個人売買のIT重説に備えよう!重要事項説明のチェックポイント | 不動産投資を考えるメディア

個人売買のIT重説に備えよう!重要事項説明のチェックポイント

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重要事項説明書

2017年より本格的に開始されたIT重説ですが、2018年3月5日に国土交通省による4回目となる「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験に関する検証検討会」が開かれました。
その内容によると、2017年10月から2018年1月までのIT重説の実施件数は累計で2300件となり、今年1月だけでも1000件を超えるIT重説が行われたとしています。更に驚くことにIT重説によるトラブルは0件だったという事も分かっています。

いよいよ個人売買でもIT重説を導入しようと検討会が開始される予定ですが、いざその時が来た時、重要事項説明でどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。
今回は、今だからこそ確認したい!個人売買のIT重説のチェックポイントを解説させていただきます。

重要事項説明書の記載内容

重要事項説明書は賃貸であればA3用紙を横にして右半分と左半分で分けて記載される程度ですので、一般の方でも一通り目を通してその内容を確認、熟知することはさほど難しいことではありません。
ただ、こと売買契約となると、その内容はかなりのボリュームになる上、文字サイズも一般的に12ポイント前後が望ましいと言われていますので、添付書類や補足事項まで含むとA3用紙で10枚を超える量になることが多くあります。
当然、両面印刷にして小冊子のように綴じている業者がほとんどですが、不動産契約に慣れていない方にとっては難解な言葉や記載内容の意味を確認するだけでも一苦労です。

では実際に、不動産売買における重要事項説明書にどのような記載内容があるのかまとめましたので、一覧で見てみましょう。

  • 売主、買主の表示
  • 供託所に関する事項
  • 物件の表示
  • 第三者による占有
  • 登記簿の記載
  • 法令による制限
  • 防災、災害の指定区域かどうか
  • アスベストの調査内容
  • 耐震調査や性能評価内容
  • 接道、私道に関する事項
  • 水道、ガス、電気の設備
  • 売買代金や手付金の金額や解除等に関する事項
  • 損害賠償や瑕疵担保責任に関する事項
  • 金銭貸借に関する事項
  • 割賦販売の有無
  • その他添付書類や物件の補足情報

一般的なものとしてご紹介させていただきましたが、その内容は16項目にも及んでおり、それぞれの項目に細かな説明がビッシリ書かれています。
これら全てを確認し、それぞれに問題や不利な点が無いかを確認するとなったら、一体どのくらいの時間がかかるのかと不安さえ覚えるかもしれませんが、実は、重要事項説明書も読み方のコツというのがあるのです。

重要事項説明書を見るコツ

重要事項説明書を見るコツとして、上記の記載事項を以下の4つの種類に分けると見やすくなります。
種類を分ければ宅建士から説明を受ける際に、頭の中で「今の説明で何が重要なのか」という点に気付きやすくなるためです。
では実際に、上記の記載事項を4種類に分けてみましょう。

(1)物件の住所や売主、不動産会社等について
・売主、買主の表示
・供託所に関する事項
・物件の表示
(2)物件にまつわる債権や権利関係
・第三者による占有
・登記簿の記載
(3)物件の法令上の制限や注意事項
・法令による制限
・防災、災害の指定区域かどうか
・アスベストの調査内容
・耐震調査や性能評価内容
・接道、私道に関する事項
・水道、ガス、電気の設備
・その他添付書類や物件の補足情報
(4)契約の方法や金額について
・売買代金や手付金の金額や解除等に関する事項
・損害賠償や瑕疵担保責任に関する事項
・金銭貸借に関する事項
・割賦販売の有無

以上のような分け方をすれば「なるほど!」と思えるスッキリした形になりますので、重要事項説明書を見るコツでもあり、より理解を深めるための効率的な方法であるとも言えます。

重要事項説明は自分に不利な点が無いかを確認する

重要事項説明書を4種類に分けるとご説明させていただきましたが、それぞれの項目では「自分に不利な点が無いか」という事を意識する必要があります。
よって、各種類の見方をもう少し詳しくご説明させていただきます。

まず、「(1)物件の住所や売主、不動産会社等」についてですが、売主の確認と物件住所や面積、地型などが当初の説明や用意された登記簿と相違ないか確認します。
稀に、悪質な転売屋による詐欺などもありますから、売主が思っていた人物と違うような場合に注意が必要です。また、土地に関しては地上権や賃貸権などが設定されている場合がありますので、併せて確認しておきましょう。

続いて「(2)物件にまつわる債権や権利関係」についてです。
建物の瑕疵などがあっても最悪の場合は建て直しでどうにかできますが、権利関係については自身ではどうにもなりません。
つまり、これから購入する物件に不利な権利設定がされていないかの確認は絶対に漏らしてはいけない項目ですので、上記の物件の表示の項目と相互に確認しておくと良いでしょう。
また、中には住宅ローンの残債がある物件を紹介されることもありますが、銀行が抵当権者となっているような場合は売買契約締結後の抵当権抹消をどのようにするのか、この時点で改めて確認しておきましょう。

そして「(3)物件の法令上の制限や注意事項」に関しては、物件購入後のトラブルを防ぐための最重要事項です。
不動産経営が順調で、銀行からも多額の融資を受けられるようになったからといって、「広い土地を買ってマンションを建設しよう」と思っても、法令上の制限により高い建物の建設が認められていなかったり、将来的に実は道路計画があったとなればマンションを建設する事はできません。
また、その地域独自の制限により建物の外観を派手にすることを禁止されたり、植栽を義務付けられていたりすることもあります。
更に、中古物件であれば瑕疵の有無やライフライン設備の状況、敷地が面している道路の種類や状況によって制限がないかといったところも確認する必要があります。

最後に、「(4)契約の方法や金額について」です。
こちらは売買に関わる金銭の扱いなどについて説明されるものですので、物件購入前でも後でも重要な項目だと言えます。
売買代金が当初の説明どおりであるかはもちろん、ローンが未成立の際は契約解除となるか、売主の債務不履行時の賠償金額、瑕疵担保責任の有無、手付金の扱いについてなどが書かれた項目ですので、自分がお金を出す側であることをシッカリ意識して、おかしな点があった場合は確認と指摘を忘れることのないようにしましょう。

このように、先ほどもお話させていただいたたとおりですが、重要事項説明は自分に不利な点が無いかを意識することが重要です。

「物件購入そのものが自分に不利でないか」
「自分に不利な権利関係が設定されていないか」
「自分に不利な制限がないか」
「自分に不利な契約内容ではないか」

このように言い換えると更に分かりやすいかもしれませんが、物件選びに少々厳しいジャッジが必要になるかもしれません。
ただ、リスクを最小限に抑えることを優先されるのであれば、一つのスタンスとして頭の片隅に置いておいても良いかもしれません。

まとめ

冒頭でご説明させていただいたIT重説についてですが、苦情は0件であるものの、導入方法や取り扱い方法にはまだまだ課題が残されていると言います。
また、便利であるが故に、見落としてしまいそうなポイントがあるかもしれません。
そもそもIT重説においては、対面で説明者のボディランゲージや指差しでの確認などが難しいと考えられますので、お互いに誤解が生じないように注意するには、予め重要事項説明のポイントを予習しておくことが重要だと言えます。
そう考えると、IT技術を活用した不動産テックが進むにつれて、今まで以上に私たちの不動産に関するリテラシーが求められるようになるのかもしれません。

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