読むだけでも面白い!役立つ判例サイト3選 | 不動産投資を考えるメディア

読むだけでも面白い!役立つ判例サイト3選

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裁判所のイメージ

賃貸人として物件の賃借を行うと、債権問題と向き合うことになったり、ちょっとしたトラブルが訴訟まで発展する場合もあるかもしれません。
既に不動産投資を行っている方であれば、そういったリスクが存在することは予め把握されているかと思いますが、仮に法律に詳しい方でも、宅建業法や建築基準法、民法などだけでは判断できないケースもあります。
そこで、「こんな時どうする?」と思った時に役に立つ、判例が確認できるサイトを3つご紹介させていただきます。

裁判所~COURT IN JAPAN~

最初にご紹介するのは、裁判所の公式サイトです。
同サイトには、裁判所の概要や裁判手続きの方法、事件種別による裁判の数や内容をデータ化した司法情報などがありますが、その中に「裁判例情報」というコーナーが設けられています。
そこでは、裁判所名や事件番号、裁判年月日、キーワード検索が可能になっており、判例を探す際にはまず利用したいサイトだと言えます。
試しにキーワード検索へ「敷金」と入力し検索をかけてみると、約280件の判例がヒットしますが、最新の判例から、古くは昭和24年といった70年前のものまでも確認できるのには驚きです。

◼︎裁判所 COURT IN JAPAN
http://www.courts.go.jp/

一般財団法人 不動産適正取引推進機構~RETIO~

続いて、国から宅地建物取引士の試験機関として指定されている「不動産適正取引推進機構」の公式サイトです。
同サイトには「判例検索システム」があり、不動産の売買、賃貸借、宅建業法から権利関係などのカテゴリの判例を一覧で確認できます。
もちろん、検索ツールも備えており、取引態様とキーワードの組み合わせ、裁判年月日での検索も可能になっています。
平成23年時点で、1200件以上の裁判例を収録していますが、判例は裁判所へのリンクが張られる他、ウエストロー・ジャパンで紹介された判例から抜粋して、コラム形式での解説がなされており、読みごたえは十分と言えるでしょう。

◼︎RETIO 一般財団法人 不動産適正取引推進機構
http://www.retio.or.jp/

独立行政法人 国民生活センター

最後にご紹介するのは、判例とトラブル事例の両面から調べることができる「国民生活センター」の公式サイトです。
基本的には国民生活における様々なトラブルについての相談内容や、あらゆる商品のテスト結果やアンケートなどを取り上げて紹介するのが主旨ですが、国民生活センターの公式ページには「相談事例・判例」というコーナーが設けられており、住まいや建物、設備といったカテゴリから様々なトラブル事例の確認が可能となっています。
検索等により簡単に判例が確認できるものではないため、ピンポイントで調べたい判例を探すことは正直難しい印象ですが、様々なトラブル事例から各法令を基にしたアドバイスも掲載されているため、一つの読み物として覗いてみると面白いかもしれません。

◼︎独立行政法人 国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/jirei/j-top_kurashi.html#sumai

実際の判例からトラブル事例をご紹介

上記のような判例サイトで、どのような不動産トラブル事例を確認できるのか気になる方もいらっしゃるかと思いますので、実際の判例から2つほど、分かりやすく内容を簡略化してご紹介させていただきます。

判例1〜地役権にまつわるトラブル〜

元々、一帯の土地の所有者であったAさんは、土地の一部をBさんに売り渡しました。その際に双方の合意の下、Aさん所有の土地の一部に通行地役権を設定しました。
実際に、Aさんにより地役権設定がされた土地はアスファルト舗装もされ、Bさんはその土地を通路として使用していました。
その後、AさんはCさんへ土地を売り渡すことになりましたが、この土地の地役権が登記されていなかったことでトラブルが発生します。
Aさんから土地を買い受けたCさんが「ここに地役権は存在しない」と主張したのです。
しかし、本件の裁判では、その土地が以前から通路として使用されていたことは見て明らかであり、Cさんは、その土地の買い受ける際に地役権の確認や調査をしなかったことを理由として「地役権が設定されていないと主張することはできない」との判決を下しています。

参考:福岡高等裁判所 平成9(オ)966「通行地役権設定登記手続等」

判例2〜野良猫の餌やりトラブル〜

こちらは、不動産トラブルの中でもよく耳にするペットや犬猫に関するものです。

テラスハウス型の区分所有の庭付き物件に住んでいるAさんは、ある日、その専用庭で野良猫が6匹の子猫を生んだことから猫に餌やりを行うようになりました。
しかし次第に猫の数は増え、少なくとも18匹もの猫が餌を求めて集まってくるようになってしまったのです。
その結果、野良猫の糞尿による悪臭被害や、植栽や物の破損、ごみ集積を荒らすなどの被害が頻発するようになり、再三の餌やり中止勧告にも従わなかったため、最終的には近隣住民による訴訟へと発展します。
被告は「飼っているわけではない」「不妊治療を施した」「糞尿が猫のものとは限らない」などと主張しつつ、一定のルールの下で餌やりを行うなど地域猫活動にも取り組んだとも主張しましたが、この裁判では原告側の全面勝訴となり、数百万円もの損害賠償と猫への餌やり禁止命令が下されることとなりました。

参考:東京地方裁判所 平成20(ワ)2785「猫への餌やり禁止等請求」

法令だけがルールではない

不動産オーナーという立場であれば、日ごろから法令を気にされる方も多いかと思いますが、上記にご紹介させていただいた判例のとおり、一見、法令やルールに沿っていれば問題ないだろうと思うことでも、実際に裁判になると意外な判決が下されるケースもあります。
法令だけを基準にして極端な判断をすることは、火傷の元になり得ますし、今回ご紹介した判例1については、まさにそれに当たるだろうと考えられます。

不動産投資は、物言わぬお金を動かすだけの株式や為替のトレードとは違い、不特定多数の人が関わることで初めて収益を生みだす投資ですから、忖度と斟酌のある判断を心がけることが安泰の不動産経営に繋がると言えるのかもしれません。

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