任意売却にはリスクも!?騙されない任意売却の方法 | 不動産投資を考えるメディア

任意売却にはリスクも!?騙されない任意売却の方法

シェアする

家とお金のイメージ

ここ数年で「任意売却」を一つのサービスとして提供、紹介する会社やブログ等が多くなった印象がありますが、その要因として任意売却は比較的に単価の高い広告収入が得られるということで、アフィリエイターの存在があることも否定できません。

ただ、それらのサイトを確認してみると、まるで住宅ローンやアパートローンという債権の問題を、いとも簡単に解決してくれる魔法のような内容で紹介されていることが多いのも事実。

そこで本記事では、任意売却の雑事とそう簡単なものではないということをお話させていただきます。

任意売却は気軽に使える魔法の杖ではない

任意売却や競売について解説するサイトやブログは多く存在しますが、そのほとんどで以下のようなメリットが謳われています。

  • 「引っ越し代を負担します」
  • 「そのまま住み続けられます」
  • 「通常の不動産価格で売却できます」
  • 「債務を0にして再スタート」
  • 「絶対にバレません!」

これらのメリットが間違いだとか嘘だとまでは申しません。ただ、「誇大な表現」であるとは言えます。

確かに、ほぼ全てが強制的に処理されていく競売と違い、任意売却は自分の意志で債務問題の解決に向けた行動を起こすものですので、ある程度は精神的な余裕を持つことができますし、残債が少なくなったり、場合によっては残債以上の価格で売却できるケースも皆無ではありません。

しかしながら、任意売却はあくまで「ローン返済が難しくなった」という前提にあるものですから、自分だけの問題ではなく、債権者や連帯保証人、場合によっては家族にまで迷惑をかける可能性があるものであることを忘れてはいけません。それほどに、任意売却の交渉や手続きには手間と時間がかかるものだということは肝に銘じたほうが良いでしょう。

そもそも任意売却は「延滞」ありき!?

では具体的に、任意売却について注意すべき点を改めて考えてみましょう。

先ほども申し上げたとおり、任意売却は何らかの事情でローン返済が困難になった時に行うものですから、その事情や状況によっては債権者、つまり金融機関側が任意売却を認めない可能性があります。

例えば、保証会社との契約があるローンの場合、金融機関側はわざわざ任意売却による担保割れのリスクや時間がかかるということよりも、保証会社から代位弁済を受けるほうが早く確実です。
言い換えるなら、保証会社からの弁済を受ける為に事故扱いにしてしまったほうが、金融機関側として都合が良い可能性があるのです。

債務者の同意が必要な任意売却は、こういった背景があることから必ずしも「できる」と言い切れないものなのです。

では、どういった状況下であれば任意売却が、より確実に近づくのでしょうか。
それは、「保証会社との契約がない」「連帯保証人にも返済能力がない」「ローンを実際に延滞している」といった、金融機関側にとっても都合の悪い状況にある時だと考えられます。

競売の場合、安く物件が手に入るというのは周知の事実ですが、それは裏を返せば債権者が安い価格で売らざるを得なかったということです。当然、債権者側としては少しでも多くの債権額を回収したいと考えるわけですから、よりも高く売れる見込みのある任意売却を認めてくれる可能性が高くなるのです。

個人信用情報にネガティブ情報が残る

さて、以上までの話を補足も踏まえつつ2つのポイントにまとめると以下のようになります。

  • 金融機関側が任意売却を認めなかった場合は保証会社が弁済を行うため、以後は保証会社と任意売却の相談をする必要がある
  • 延滞という事実が発生しないと返済不能と判断してもらえない場合もある

既にお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、以上の2つのうち、どちらの状況になっても「個人信用情報に傷が付く」という結果になります。
これまでにカーローンやクレジットカードの利用履歴、所謂「クレジットヒストリー」が残っていたとしても、完済や返済がなされていれば何ら問題ありません。

しかし、皮肉にも不動産経営が立ち行かなくなったということがキッカケで個人信用情報に「延滞」「代位弁済」という履歴が残ってしまうのです。

これが一般的に知られる「ブラックリストに載る」ということにあたるわけですが、この事故情報により、一から出直して不動産経営に改めて挑戦しようと考えたとろで、金融機関からの融資に期待できなくなるばかりか、プライベートでの有事の際に借り入れができなくなる可能性が高くなります。
これもまた、任意売却においては大きなリスクと言ってよいでしょう。

交渉の相手は債権者だけではない?

