で見られます。信頼できる不動産投資であればそのような怪しげな勧誘をするはずがありません。ターゲットにされていることがわかったらその場で席を立ち、二度と連絡をとってはいけません。

「将来値上がりする」という謳い文句が危ない!

「将来値上がりする」という謳い文句が危ない!

詐欺師が用いる不動産詐欺の典型的な手口が「将来確実に値上がりする物件があるから投資しないか」という誘い文句です。物件の値上がりを待って売却し利ざやを狙うのは不動産投資の常套手段ではありますが、そもそも将来100%値上がりする事が決まっている物件など存在しません。仮に値上がりが確実なら人に紹介せず自分で投資すればいい話なので不動産投資を持ちかけてくる時点で怪しげな詐欺まがいの誘いである可能性が高いです。

このようなケースでは

  • 鉄道が開通し駅前になる土地
  • 再開発されるエリアの物件
  • 高速道路建設予定地

など「大規模工事で地価が大幅に上昇する不動産を安く購入できる」と言った誘い文句で不動産投資を持ちかけてくる事があります。

確かに開発工事で土地の価値が急上昇するケースは有りますが、そんな好条件の土地を簡単に押さえられるはずがありません。もしそのような不動産物件を押さえられたとしても、好条件なのですからもっと金回りの良さそうなところに投資を持ちかけるのが常識です。

冷静に考えれば、そんなうまい話が自分のところに持ち込まれるはずがないのはわかるのですが、数年で価格が何倍にもなると言われてしまうと欲に目がくらみ正常な判断ができなくなってしまう事があります。詐欺師にとっては自分は絶対にだまされないと強く信じている人ほど簡単に騙せるカモに映ります。

儲け話を持ち込まれたら、まず具体的な内容を突っ込んで聞き出しましょう。詐欺師側も騙すための準備はもちろんしていますが、詳しく話を聞けば聞くほど必ずどこかにボロが出てくるはずです。矛盾点を突っ込まれて答えに窮するようであれば詐欺の疑いが濃厚です。

登記書類は必ず自分でもチェック

登記書類は必ず自分でもチェック

不動産投資詐欺では架空の物件や悪条件の物件ばかりが用いられるとは限りません。中には実在する良質な物件が詐欺に用いられる手口もあります。

実在する物件が用いられる手口としては、不動産物件とは無関係の人間があたかも所有者であるかのように装い、不動産投資話を持ちかけるケースがあります。好条件の投資話に乗り気になってお金を払うとすぐ詐欺師は行方をくらませてしまいますので、持ち逃げされた事に気づいた時点で後の祭りです。登記関係の書類を調べて所有者に連絡しても投資話を持ちかけてきた人物とは別人なのでどうすることもできず、雲隠れした詐欺師に持ち逃げされたお金を取り戻す事はできません。

不動産投資の仲介を装う手口もあります。このケースでは豪華なパンフレットを作成しあたかも信頼ある投資業者であるかのように装い、広く不動産投資を募って多額の資金を騙し取る手口です。広告に使われる不動産物件は全て実在のもので収益性も高く魅力的な物件ですが、当然詐欺師とは何の関係もなく無断で広告に使われているだけです。

このような詐欺を未然に防ぐには、不動産投資の対象となる物件情報を自分自身で確認するのが効果的です。不動産登記簿などの公的な記録や書類を直接調べれば、詐欺師にはごまかす方法がありません。相手が提示してきた情報をうのみにせず、必ず自分で不動産の情報を集めて裏を取るようにすれば、万一詐欺に巻き込まれても被害を出す前に詐欺師の正体に気づけます。

不動産投資は大金が動きます。信頼できる情報は自分自身で集めるのが一番確実です。情報収集を面倒がらず、疑わしくてもそうでなくても必ず投資する不動産物件の裏付けを取るようにしてください。

まとめ

不動産投資詐欺の例を見ていると、相手を信頼して投資してしまうという人がいかに多いかということが分かります。投資にはメリットだけでなくリスクが必ず存在します。リスクがあるからこそ、自分できちんと調べて納得した上で投資を行う必要があります。相手を信頼して相手の言われるがままに投資をすると、実は詐欺だったというケースは多々あります。あのとき口車に乗らなければよかったと後悔しても遅いのです。

投資用マンションで実際に詐欺師に騙された人の中でも、自分で賃貸経営をすると腹をくくって挽回し、今では成功してプロの投資家になっている人もいます。大切な資産を守るためにも、自分の目や足を使って類似の事例や登記情報などを確認し、人に頼らず自分で考えて行動するということが不動産投資を成功するためには必要不可欠なのです。

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