時代の変化!?アンケート調査にみる単身者の求める間取りとは?

部屋の間取りイメージ
不動産投資に初めて挑戦される方であれば、手始めに単身向けの物件の購入を検討される方が多いのではないでしょうか。実際、不動産投資向け物件の多くが、単身者向けの区分所有マンションです。そもそも単身者向けの物件とは、どのような物件を指すのでしょうか。

間取りは?設備は?家賃は?「ワンルーム投資」なんて言葉もあり、居住スペースと簡易キッチン、そしてユニットバスなどを一間にギュッと詰め込んだ部屋をイメージする方も少なくないと思います。では、その物件、本当に入居者が入るのでしょうか。今回は不動産ポータルサイトが行うアンケート調査、そして過去から今にかけての単身者向け物件の変化から「今の単身者が求める物件とは?」を考えてみたいと思います。

アンケートから見る単身向け物件の需要

安易な認識でワンルームマンションを投資物件として購入してしまうと、入居者が決まらず駆け出しから躓くこともあり得ます。不動産投資で大事なのは、やはり賃貸需要。単身者がどんな物件を希望しているのか把握するのは、初めて不動産投資に挑戦される方にとって最初の課題と言えるでしょう。

では、単身者はどのような物件を求めているのでしょうか。2012年にアットホーム株式会社が調査した「一人暮らしの実状と部屋探しについて」というアンケートでは、以下のような結果となっています。

現在住んでいる間取り
ワンルーム18.0%(男性17.5%/女性18.5%)
1K53.3%(男性46.0%/女性60.5%)
1DK8.5%(男性8.5%/女性8.5%)
1LDK7.8%(男性11.0%/女性4.5%)
2K4.5%(男性5.0%/女性4.0%)
2DK5.0%(男性8.0%/女性2.0%)
2LDK以上3.5%(男性4.0%/女性2.0%)
希望の間取り
ワンルーム4.5%(男性3.5%/女性5.5%)
1K21.5%(男性20.5%/女性22.5%)
1DK25.0%(男性20.5%/女性29.5%)
1LDK27.5%(男性26.0%/女性29.0%)
2K4.5%(男性5.5%/女性3.5%)
2DK7.3%(男性10.5%/女性4.0%)
2LDK以上9.8%(男性13.5%/女性6.0%)

【参考】アットホーム株式会社「一人暮らしの実状と部屋探しについて」

本来希望する間取りは1LDKや1DKが最多。メインの居住空間とキッチンダイニングは別にしたいという希望が多いと推測できます。ただ現在住んでいる間取りで最も多いのが1K。どうやら現実と希望は必ずしも一致しないようです。

では何故そういった物件に住まないのでしょうか。理由として考えられるのは、やはり家賃や立地、各種設備などを優先したためでしょう。間取りは譲っても、現実的に譲れない点があるのだろうと推測できます。

単身者向け物件の今と昔。間取りの移り変わり

せっかくの新しい住まいですから間取りが広いに越したことはなく、それは今も昔も変わりません。しかし今と昔で比べると、単身者向けの物件は徐々に広くなってきています。

バブル期前の単身者向け物件は「六畳一間」が多くありました。実際、築年数が古くなるほど単身者向け物件は6帖以下の物件が多くなります。当時は6帖どころか4.5帖の物件も多くあり、場合によっては風呂トイレが共同、若しくは近くの銭湯というのが普通。当然バルコニーが付いているなんて高級賃貸だけでした。今では信じられませんが、部屋全体の広さは10㎡前後が一般的だったのです。

そしてバブル期に入ると、単身用の物件にも変化が表れます。経済的に成熟した日本において、風呂やトイレが自分の部屋にあるという事が一つのステータスでもあったため、ワンルームが主流となっていきます。ただ、今でいうバス・トイレ別の1Kではなく3点ユニットがメイン。床も畳ではなくフローリングやクッションフロアに変わり、バルコニーや洗濯機置き場まで設置され、まさに一人暮らしの方にとっては自分の城を持ったかような感覚だったのではないでしょうか。ちなみにこの頃のワンルームは、15㎡や20㎡程度の物件が多くありました。

その後、更に単身者向け物件は贅沢になっていきます。部屋全体の広さは優に25㎡を超え、部屋とキッチンの間に扉が付けられた1Kが登場。当然、バス・トイレは別です。これが現代で言う一般的な単身者向けのワンルームであり、くつろぎのスペースと家事スペースが分けられた物件が多くなりました。