任意売却のリスクについて解説させていただきましたが、ここまでは主に債権者との折衝がメインでした。
ただ、任意売却の相談をすべき相手は、債権者だけではなく「保証人」にも及びます。これは、民法504条の「債権者による担保の喪失等」が大きく関係しています。

この法令を不動産に当てはめて分かりやすくご説明させていただくと、「債権者が、担保となる不動産を本来の価値よりも低い価格で売却したことで債務が残ったとしても、その残りの債務を連帯保証人が弁済する必要はない」ということを言っているわけです。
これを一般的に「担保保存義務」と言います。

債権者の立場で考えると、任意売却で物件を安く売られてしまったことにより全額返済が叶わなかったとしても、担保保存義務という法律の上では連帯保証人からの債権回収はできなくなるわけですから、担保保存義務が適用されないように「担保保存義務を免除する特約」に連帯保証人が同意するという確約がないと、任意売却を認めてくれない可能性があるのです。
これを債務者側から見ると、任意売却を認めてもらうためには保証人とも相談する必要があることになります。

結局は任意売却を認めてくれるかどうかの話になりましたが、補足を付け加えるなら、連帯保証人が個人であればまだしも、保証会社を使ったローンについては金融機関の作成した契約書に「担保保存義務免除特約」という条項があり、既に先手を打たれている可能性がありますので、交渉は困難を極めるということも覚えておいたほうが良いかもしれません。

その他の任意売却のリスク

ここまでを見ても、任意売却が簡単なものではないということがお分かりいただけるかと思いますが、一般的にメリットだと言われがちなことですら、実は確実ではないことがあります。

例えば「プライバシーが守られます!」という謳い文句を考えてみましょう。
プライバシーが守られると謳う根拠として「競売は公に晒されるが、任意売却は通常の不動産取引である」ということを理由にしているケースがありますが、果たして本当にそうだと言えるでしょうか。

そもそも、普通に物件を売却をするのだとしても、物件の外観写真を撮るために不動産会社の人が周辺をウロつくでしょうし、買主として内見を希望する人も現れるでしょう。それこそ、近所の人が売り物件の広告をたまたま見たことで任意売却だと知られてしまう可能性もゼロではありません。

任意売却の「プライバシーが守られる」とは、あくまで「個人情報を晒す必要がありません」という事なのであり、見る人が見れば、または不動産事情に詳しい人がその物件の詳細を見た時には任意売却だという事はすぐに分かるものなのです。

他にも、専任媒介契約をする必要のある任意売却であった場合に客付け能力の低い業者へ依頼してしまうと、なかなか買主が現れないというリスクや、稀ではありますが、任意売却後に多額の残債が残ったとしても、裁判所の判断により自己破産が認められないといったケースもあります。

まとめ

ここまでのお話をまとめて結論付けるとするのであれば、「任意売却リスクは準備と交渉力が必要」という事になるでしょう。
任意売却に特化した法律上のルールはほとんどなく、あくまで民法に則って処理を進めることが前提となります。その上で、債権をどのように処理していくかを利害関係のある人たちと交渉を行い、全員の一致を持って進めていく必要があるのです。
それらの交渉や手続きを一括して行ってくれるのが任意売却業者という事になるわけですが、上記までのような知識を持っているか、これまでの実績はどうかという事をしっかりと見極め、悪質な業者に騙されないような自己防衛を行っていきましょう。

記事の平均評価

各種お問い合わせやご相談はこちら