さて、この流れで単身者向けの物件もどんどんグレードアップしていくかと思いきや、日本のバブルが崩壊したこともあって単身向けの物件も1Kという広さに落ち着きます。ただ前章のアンケート結果にあるように、本来単身者が求めているのは1DKや1LDK。広さにして35~40㎡ほどですから、バブル期以前の4.5畳の時代から考えると単身者の意識は大きく変わったと思わされます。

2019年最新版!単身者が求める間取り

さて、今と昔の間取りがどう変わってきたかを考えると、安易にワンルーム投資を始めるリスクに気付かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。単身者の賃貸需要を考えずにワンルームを購入したところで、不動産ポータルサイトの検索条件からは真っ先に除外されるでしょう。

では、もうすぐ2020年になろうかという今、単身者に求められている間取りは何なのでしょうか。不動産ポータルサイトを始めとした多くのメディアが、一人暮らしをする人にアンケート調査をしています。そこでここ2~3年の間に行われたアンケート調査をいくつかピックアップして、「現在住んでいる間取り」の動向をまとめてみました。

どの調査結果を見ても、圧倒的に「1K」が多い状況です。当然と言えば当然かもしれませんが、不動産投資という視点で見た時に、ワンルームではなく1Kで勝負すべきということが分かります。不動産投資を考える人にとって、貴重なデータと言えるのではないでしょうか。

賃貸ユーザーは築年数を見ていない!?

ここまで、調査結果や過去と現在における単身者の賃貸ニーズを見てきましたが、事実として分かっているのは以下2点です。

  • 本来住みたい物件は1DKや1LDK
  • 実際は1Kに住んでいる人が多い

単身者がどんな物件を求めているかはデベロッパーも把握していますので、1DKや1LDKの単身用マンションも建設されています。ただ物件価格は高く、都内なら3000~5000万円という価格帯です。正直なところ、初めて不動産投資を行う方にとってはハードルが高いと言わざるを得ません。

では、現在の単身者が求める1DKや1LDKといった物件を持つことは不可能なのでしょうか。実は「リノベーション」により、単身者が求める広い物件を手に入れられる可能性があります。2015年に株式会社リクルート住まいカンパニーが調査したアンケート結果によると、賃貸ユーザーが重視するポイントは以下のようになっています。

賃貸物件で重視するポイント
1位家賃・価格91.5%
2位間取り82.0%
3位最寄駅からの徒歩分数76.0%
3位面積・広さ76.0%
5位路線・駅やエリア74.5%
6位立地・周辺環境74.0%
7位通勤・通学時間72.0%
8位築年数(新築含む)59.5%
9位住戸の向き・方角59.0%
10位設備・仕様58.5%

【参考】SUUMOジャーナル「SUUMO調べ、物件選びで重視するポイント2位「間取り」・1位は?」

数値の合計が100%にならないのは複数回答を可としているため。調査結果から分かるのは、とにかく「家賃」「間取り・広さ」「駅近」が重要だと考えられていて、築年数はそこまで重要ではないという点。つまり賃貸ユーザーの本音は、建物の見た目や新しさより、実際に住んだ時の快適さだと言えるでしょう。

2Kや2DKの古い物件を安く購入して1LDKなどにリノベーションできれば、単身者が求める物件を手に入れられます。賃貸需要どおりの物件で勝負でき、しかも家賃相場も周辺に合わせることが可能です。ただし、あまりにも築年数が古いと管理組合の決定次第で建て直しや修繕積立金を追加で求められる可能性があります。いくら安い物件と言っても、物件購入前に収支シミュレーションを行うのは絶対に忘れてはいけません。

まとめ

現在新築として売り出される単身者向け物件を見ていると、「果たしてその設備は必要なのか?」と思わされる物件も多くあります。例えばIoT物件というものも登場していますが、残念なことに日本のIoT家電はまだ普及していません。現時点でIoTを導入したからといって、入居希望者が殺到するとは考えづらい状況です。

それよりも不動産ポータルサイトのアンケート調査やその他住まいに関するトレンドの情報は、常に意識すること。そして今その時の斬新さに惑わされることなく、この先どの程度収益を見込める物件か、世の中の需要に合っている物件かという視点で見るのが不動産投資で重要なポイントです。いざ不動産投資を始めようと思った時、冷静に物件を見定めることを忘れてはいけません。

4.5/5 (2)

記事の平均評価